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2023年度 病院の経営状況について (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/250131_No009.pdf |
出典情報 | 2023年度 病院の経営状況について(1/31)《福祉医療機構》 |
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2024-009
精神科病院の医業利益率は 1.8 ポイント低下
2
し△0.8%、経常利益率は 2.8 ポイント低下し
2.1
1.8%となった。赤字病院割合も 40.4%と大幅に
入院料別の経営状況
急性期一般入院料 1 算定病院の経営状況
コロナ補助金の終了の影響がとくに大きく、
経常利益率は 5.4 ポイント低下し、△1.7%
拡大した。
利益率低下の主な要因は、1 床当たり医業収
ここまで病院類型別に経営状況を確認してき
益が 152 千円低下したことだろう。図表は掲載
たが、ここからは算定する入院料別に分析する。
していないが、5 か年度分のデータが揃う精神
まずは、2022 年度・2023 年度のいずれにおい
科病院の 1 床当たり医業収益の推移を確認した
ても急性期一般入院料 1 を算定する病床が全病
ところ、2019 年度から 2021 年度までは 6,500
床に対して過半数を占めている一般病院(以下
千円前後だったが、2022 年度は 6,700 千円まで
「急性期 1 算定病院」という)の状況を確認す
上昇し、2023 年度には 6,500 千円台に戻ってい
る(図表 6)。
た。コロナ患者の受け入れを実施した精神科病
医業利益率は 2022 年度から 1.8 ポイント低
院の割合は 2022 年度がもっとも高く、一時的
下し、△3.5 ポイントとなった。経常利益率は、
に収益が上昇していたものと考えられる。
先にみた一般病院と同様、コロナ補助金の影響
また、精神科病院は他の類型と異なり、病床
により、5.4 ポイントと大きく低下し、△1.7%
数が減少していることが特徴的だ。病床数は 1.8
となった。赤字病院割合は 28.9 ポイント上昇し、
床減少、1 施設当たり従事者数も 1.5 人減少し
56.7%に急拡大した。前章でみた一般病院全体
ており、ダウンサイズが進められている。近年
と比べて、医業・経常利益率、赤字病院割合のい
の動向を確認するため、先ほどと同様に 5 か年
ずれも急性期 1 算定病院のほうが悪い数値とな
度分のデータで病床数の推移を確認した(図表
っていることから、2 か年でみると、一般病院の
5)。2019 年度の病床数は 282.4 床だったが、5
なかでも急性期病院の経営状況がとくに悪化し
か年の間に 7.0 床減少し、2023 年度には 275.4
ていると考えられる。
床となっていた。地域移行を推進する流れのな
医業利益率の悪化の要因を確認する。1 床当
か、徐々にではあるが病床削減が進められてい
たり医業収益は 27 千円低下した。病床利用率が
ることがわかる。
2.7 ポイント上昇したものの、コロナ補助金の終
了等により入院単価が 295 円低下したことが要
因だ。また、外来患者数の減少も影響している
(図表 5)精神科病院の病床数の推移(5 か年
度同一病院)
282.4床
281.5床
と考えられる。2022 年度はコロナの第 7 波によ
り、感染者数が大きく増え、外来患者数が一時
(n=151)
的に増加していたものと推測する。
280.1床
278.2床
1 床当たり医業費用は 507 千円上昇している
275.4床
が、これは医療材料費率が前年度から 1.2 ポイ
ントと大きく上昇していることが要因だろう。
後述するほかの入院料を算定する病院と比べて
2019
2020
2021
2022
2023
も大きく上昇しており、手術件数や重症患者が
(年度)
多い傾向にある急性期 1 算定病院は、医療材料
費の高騰の影響を強く受けている。
Copyright ⓒ 2025Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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精神科病院の医業利益率は 1.8 ポイント低下
2
し△0.8%、経常利益率は 2.8 ポイント低下し
2.1
1.8%となった。赤字病院割合も 40.4%と大幅に
入院料別の経営状況
急性期一般入院料 1 算定病院の経営状況
コロナ補助金の終了の影響がとくに大きく、
経常利益率は 5.4 ポイント低下し、△1.7%
拡大した。
利益率低下の主な要因は、1 床当たり医業収
ここまで病院類型別に経営状況を確認してき
益が 152 千円低下したことだろう。図表は掲載
たが、ここからは算定する入院料別に分析する。
していないが、5 か年度分のデータが揃う精神
まずは、2022 年度・2023 年度のいずれにおい
科病院の 1 床当たり医業収益の推移を確認した
ても急性期一般入院料 1 を算定する病床が全病
ところ、2019 年度から 2021 年度までは 6,500
床に対して過半数を占めている一般病院(以下
千円前後だったが、2022 年度は 6,700 千円まで
「急性期 1 算定病院」という)の状況を確認す
上昇し、2023 年度には 6,500 千円台に戻ってい
る(図表 6)。
た。コロナ患者の受け入れを実施した精神科病
医業利益率は 2022 年度から 1.8 ポイント低
院の割合は 2022 年度がもっとも高く、一時的
下し、△3.5 ポイントとなった。経常利益率は、
に収益が上昇していたものと考えられる。
先にみた一般病院と同様、コロナ補助金の影響
また、精神科病院は他の類型と異なり、病床
により、5.4 ポイントと大きく低下し、△1.7%
数が減少していることが特徴的だ。病床数は 1.8
となった。赤字病院割合は 28.9 ポイント上昇し、
床減少、1 施設当たり従事者数も 1.5 人減少し
56.7%に急拡大した。前章でみた一般病院全体
ており、ダウンサイズが進められている。近年
と比べて、医業・経常利益率、赤字病院割合のい
の動向を確認するため、先ほどと同様に 5 か年
ずれも急性期 1 算定病院のほうが悪い数値とな
度分のデータで病床数の推移を確認した(図表
っていることから、2 か年でみると、一般病院の
5)。2019 年度の病床数は 282.4 床だったが、5
なかでも急性期病院の経営状況がとくに悪化し
か年の間に 7.0 床減少し、2023 年度には 275.4
ていると考えられる。
床となっていた。地域移行を推進する流れのな
医業利益率の悪化の要因を確認する。1 床当
か、徐々にではあるが病床削減が進められてい
たり医業収益は 27 千円低下した。病床利用率が
ることがわかる。
2.7 ポイント上昇したものの、コロナ補助金の終
了等により入院単価が 295 円低下したことが要
因だ。また、外来患者数の減少も影響している
(図表 5)精神科病院の病床数の推移(5 か年
度同一病院)
282.4床
281.5床
と考えられる。2022 年度はコロナの第 7 波によ
り、感染者数が大きく増え、外来患者数が一時
(n=151)
的に増加していたものと推測する。
280.1床
278.2床
1 床当たり医業費用は 507 千円上昇している
275.4床
が、これは医療材料費率が前年度から 1.2 ポイ
ントと大きく上昇していることが要因だろう。
後述するほかの入院料を算定する病院と比べて
2019
2020
2021
2022
2023
も大きく上昇しており、手術件数や重症患者が
(年度)
多い傾向にある急性期 1 算定病院は、医療材料
費の高騰の影響を強く受けている。
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