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2023年度 病院の経営状況について (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/250131_No009.pdf |
出典情報 | 2023年度 病院の経営状況について(1/31)《福祉医療機構》 |
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2024-009
1.3
詳細について、収益面から確認する。1 床当た
一般病院の収益性指標
り医業収益は、2020 年度に患者数の減少により
コロナ禍以降、医業収益・費用はともに増加
傾向。コロナ補助金の縮小・終了により 2023
年度の経常利益率は 5.8 ポイント低下
低下したものの、2021 年度・2022 年度は、コ
ロナ補助金等の影響で上昇し、2022 年度には直
近 5 か年度で最高値となる 23,203 千円となっ
続いて、前節と同一サンプルを用いて、収益
た。2023 年度は病床利用率が上昇したものの、
性に関する指標を確認する(図表 3)。
コロナ補助金の終了等によって、1 床当たり医
2020 年度は医業利益率が低下している。これ
業収益は前年度から 108 千円低下し、23,095 千
は、前節でみたように受診控えにより患者数が
円となった。
減少したことが要因だろう。しかし、コロナ補
次に支出面へ目を向けると、1 床当たり医業
助金により経常利益が確保されたため、経常利
費用は上昇が続いている。その要因として、ま
益率は 2.2%と、前年度から上昇した。2021 年
ずは人件費が挙げられるだろう。前節でみたよ
度・2022 年度もコロナ補助金により経常利益率
うに、1 施設当たり従事者数の増加、従事者 1 人
は一定程度確保されているが、2022 年度は医業
当たり人件費の上昇により、人件費は増加傾向
利益率は 0.1%まで低下し、かろうじてプラスの
にある。
値という状況になっている。そして、2023 年度
また、医療材料費と経費も増加が続いている。
はコロナ補助金の終了等により、医業利益率は
これは 2022 年 2 月のロシアによるウクライナ
2.3 ポイント低下し、△2.2%となった。コロナ
侵攻を契機とした物価高騰や円安の影響だろう。
補助金の影響をより大きく受ける経常利益率は
医業収益対医療材料費率(以下「医療材料費率」
5.8 ポイントと大幅に低下し、△0.3%とマイナ
という。)は 2023 年度に 21.9%となったが、
スの値となった。これにより、2023 年度の赤字
2021 年度と比べると、1.6 ポイントも上昇した。
病院割合は、46.0%とコロナ禍前の 2019 年度よ
また、医業収益対水道光熱費率(以下「水道光熱
りも数値が悪化している。
(図表 3)一般病院の収益性指標(5 か年度同一病院)
指標
2019
2020
一般病院(n=411)
2021
2022
2023
1 床当たり収支状況
医業収益
千円
21,690
21,471
22,911
23,203
23,095
医業費用
千円
21,626
21,767
22,532
23,173
23,598
医業利益
千円
64
△296
379
30
△503
医業収益・費用等の状況
人件費率
%
53.9
55.3
53.1
53.1
54.0
医療材料費率
%
20.7
20.3
20.3
21.0
21.9
給食材料費率
%
1.7
1.7
1.6
1.6
1.7
経費率
%
18.3
18.9
18.5
19.2
19.4
うち水道光熱費率
%
1.6
1.5
1.6
2.0
1.8
減価償却費率
%
5.2
5.2
4.9
4.9
5.1
医業利益率
%
0.3
△1.4
1.7
0.1
△2.2
経常利益率
%
0.6
2.2
7.0
5.5
△0.3
コロナ補助金収益を除外した経常利益率
%
△2.1
0.4
△1.1
△1.9
赤字病院割合
%
42.3
37.2
21.4
21.2
46.0
コロナ補助金収益を除外した赤字病院割合
%
53.0
42.3
46.2
55.0
1 床当たりコロナ補助金収益
千円
1,039
1,762
1,760
397
注 1)コロナ補助金額は、損益計算書では判別できないため別途集計していることから、網羅性や正確性には一定の留
意が必要である(以降の図表においても同じ)
。
注 2)2023 年度の 1 床当たりコロナ補助金収益のうち、医業収益へ計上されている割合は 39.0%、医業外収益は 52.0%、
特別利益は 9.0%となっており、ほかの年度においてもおおむね同様の割合で計上されている。
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4
1.3
詳細について、収益面から確認する。1 床当た
一般病院の収益性指標
り医業収益は、2020 年度に患者数の減少により
コロナ禍以降、医業収益・費用はともに増加
傾向。コロナ補助金の縮小・終了により 2023
年度の経常利益率は 5.8 ポイント低下
低下したものの、2021 年度・2022 年度は、コ
ロナ補助金等の影響で上昇し、2022 年度には直
近 5 か年度で最高値となる 23,203 千円となっ
続いて、前節と同一サンプルを用いて、収益
た。2023 年度は病床利用率が上昇したものの、
性に関する指標を確認する(図表 3)。
コロナ補助金の終了等によって、1 床当たり医
2020 年度は医業利益率が低下している。これ
業収益は前年度から 108 千円低下し、23,095 千
は、前節でみたように受診控えにより患者数が
円となった。
減少したことが要因だろう。しかし、コロナ補
次に支出面へ目を向けると、1 床当たり医業
助金により経常利益が確保されたため、経常利
費用は上昇が続いている。その要因として、ま
益率は 2.2%と、前年度から上昇した。2021 年
ずは人件費が挙げられるだろう。前節でみたよ
度・2022 年度もコロナ補助金により経常利益率
うに、1 施設当たり従事者数の増加、従事者 1 人
は一定程度確保されているが、2022 年度は医業
当たり人件費の上昇により、人件費は増加傾向
利益率は 0.1%まで低下し、かろうじてプラスの
にある。
値という状況になっている。そして、2023 年度
また、医療材料費と経費も増加が続いている。
はコロナ補助金の終了等により、医業利益率は
これは 2022 年 2 月のロシアによるウクライナ
2.3 ポイント低下し、△2.2%となった。コロナ
侵攻を契機とした物価高騰や円安の影響だろう。
補助金の影響をより大きく受ける経常利益率は
医業収益対医療材料費率(以下「医療材料費率」
5.8 ポイントと大幅に低下し、△0.3%とマイナ
という。)は 2023 年度に 21.9%となったが、
スの値となった。これにより、2023 年度の赤字
2021 年度と比べると、1.6 ポイントも上昇した。
病院割合は、46.0%とコロナ禍前の 2019 年度よ
また、医業収益対水道光熱費率(以下「水道光熱
りも数値が悪化している。
(図表 3)一般病院の収益性指標(5 か年度同一病院)
指標
2019
2020
一般病院(n=411)
2021
2022
2023
1 床当たり収支状況
医業収益
千円
21,690
21,471
22,911
23,203
23,095
医業費用
千円
21,626
21,767
22,532
23,173
23,598
医業利益
千円
64
△296
379
30
△503
医業収益・費用等の状況
人件費率
%
53.9
55.3
53.1
53.1
54.0
医療材料費率
%
20.7
20.3
20.3
21.0
21.9
給食材料費率
%
1.7
1.7
1.6
1.6
1.7
経費率
%
18.3
18.9
18.5
19.2
19.4
うち水道光熱費率
%
1.6
1.5
1.6
2.0
1.8
減価償却費率
%
5.2
5.2
4.9
4.9
5.1
医業利益率
%
0.3
△1.4
1.7
0.1
△2.2
経常利益率
%
0.6
2.2
7.0
5.5
△0.3
コロナ補助金収益を除外した経常利益率
%
△2.1
0.4
△1.1
△1.9
赤字病院割合
%
42.3
37.2
21.4
21.2
46.0
コロナ補助金収益を除外した赤字病院割合
%
53.0
42.3
46.2
55.0
1 床当たりコロナ補助金収益
千円
1,039
1,762
1,760
397
注 1)コロナ補助金額は、損益計算書では判別できないため別途集計していることから、網羅性や正確性には一定の留
意が必要である(以降の図表においても同じ)
。
注 2)2023 年度の 1 床当たりコロナ補助金収益のうち、医業収益へ計上されている割合は 39.0%、医業外収益は 52.0%、
特別利益は 9.0%となっており、ほかの年度においてもおおむね同様の割合で計上されている。
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