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2023年度 病院の経営状況について (3 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/250131_No009.pdf |
| 出典情報 | 2023年度 病院の経営状況について（1／31）《福祉医療機構》 |
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2024-009
1.2
禍前の 2019 年度よりも 0.5 日短縮されている。
一般病院の機能性指標
病床利用率が低下した一方で、患者 1 人 1 日
病床利用率は低下傾向にあったが、2023 年度
は若干回復。1 施設当たり従事者は 5 か年度
で 12.7 人増加
当たり医業収益（入院・外来）
（以下「入院単価」
「外来単価」という。）は 2019 年度以降、上昇
傾向にある。コロナ補助金を医業収益に計上す
前節でみたように 2023 年度は一般病院の半
る病院もあったこと、コロナに関する診療報酬
数以上が赤字になるなど、非常に厳しい経営状
上の特例があったこと、2020 年度・2022 年度
況となっている。本節および次節では 2019 年
の診療報酬改定がそれぞれプラス改定であった
度から 2023 年度までの 5 か年度分のデータが
ことが主な要因だろう。ただし、2023 年度はコ
揃う同一病院にサンプルを絞り、主な指標の動
ロナ補助金や診療報酬上の特例の縮小・終了に
きをみることで、近年の経営状況の推移を確認
より、入院単価が前年度と比べてわずかに低下
する。
した。
まず、機能性指標に着目したい（図表 2）。病
従事者の状況にも目を向けたい。1 施設当た
床利用率をみると、2020 年度は前年度から 4.5
り従事者数は毎年度増加し、2023 年度には
ポイント低下し、78.7％となった。これは、2020
382.4 人となり、2019 年度と比べて 12.7 人増
年 4 月にコロナの緊急事態宣言が初めて発出さ
加した。とくに増加したのは「その他従事者数」
れ、受診控えが発生した影響だ。2021 年度以降
の区分だ。図表の掲載は省略するが、その内訳
も病床利用率の低下傾向は続き、2022 年度には
を職種別に確認すると、理学療法士等のセラピ
77.1％まで落ち込んだが、2023 年度は 79.4%ま
ストがもっとも多く増加している。近年の診療
で持ち直した。コロナの 5 類感染症への移行に
報酬改定でも評価されているリハビリ機能を強
より一定の回復はみせたものの、2019 年度の数
化してきた病院が多いことがわかる。また、そ
値と比較するといまだ 3.8 ポイント低いままだ。
の次に多く増加したのは事務職員だった。感染
病床利用率が低下している要因には、患者数自
体がコロナ前の水準に戻っていないことのほか、
各病院で早期退院に向けた取組みが進んでいる
症への対策や 2024 年度の医師の働き方改革の
施行に向け、タスクシフトを進めたことがうか
がえる。
ことが影響しているのだろう。実際に、2023 年
度の在院日数は、17.7 日となっており、コロナ
（図表 2）一般病院の機能性指標（5 か年度同一病院）
指標
病床数
病床利用率
在院日数
新患率
1 日平均入院患者数
1 日平均外来患者数
入院単価
外来単価
従事者の状況
床
％
日
％
人
人
円
円
2019
202.0
83.2
18.2
9.7
168.1
286.1
50,238
13,263
医師数（常勤）
医師数（非常勤）
1 施設当たり
看護師等数
その他従事者数
従事者数（計）
従事者 1 人当たり人件費
人
人
人
人
人
千円
28.5
6.7
180.6
153.9
369.7
6,385
一般病院（n=411）
2020
2021
2022
201.9
201.7
202.2
78.7
78.4
77.1
18.5
18.1
18.0
8.7
9.3
9.8
159.0
158.0
155.9
257.2
275.7
285.1
51,886
53,916
55,464
14,211
14,378
14,455
29.2
7.0
181.7
156.5
374.4
6,407
30.1
7.0
181.8
159.8
378.7
6,474
31.1
7.4
180.2
160.2
378.9
6,577
2023
201.9
79.4
17.7
9.9
160.2
270.4
55,206
15,053
31.0
7.3
180.6
163.4
382.4
6,588
Copyright ⓒ 2025Welfare And Medical Service Agency （WAM）. All rights reserved.
3
1.2
禍前の 2019 年度よりも 0.5 日短縮されている。
一般病院の機能性指標
病床利用率が低下した一方で、患者 1 人 1 日
病床利用率は低下傾向にあったが、2023 年度
は若干回復。1 施設当たり従事者は 5 か年度
で 12.7 人増加
当たり医業収益（入院・外来）
（以下「入院単価」
「外来単価」という。）は 2019 年度以降、上昇
傾向にある。コロナ補助金を医業収益に計上す
前節でみたように 2023 年度は一般病院の半
る病院もあったこと、コロナに関する診療報酬
数以上が赤字になるなど、非常に厳しい経営状
上の特例があったこと、2020 年度・2022 年度
況となっている。本節および次節では 2019 年
の診療報酬改定がそれぞれプラス改定であった
度から 2023 年度までの 5 か年度分のデータが
ことが主な要因だろう。ただし、2023 年度はコ
揃う同一病院にサンプルを絞り、主な指標の動
ロナ補助金や診療報酬上の特例の縮小・終了に
きをみることで、近年の経営状況の推移を確認
より、入院単価が前年度と比べてわずかに低下
する。
した。
まず、機能性指標に着目したい（図表 2）。病
従事者の状況にも目を向けたい。1 施設当た
床利用率をみると、2020 年度は前年度から 4.5
り従事者数は毎年度増加し、2023 年度には
ポイント低下し、78.7％となった。これは、2020
382.4 人となり、2019 年度と比べて 12.7 人増
年 4 月にコロナの緊急事態宣言が初めて発出さ
加した。とくに増加したのは「その他従事者数」
れ、受診控えが発生した影響だ。2021 年度以降
の区分だ。図表の掲載は省略するが、その内訳
も病床利用率の低下傾向は続き、2022 年度には
を職種別に確認すると、理学療法士等のセラピ
77.1％まで落ち込んだが、2023 年度は 79.4%ま
ストがもっとも多く増加している。近年の診療
で持ち直した。コロナの 5 類感染症への移行に
報酬改定でも評価されているリハビリ機能を強
より一定の回復はみせたものの、2019 年度の数
化してきた病院が多いことがわかる。また、そ
値と比較するといまだ 3.8 ポイント低いままだ。
の次に多く増加したのは事務職員だった。感染
病床利用率が低下している要因には、患者数自
体がコロナ前の水準に戻っていないことのほか、
各病院で早期退院に向けた取組みが進んでいる
症への対策や 2024 年度の医師の働き方改革の
施行に向け、タスクシフトを進めたことがうか
がえる。
ことが影響しているのだろう。実際に、2023 年
度の在院日数は、17.7 日となっており、コロナ
（図表 2）一般病院の機能性指標（5 か年度同一病院）
指標
病床数
病床利用率
在院日数
新患率
1 日平均入院患者数
1 日平均外来患者数
入院単価
外来単価
従事者の状況
床
％
日
％
人
人
円
円
2019
202.0
83.2
18.2
9.7
168.1
286.1
50,238
13,263
医師数（常勤）
医師数（非常勤）
1 施設当たり
看護師等数
その他従事者数
従事者数（計）
従事者 1 人当たり人件費
人
人
人
人
人
千円
28.5
6.7
180.6
153.9
369.7
6,385
一般病院（n=411）
2020
2021
2022
201.9
201.7
202.2
78.7
78.4
77.1
18.5
18.1
18.0
8.7
9.3
9.8
159.0
158.0
155.9
257.2
275.7
285.1
51,886
53,916
55,464
14,211
14,378
14,455
29.2
7.0
181.7
156.5
374.4
6,407
30.1
7.0
181.8
159.8
378.7
6,474
31.1
7.4
180.2
160.2
378.9
6,577
2023
201.9
79.4
17.7
9.9
160.2
270.4
55,206
15,053
31.0
7.3
180.6
163.4
382.4
6,588
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