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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表 (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26332.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第1回 6/22)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

出典

概要

Pseudomonas属は396種以上あるもっとも複雑なグラム陰性菌の1つで、日和見感染に
関連する多くのヒト疾患と農夫症がPseudomonas種に起因している。無差別な抗生物
質の使用が世界各地で多剤耐性Pseudomonas種の出現を助長しており、多くの動物
と動物製品が世界中で取引されているため一国における抗菌薬耐性はすべての国に
とっての問題である。本研究ではパキスタンの下痢を呈したウシ新生仔の糞便から分
離されたCRISPR保有、多剤耐性Pseudomonas種新規候補株NCCP-436Tの、初めて
のドラフトゲノム解析について報告する。 NCCP-436T株のゲノム配列はIllumina
NovaSeq PE 150 platformを用いて決定し、種々のバイオインフォマティクスツールを用
いて解析した。病原性因子とレジストームをPATRIC、CARD serversを用いて同定し、
CGView Serverを用いて環状ゲノムマップを構築した。抗菌薬感受性はディスク拡散法
により測定した。NCCP-436T株のドラフトゲノムは、 全ゲノムサイズ3、683、517 bp
(GC含量 61.4%)である43のコンティグを含んでいた。60のtRNA、7のrRNA、12の
sRNAを含む3、452の予測遺伝子が存在した。CRISPR解析により長さ1103 bpと867 bp
J Glob Antimicrob Resist.
21 シュードモナス感染
の2つのCRISPRアレイが明らかとなった。NCCP-436T株はフルオロキノロン、β-ラク
27(2021)91-94
タム、セファロスポリン、アミノグリコシド、ペニシリン、リファマイシン、マクロライド、グリ
コペプチド、トリメトプリム/スルホンアミド、テトラサイクリン系の抗生物質に対して高度
に耐性であった。さらに、22の抗生物質耐性遺伝子、313の病原性遺伝子、253の病原
体-宿主相互作用遺伝子が予測された。Pseudomonas属の近縁な基準株の全ゲノム
配列に基づく系統樹構築、16S rRNA遺伝子配列に基づく系統発生解析、近縁種
Pseudomonas khazarica (TBZ2株)とのゲノム比較で平均ヌクレオチド相同性とデジタ
ルDNA-DNAハイブリダイゼーション値がそれぞれ82.08%と34.90%であったことから、
NCCP-436T株がPseudomonas属の新種である可能性が示された。 NCCP-436T株が
予測された多数の抗生物質耐性遺伝子と病原性遺伝子を保有し、ヒト病原体との相
同性を有することから、病原性と人畜共通感染の可能性が明らかになった。これは公
衆衛生上のリスクをもたらす可能性がある。本研究で得られた知見はNCCP-436T株
がパキスタン由来のPseudomonas属の新種である可能性を示すが、さらなる多相分類
学的特徴が必要である。

Transfusion.
60(2020)2139-2143

症例:26歳女性。鎌状赤血球症(SCD)を有し、虚血性脳卒中のため過去15年にわた
る長期輸血療法を施行中であった。定期輸血の最終日(0日目)から3日後(3日目)、
輸血後約24時間より認めた重度の関節痛、筋肉痛、高熱(38.9℃)、後眼窩痛、項部
頭痛、及び激しい腹痛を主訴に受診。デング熱が疑われ、血液センターにおいて交換
輸血(ET)を施行後(3日目)、当該患者は入院した。2回目のET後(7日目)、一連の症
状は著明に改善し、同患者は9日目に退院した。リアルタイムPCR法によるデングウイ
ルス(DENV)RNAの検出において、患者の輸血前サンプル(0日目)では検査陰性で
あった一方、初期症状発現から48時間経過した時点での輸血後サンプルでは検査陽
性あったことから、感染は輸血により獲得されたことが示唆された。また分子タイピン
グ法により、サンパウロ州でのアウトブレイクの原因ウイルスであったDENV血清型2
(DENV-2)の存在が示された。さらに当該患者及び献血者双方の株の塩基配列解析
及び系統発生学的解析を実施した結果、東南アジア/米国系の遺伝子型(Genotype
III)に分類され、ゲノムの同一性(ヌクレオチド及びアミノ酸)は100%であることが示さ
れたことから、輸血によるDENV感染(TT-DENV)が明らかとなった。本症例における重
要な所見は、通常DENV感染後3日目から5日目に発現する臨床症状を早期に認めた
ことである。本事実は、著者らの意見では、ベクターによる伝播と比較して注入された
ウイルス量がおそらくはるかに高かったことにより説明されうる。本報告は、SCD患者
におけるTT-DENVの初報告であり、過小診断症例と推定される多数の患者集団にお
けるTT-DENVの確定例となる。TT-DENVの臨床症状に関与する因子及び当該感染
症が罹患率ならびに死亡率に及ぼす実際の影響をよりよく理解するため、輸血受血者
を対象としたさらなる系統的な研究が必要である。

ハンタウイルス性
肺感染

GOV.UK.https://assets.pu
blishing.service.gov.uk/gov
ernment/uploads/system/
uploads/attachment_data/
file/1044412/20211229_E
merging-infectionssummary-November.pdf

情報源:Emerging infections: monthly summaries 2021年11月 Alto Paraguay virusに
よるハンタウイルス性肺症候群:ヒトにおいて。 新規orthohantavirus:Scapteromys
aquaticus齧歯動物において。 アルゼンチンの研究者は、齧歯類(Scapteromys
aquaticus)における新規オルソハンタウイルスAlto Paraguay virusによるハンタウイル
ス性肺症候群の症例を報告した。この研究結果は、アルゼンチン中央部で循環してい
るこれら新規のオルソハンタウイルスに関する疫学的警告と、今後宿主として考慮しな
ければならない新しい齧歯類の種を示唆している等記載されている。

ハンタウイルス感


Public Health Insider.
https://publichealthinsider
.com/2021/12/30/hantavi
rus-case-reported-inking-county/

1997年以来、King Countyでは、現在調査中の症例(2021年12月に入院し、現在回復
中のsouth east King Countyの成人居住者)を含むハンタウイルス肺症候群(HPS)症
例が8例存在する。患者はマウスに曝露した可能性が高いと報告されている。 これら
の8例の症例のうち、この最新の症例を含めた5例はKing Countyで感染したと考えら
れている。King Countyで最後に確認された症例は2017年で、2016年12月~2017年3
月にローカルで感染した3例のクラスターが確認されたことなどについて記載。

Clin Infect Dis.
73(2021)e3690-e3700

〇仮性狂犬病ウイルス(PRV)の変異株が引き起こす新型ヒト急性脳炎PRVは、ブタを
はじめとする複数の動物種でよく見受けられる病原体である。ヒトに感染することは稀
であり、これまでヒトの検体から分離されたことはない。本研究では、ヒト急性脳炎患者
4例が臨床症状、臨床検査結果、メタゲノム解析によりPRVと確定診断され、このうち1
例のヒトの脳脊髄液検体からPRV株(hSD-1/2019)の分離・同定に初めて成功した。
また、この分離株の病因学的、遺伝子学的特徴を分析した。患者らは、呼吸不全及び
急性神経症状を呈した。メタゲノム解析により各患者の脳脊髄液にPRV特異的な塩基
配列が確認され、また、PRVエンベロープのグリコプロテインBとEに対する抗体及び中
和抗体が検出された。分離されたPRV株は、中国の古典株と異なり病原性が高く、ブタ
に急性神経症状を誘発する特徴がある。このPRV株は、中国のブタに流行している変
異株と系統学的及び病因学的に類似する特徴を有していたことから、ブタからヒトへの
PRV感染のリスクが大きいことを示唆している。

22 デング熱

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ヘルペスウイルス
感染

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