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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26332.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第1回 6/22)《厚生労働省》 |
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令和4年6月22日
感染症定期報告感染症別文献一覧表(2021/12/1~2022/3/31)
令和4年度第1回
医薬品等安全対策部会
資料 4-1
ID
感染症(PT)
1 HIV感染、梅毒
2
出典
ProMED-mail
20211016.8699087
β溶血性レンサ球 Microb Genom.
菌感染
7(2021)000648
概要
情報源:Lakeland PBS、2021年10月14日。HIV及び梅毒アウトブレイク数の週報が2021
年10月12日付で更新された。ミネソタ州では現在、Hennepin郡とRamsey郡、及び
Duluth地域でヒト免疫不全ウイルスのアウトブレイクが発生している。Hennepin郡と
Ramsey郡では2018年12月に始まったHIVアウトブレイクを調査している。このアウトブ
レイクは、診断時の居住地がHennepin郡又はRamsey郡であった(又は住所不定や投
獄された)注射薬物使用者の間で発生している。2021年10月12日現在、Hennepin郡で
は64例、Ramsey郡では17例の症例が発生している。
B群連鎖球菌(GBS:Streptococcus agalactiae )はヒトの重要な新生児・日和見細菌病
原体であり、食料安全保障に重大な影響を及ぼす乳牛の乳房炎の重要な原因であ
る。1950年代に乳房炎防除プログラムが導入された後GBSは北欧の酪農産業からほ
ぼ根絶されたが、21世紀になって再び出現した。数十年成功し他国でも成功している
GBS管理が北欧で失敗した理由は分かっていない。本研究では60年間にわたってス
ウェーデンの牛乳から収集され、国立獣医学研究所に保存されていたウシGBSの過去
の分離株(1953-1978年;n=45)と現代の分離株(1997-2012年;n=77)のロングリード・
ショートリード配列決定、コアゲノム解析、アクセサリーゲノム含有量分析を実施した。
中間期は牛乳からのGBS検出が非常に稀で、保存された分離株は使用できなかっ
た。 解析の結果、世界的に分布するウシ適応系統CC61とマイナー系統CC297は過去
の分離株でのみ検出され、現代の分離株では検出されなかった。対照的に、他の2つ
の系統(CC1、CC103/314)は現代の分離株でのみ検出された。CC1株の90%と
CC103/314株の39%はテトラサイクリン耐性(TcR)遺伝子tet(M)を保有しており、これ
は過去の分離株では検出されなかった。TcRはウシ分離株では稀であるがヒト分離株
では非常によくみられ、実際、ヒトGBSではTcRの獲得後に拡大した少数のGBS系列
が優勢となっている。新たに出現したウシGBS系統におけるTcRの存在は、これらの系
統がヒト起源であることを示すと解釈された。 GBSのプラスミドはほとんど報告されて
いないが、本研究では3つのプラスミドを同定した。このうち2つは、ヒト中咽頭において
GBSと共存するStreptococcus pyogenes 、Streptococcus dysgalactiae subsp.
equisimilis 由来のプラスミドと98%以上の配列類似性を示し、3つ目のプラスミドは既知
プラスミドと有意な類似性を示さなかった。ヒト中咽頭における共存はプラスミドやその
他の移動性遺伝因子の交換を可能とする。ヒト病原性連鎖球菌由来のプラスミドと非
常に高い遺伝的類似性を有する2つの異なるプラスミドの検出は、プラスミド獲得後の
ヒトからウシへのスピルオーバーという逆人畜共通感染の発生が2回以上起こったこと
を示唆する。 研究結果は、乳房炎防除プログラムによってスウェーデンの乳牛におけ
る主要なウシ適応系統(CC61)が根絶された後、複数回のヒトからウシへの宿主ジャ
ンプにより乳牛集団へGBSが導入されたことを支持し、逆人獣共通感染伝播が動物疾
病防除キャンペーンの成功を消し去ることができることを証明した。GBSや他の多宿主
病原体の制御には、宿主種間の病原体多様性の継続的なモニタリングと、選択圧の
変化や新たな病原体株の出現に対応した適応管理が必要である。
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感染症定期報告感染症別文献一覧表(2021/12/1~2022/3/31)
令和4年度第1回
医薬品等安全対策部会
資料 4-1
ID
感染症(PT)
1 HIV感染、梅毒
2
出典
ProMED-mail
20211016.8699087
β溶血性レンサ球 Microb Genom.
菌感染
7(2021)000648
概要
情報源:Lakeland PBS、2021年10月14日。HIV及び梅毒アウトブレイク数の週報が2021
年10月12日付で更新された。ミネソタ州では現在、Hennepin郡とRamsey郡、及び
Duluth地域でヒト免疫不全ウイルスのアウトブレイクが発生している。Hennepin郡と
Ramsey郡では2018年12月に始まったHIVアウトブレイクを調査している。このアウトブ
レイクは、診断時の居住地がHennepin郡又はRamsey郡であった(又は住所不定や投
獄された)注射薬物使用者の間で発生している。2021年10月12日現在、Hennepin郡で
は64例、Ramsey郡では17例の症例が発生している。
B群連鎖球菌(GBS:Streptococcus agalactiae )はヒトの重要な新生児・日和見細菌病
原体であり、食料安全保障に重大な影響を及ぼす乳牛の乳房炎の重要な原因であ
る。1950年代に乳房炎防除プログラムが導入された後GBSは北欧の酪農産業からほ
ぼ根絶されたが、21世紀になって再び出現した。数十年成功し他国でも成功している
GBS管理が北欧で失敗した理由は分かっていない。本研究では60年間にわたってス
ウェーデンの牛乳から収集され、国立獣医学研究所に保存されていたウシGBSの過去
の分離株(1953-1978年;n=45)と現代の分離株(1997-2012年;n=77)のロングリード・
ショートリード配列決定、コアゲノム解析、アクセサリーゲノム含有量分析を実施した。
中間期は牛乳からのGBS検出が非常に稀で、保存された分離株は使用できなかっ
た。 解析の結果、世界的に分布するウシ適応系統CC61とマイナー系統CC297は過去
の分離株でのみ検出され、現代の分離株では検出されなかった。対照的に、他の2つ
の系統(CC1、CC103/314)は現代の分離株でのみ検出された。CC1株の90%と
CC103/314株の39%はテトラサイクリン耐性(TcR)遺伝子tet(M)を保有しており、これ
は過去の分離株では検出されなかった。TcRはウシ分離株では稀であるがヒト分離株
では非常によくみられ、実際、ヒトGBSではTcRの獲得後に拡大した少数のGBS系列
が優勢となっている。新たに出現したウシGBS系統におけるTcRの存在は、これらの系
統がヒト起源であることを示すと解釈された。 GBSのプラスミドはほとんど報告されて
いないが、本研究では3つのプラスミドを同定した。このうち2つは、ヒト中咽頭において
GBSと共存するStreptococcus pyogenes 、Streptococcus dysgalactiae subsp.
equisimilis 由来のプラスミドと98%以上の配列類似性を示し、3つ目のプラスミドは既知
プラスミドと有意な類似性を示さなかった。ヒト中咽頭における共存はプラスミドやその
他の移動性遺伝因子の交換を可能とする。ヒト病原性連鎖球菌由来のプラスミドと非
常に高い遺伝的類似性を有する2つの異なるプラスミドの検出は、プラスミド獲得後の
ヒトからウシへのスピルオーバーという逆人畜共通感染の発生が2回以上起こったこと
を示唆する。 研究結果は、乳房炎防除プログラムによってスウェーデンの乳牛におけ
る主要なウシ適応系統(CC61)が根絶された後、複数回のヒトからウシへの宿主ジャ
ンプにより乳牛集団へGBSが導入されたことを支持し、逆人獣共通感染伝播が動物疾
病防除キャンペーンの成功を消し去ることができることを証明した。GBSや他の多宿主
病原体の制御には、宿主種間の病原体多様性の継続的なモニタリングと、選択圧の
変化や新たな病原体株の出現に対応した適応管理が必要である。
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