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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.1 版 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.1 版(4/23)《厚生労働省》 |
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2
●新型コロナウイルス感染症(COVID−19) 診療の手引き・第 10.1 版 ●2 臨床像
臨床像
1 臨床像
COVID-19は SARS-CoV-2 による急性呼吸器感染症である.2021 年末に流行株が,感染・
伝播性が非常に強いオミクロンに置き換わって以降,重症化する患者の割合は低下した.
【潜伏期間・感染経路・感染性のある期間】
潜伏期間
・1~7日(中央値 2~3日)
感染者から1~2 m 以内の距離で,病原体を含んだ飛沫・エアロゾルを吸入
感染経路
することが主要な経路
換気が悪い屋内では,感染者から遠い場所でも感染
ウイルスを含む飛沫や環境表面に触れた手指で粘膜を触ることでも感染
・
発症前から発症後 5 ~10 日
感染性のある期間
SARS-CoV-2 はまず鼻咽頭などの上気道に感染すると考えられる.無症候性感染の割合は
はっきりしていないが,ウイルスの免疫逃避能や感染者の免疫状態にも影響されるものと考え
られる.咽頭痛,鼻汁・鼻閉といった上気道症状に加え,倦怠感,発熱,筋肉痛といった全身
症状が生じることが多い.インフルエンザに類似しており,臨床症状のみから両者を鑑別す
ることは困難である.咽頭痛はしばしば初発症状となり,嚥下困難を訴えることもある.さら
に,喉頭炎から喉頭蓋炎を呈することもある.オミクロンに置き換わる前に比べて,嗅覚・味
覚障害の頻度は減少した.軽症の患者では発症後 1 週間以内に症状は軽快することが多い(図
2−1)
.発症から3カ月を経過した時点で何らかの症状が2カ月以上持続し,他の疾患による症
状として説明がつかない場合には,罹患後症状の可能性を考慮する(『別冊:罹患後症状のマネ
ジメント』参照).
図 2-1
COVID-19 患者の臨床経過
発熱・倦怠感・頭痛
咽頭痛・鼻閉・咳嗽
⬆
潜伏期間
1~7日
(重症化リスクのある一部の患者)
肺炎・ARDS・臓器不全
*1
気道ウイルス量
感染性のある期間
発症前から発症後 5~10日
*2
症状消失
➡
感染性消失
症状軽快
発症
曝露
0日
*1: 日本国内のオミクロン流行期
(2021 年 12 月~ 2023 年 5 月)
における重症例の重症化まで,死
亡例の死亡までの日数は,それぞ
れ 3 日と 7 日(中央値)であった.
5−10日
通常 3 カ月以内
7
* 2:特殊な免疫不全(例:血液悪性
腫瘍,キメラ抗原受容体 T 細胞療
法,造血幹細胞移植,抗 CD20 モ
ノクローナル抗体による治療など
で B 細胞が枯渇した状態,固形臓
器移植後)がある患者ではウイル
ス排出が長期間持続しうることが
報告されている.
●新型コロナウイルス感染症(COVID−19) 診療の手引き・第 10.1 版 ●2 臨床像
臨床像
1 臨床像
COVID-19は SARS-CoV-2 による急性呼吸器感染症である.2021 年末に流行株が,感染・
伝播性が非常に強いオミクロンに置き換わって以降,重症化する患者の割合は低下した.
【潜伏期間・感染経路・感染性のある期間】
潜伏期間
・1~7日(中央値 2~3日)
感染者から1~2 m 以内の距離で,病原体を含んだ飛沫・エアロゾルを吸入
感染経路
することが主要な経路
換気が悪い屋内では,感染者から遠い場所でも感染
ウイルスを含む飛沫や環境表面に触れた手指で粘膜を触ることでも感染
・
発症前から発症後 5 ~10 日
感染性のある期間
SARS-CoV-2 はまず鼻咽頭などの上気道に感染すると考えられる.無症候性感染の割合は
はっきりしていないが,ウイルスの免疫逃避能や感染者の免疫状態にも影響されるものと考え
られる.咽頭痛,鼻汁・鼻閉といった上気道症状に加え,倦怠感,発熱,筋肉痛といった全身
症状が生じることが多い.インフルエンザに類似しており,臨床症状のみから両者を鑑別す
ることは困難である.咽頭痛はしばしば初発症状となり,嚥下困難を訴えることもある.さら
に,喉頭炎から喉頭蓋炎を呈することもある.オミクロンに置き換わる前に比べて,嗅覚・味
覚障害の頻度は減少した.軽症の患者では発症後 1 週間以内に症状は軽快することが多い(図
2−1)
.発症から3カ月を経過した時点で何らかの症状が2カ月以上持続し,他の疾患による症
状として説明がつかない場合には,罹患後症状の可能性を考慮する(『別冊:罹患後症状のマネ
ジメント』参照).
図 2-1
COVID-19 患者の臨床経過
発熱・倦怠感・頭痛
咽頭痛・鼻閉・咳嗽
⬆
潜伏期間
1~7日
(重症化リスクのある一部の患者)
肺炎・ARDS・臓器不全
*1
気道ウイルス量
感染性のある期間
発症前から発症後 5~10日
*2
症状消失
➡
感染性消失
症状軽快
発症
曝露
0日
*1: 日本国内のオミクロン流行期
(2021 年 12 月~ 2023 年 5 月)
における重症例の重症化まで,死
亡例の死亡までの日数は,それぞ
れ 3 日と 7 日(中央値)であった.
5−10日
通常 3 カ月以内
7
* 2:特殊な免疫不全(例:血液悪性
腫瘍,キメラ抗原受容体 T 細胞療
法,造血幹細胞移植,抗 CD20 モ
ノクローナル抗体による治療など
で B 細胞が枯渇した状態,固形臓
器移植後)がある患者ではウイル
ス排出が長期間持続しうることが
報告されている.