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資料10 先進医療合同会議の審議結果について【報告事項】 (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26038.html |
出典情報 | 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第135回 6/16)《厚生労働省》 |
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様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:EGFR 遺伝子増幅陽性切除不能食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんに対するネシ
ツムマブ療法
適応症:EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がん
内容:
(先進性)
複数がん種において、EGFR 遺伝子増幅により EGFR が異常活性し腫瘍が増殖すること、EGFR 阻害
薬の有効性を示した非臨床・臨床データが複数報告されていることから、EGFR 遺伝子増幅はがん
種横断的にドライバー遺伝子かつ EGFR 阻害薬による治療標的になることが示唆されている。し
かし、EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの頻度は低いことから、現在までに第 III 相試験で有効性が
示された EGFR 遺伝子増幅を標的とした治療法がなく、がん種毎の標準治療が行われている。一
方で、EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんは、がん遺伝子パネル検査が保険償還される本邦においては
実地臨床で一定の割合で検出されること、複数のがん種で予後不良であることが示されているこ
とから unmet medical needs であること、ドライバー遺伝子を標的とした治療はがん種毎の標準
治療と比べて有効性が高いとの報告があることから、本試験を実施する社会的意義があると考え
られる。
本試験では EGFR 遺伝子増幅陽性例に対する抗腫瘍効果としてより多くの非臨床・臨床データを
有する抗 EGFR 抗体を選択した。抗 EGFR 抗体薬の中でもネシツムマブは EGFR 発現細胞において
抗体依存性細胞傷害活性を持ち、完全ヒト抗体のため注入に伴う反応の出現頻度が低く前投薬が
不要であること、他の抗 EGFR 抗体薬不応時に出現する獲得耐性変異を克服できる可能性が示唆
されることから、ネシツムマブを選択した。
(概要)
EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんを対象とした多施設共同第 II 相バスケット試
験である。ネシツムマブ: 800 mg(固定量)を day1, 8(day 15 は休薬)に投与し、3 週間毎に
繰り返す。主要評価項目は客観的奏効割合、副次的評価項目は奏効期間、無増悪生存期間、安全
性、治療開始前 EGFR copy number(CN)やその変化と有効性の関連等である。登録期間 1 年 6 か
月で登録症例数 22 例を予定する。
(効果)
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後は不良であり、がん種毎の標準治療のみでは予後改善は不
十分である。EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対するネシツムマブの有効性に関する報告は、扁平
上皮非小細胞肺がんにおける化学療法へのネシツムマブの上乗せ効果が EGFR 増幅陽性例で高い
ことのみであるが、他の抗 EGFR 抗体薬による有効例の報告が複数ある。本試験でネシツムマブ
の有効性が示されれば、予後不良な EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後改善に寄与する可能性
がある。
(先進医療にかかる費用)
ネシツムマブは日本化薬株式会社より無償提供される。予想される投与回数である 6 コースが
投与された場合は、ネシツムマブ投与に使用する医療材料などの費用(36,600 円)は患者の自己
負担となる。その他の外来診療に係る費用は保険診療である。先進医療に要する総費用は
2,983,420 円、先進医療に係る患者負担費用は 88,434 円である。
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先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:EGFR 遺伝子増幅陽性切除不能食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんに対するネシ
ツムマブ療法
適応症:EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がん
内容:
(先進性)
複数がん種において、EGFR 遺伝子増幅により EGFR が異常活性し腫瘍が増殖すること、EGFR 阻害
薬の有効性を示した非臨床・臨床データが複数報告されていることから、EGFR 遺伝子増幅はがん
種横断的にドライバー遺伝子かつ EGFR 阻害薬による治療標的になることが示唆されている。し
かし、EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの頻度は低いことから、現在までに第 III 相試験で有効性が
示された EGFR 遺伝子増幅を標的とした治療法がなく、がん種毎の標準治療が行われている。一
方で、EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんは、がん遺伝子パネル検査が保険償還される本邦においては
実地臨床で一定の割合で検出されること、複数のがん種で予後不良であることが示されているこ
とから unmet medical needs であること、ドライバー遺伝子を標的とした治療はがん種毎の標準
治療と比べて有効性が高いとの報告があることから、本試験を実施する社会的意義があると考え
られる。
本試験では EGFR 遺伝子増幅陽性例に対する抗腫瘍効果としてより多くの非臨床・臨床データを
有する抗 EGFR 抗体を選択した。抗 EGFR 抗体薬の中でもネシツムマブは EGFR 発現細胞において
抗体依存性細胞傷害活性を持ち、完全ヒト抗体のため注入に伴う反応の出現頻度が低く前投薬が
不要であること、他の抗 EGFR 抗体薬不応時に出現する獲得耐性変異を克服できる可能性が示唆
されることから、ネシツムマブを選択した。
(概要)
EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんを対象とした多施設共同第 II 相バスケット試
験である。ネシツムマブ: 800 mg(固定量)を day1, 8(day 15 は休薬)に投与し、3 週間毎に
繰り返す。主要評価項目は客観的奏効割合、副次的評価項目は奏効期間、無増悪生存期間、安全
性、治療開始前 EGFR copy number(CN)やその変化と有効性の関連等である。登録期間 1 年 6 か
月で登録症例数 22 例を予定する。
(効果)
EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後は不良であり、がん種毎の標準治療のみでは予後改善は不
十分である。EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに対するネシツムマブの有効性に関する報告は、扁平
上皮非小細胞肺がんにおける化学療法へのネシツムマブの上乗せ効果が EGFR 増幅陽性例で高い
ことのみであるが、他の抗 EGFR 抗体薬による有効例の報告が複数ある。本試験でネシツムマブ
の有効性が示されれば、予後不良な EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんの予後改善に寄与する可能性
がある。
(先進医療にかかる費用)
ネシツムマブは日本化薬株式会社より無償提供される。予想される投与回数である 6 コースが
投与された場合は、ネシツムマブ投与に使用する医療材料などの費用(36,600 円)は患者の自己
負担となる。その他の外来診療に係る費用は保険診療である。先進医療に要する総費用は
2,983,420 円、先進医療に係る患者負担費用は 88,434 円である。
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