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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.1 版 (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.1 版(4/23)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.1 版 ●2 臨床像
フルエンザワクチンにおけるワクチン株の検討と同様に,研究開発および生産・流通部会にお
いて行う方針とされている.
また,特例臨時接種では,インフルエンザワクチンを除く他のワクチンとの同時接種および
接種間隔について,互いに 2 週間以上の間隔を空けることとされてきたが,諸外国の状況を踏
まえ,その他のワクチン(注射の弱毒生ワクチンを除く)と同様の扱いとなる.
表 2-3 2024 年度以降における新型コロナワクチン定期接種の規定
定期接種の対象者
(政令) ・65 歳以上の者
接種間隔・方法
(省令) ・毎年度一回筋肉内に注射する.
(省令) ・60 歳以上 65 歳未満の者であって,心臓,腎臓若しくは呼吸器の機
能の障害又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有す
るもの*
*予防接種法施行規則においては,「心臓,腎臓又は呼吸器の機能
に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有
する者及びヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活が
ほとんど不可能な程度の障害を有する者」と規定.
長期療養特例
(省令) ・現行のインフルエンザと同様,特例の適用除外とする.
定期接種対象者から除かれる者等(省令) ・現行規定のとおりとする.
副反応疑い報告基準
(省令) ・現在実施している特例臨時接種と同様の副反応疑い報告基準を定める.
定期接種化の開始時期
(政令) ・2024 年4月に,新型コロナウイルス感染症をB類疾病に位置づける.
他のワクチンとの接種間隔
*定期接種の開始は,2024 年の秋とする.
(通知) ・注射生ワクチン以外のワクチンと同様の取扱いとする.
【オミクロン株に対する追加接種の有効性および安全性について】
新型コロナワクチンの有効性は,流行しているウイルス変異株,過去のワクチン接種歴や
COVID-19 罹患歴,年齢,基礎疾患,使用薬剤などによって評価が異なる.
オランダの研究報告によると,XBB.1.5 ウイルス株の mRNA を含む COVID-19 ワクチン
(XBB.1.5 対応 1 価ワクチン)は,60 歳以上の成人での入院に対して 70.7%,ICU 入室に対
して 73.3%の有効性を示した.この有効性は,
2023 年 10 〜 12 月までの入院データを分析し,
少なくとも 1 回のワクチン接種歴のある人を対象にしたもので,同年齢層における 2022 年の
2 価ワクチンの有効性 64%を上回っていた.
また,デンマークでの XBB.1.5 対応 1 価ワクチンの短期的な入院予防効果を評価した報告
では,65 歳以上とハイリスク者を対象に接種が実施され,国民健康データを用いて,ワクチ
ン接種者と未接種者の入院率を比較して評価した結果,ワクチン接種者は COVID-19 による
入院リスクが 76.1%低かった.特に過去に追加接種歴がある人において,有意な予防効果があ
ることを示した.
加えて,2023 〜 24 年に更新された XBB.1.5 対応 1 価ワクチンの有効性を評価するため,
9,222 件の COVID-19 検査を分析した米国での研究報告では,ワクチン未接種者に比べて症
候性感染のリスクを 54%減少させた.また,ワクチン接種後 119 日までは,ワクチンの有効
性に有意な低下はみられず,この XBB.1.5 対応 1 価ワクチンは,JN.1 や他の変異株に対して
も有効であった.
新型コロナワクチン接種開始後の安全性の評価については,接種を受けた者への健康状況に
関する調査,副反応疑い報告と審議会での評価,予防接種後健康状況調査などにおいて評価が
行われている.直近では,2024 年 1 月 26 日に開催された審議会*において,新型コロナワク
チン接種開始後から評価対象期間の 2023 年 10 月 29 日までにおいて,ファイザー社,モデ
*厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同部会)
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フルエンザワクチンにおけるワクチン株の検討と同様に,研究開発および生産・流通部会にお
いて行う方針とされている.
また,特例臨時接種では,インフルエンザワクチンを除く他のワクチンとの同時接種および
接種間隔について,互いに 2 週間以上の間隔を空けることとされてきたが,諸外国の状況を踏
まえ,その他のワクチン(注射の弱毒生ワクチンを除く)と同様の扱いとなる.
表 2-3 2024 年度以降における新型コロナワクチン定期接種の規定
定期接種の対象者
(政令) ・65 歳以上の者
接種間隔・方法
(省令) ・毎年度一回筋肉内に注射する.
(省令) ・60 歳以上 65 歳未満の者であって,心臓,腎臓若しくは呼吸器の機
能の障害又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有す
るもの*
*予防接種法施行規則においては,「心臓,腎臓又は呼吸器の機能
に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有
する者及びヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活が
ほとんど不可能な程度の障害を有する者」と規定.
長期療養特例
(省令) ・現行のインフルエンザと同様,特例の適用除外とする.
定期接種対象者から除かれる者等(省令) ・現行規定のとおりとする.
副反応疑い報告基準
(省令) ・現在実施している特例臨時接種と同様の副反応疑い報告基準を定める.
定期接種化の開始時期
(政令) ・2024 年4月に,新型コロナウイルス感染症をB類疾病に位置づける.
他のワクチンとの接種間隔
*定期接種の開始は,2024 年の秋とする.
(通知) ・注射生ワクチン以外のワクチンと同様の取扱いとする.
【オミクロン株に対する追加接種の有効性および安全性について】
新型コロナワクチンの有効性は,流行しているウイルス変異株,過去のワクチン接種歴や
COVID-19 罹患歴,年齢,基礎疾患,使用薬剤などによって評価が異なる.
オランダの研究報告によると,XBB.1.5 ウイルス株の mRNA を含む COVID-19 ワクチン
(XBB.1.5 対応 1 価ワクチン)は,60 歳以上の成人での入院に対して 70.7%,ICU 入室に対
して 73.3%の有効性を示した.この有効性は,
2023 年 10 〜 12 月までの入院データを分析し,
少なくとも 1 回のワクチン接種歴のある人を対象にしたもので,同年齢層における 2022 年の
2 価ワクチンの有効性 64%を上回っていた.
また,デンマークでの XBB.1.5 対応 1 価ワクチンの短期的な入院予防効果を評価した報告
では,65 歳以上とハイリスク者を対象に接種が実施され,国民健康データを用いて,ワクチ
ン接種者と未接種者の入院率を比較して評価した結果,ワクチン接種者は COVID-19 による
入院リスクが 76.1%低かった.特に過去に追加接種歴がある人において,有意な予防効果があ
ることを示した.
加えて,2023 〜 24 年に更新された XBB.1.5 対応 1 価ワクチンの有効性を評価するため,
9,222 件の COVID-19 検査を分析した米国での研究報告では,ワクチン未接種者に比べて症
候性感染のリスクを 54%減少させた.また,ワクチン接種後 119 日までは,ワクチンの有効
性に有意な低下はみられず,この XBB.1.5 対応 1 価ワクチンは,JN.1 や他の変異株に対して
も有効であった.
新型コロナワクチン接種開始後の安全性の評価については,接種を受けた者への健康状況に
関する調査,副反応疑い報告と審議会での評価,予防接種後健康状況調査などにおいて評価が
行われている.直近では,2024 年 1 月 26 日に開催された審議会*において,新型コロナワク
チン接種開始後から評価対象期間の 2023 年 10 月 29 日までにおいて,ファイザー社,モデ
*厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同部会)
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