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(別紙2) [2.3MB]先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00104.html
出典情報 先進医療会議(第142回 4/10)《厚生労働省》
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適・ 条件付き適・ 否

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不育症は、妊娠はするが、流産や死産を繰り返し、生児を得ることができない
疾患である。日本には推計140万人の患者が存在するとされている。その原因と
して、抗リン脂質抗体陽性、糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌異常、子宮
形態異常、夫婦いずれかの染色体異常保因などが挙げられる。胎児染色体異常は
40%の症例で認められるが、少なくとも約25%は原因不明であり、適切な治療法
は確立されていない。
2015年、日本において抗リン脂質抗体症候群の原因となる新規の自己抗体
(β2GPIネオセルフ抗体)が発見された。AMED研究において、不育症とネオセル
フ抗体の関係についての臨床研究が実施され、不育症女性の23%がネオセルフ抗
体陽性であった。また、既存の不育症検査で原因が判明しなかった患者の20%に
おいて、ネオセルフ抗体のみが陽性であった。これらの結果から、ネオセルフ抗
体が不育症の重要な原因となる可能性が示唆されている。
そこで本研究では、ネオセルフ抗体測定の有用性を検証することを目的とし、
大規模な多機関共同前向き試験を実施する。主要評価項目として、不育症患者群
におけるネオセルフ抗体の陽性率、および初回臨床的妊娠成立時の妊娠予後を調
査する。
検体は患者から採取した末梢血を用い、測定はRevorf社が受託・実施する。こ
の企業はネオセルフ抗体測定に特化したベンチャー企業であり、本検査は薬事未
承認であるため、臨床性能試験はRevorf社が実施予定である。すでに一般臨床に
おいて自費での測定が行われており、今後も安定的に信頼度の高い結果が得られ
ることが予想される。
目標症例数は、不育症患者2,000例、または4回以上の流産歴を有する患者に
おける計200妊娠と設定している。このサンプルサイズはAMED研究の結果をもと
に算出されたものであり、全国27医療機関で月平均2例を登録し、3年間で達成
する計画である。症例数の多さに関して一定の懸念はあるが、各研究機関が慎重
に取り組むことで到達可能であると判断される。
以上の点を踏まえ、本研究計画は不育症患者に対する臨床的な有用性を有し、
適切に計画されたものであると評価できる。したがって、先進医療Aに相応しい
研究であると判断される。

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