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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表 (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26332.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第1回 6/22)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
出典
概要
馬インフルエンザは、インフルエンザA型ウイルスによって引き起こされるウマの一般
的な呼吸器感染症である。1970年代後半のH7N7ウイルス分離以降、馬インフルエン
ザウイルス(EIV)はH3N8だけが散発的な流行を繰り返している。イヌとラクダにおける
報告を除き、近年H3N8 EIVは非ウマ類へのスピルオーバーと関連していない。 本研
究では複数のデータベースを用いてEIVの人獣共通感染について中国語、英語、モン
ゴル語の科学文献を検索した。組み入れ基準に該当する32件の文献のレビューを行
い、EIVの疫学、潜伏期間、病原性、生存性・持続性、種間伝播、拡散、近年報告され
たアウトブレイクと分離株の特徴、ウイルス進化、人獣共通感染についてまとめた。 人
獣共通感染について報告する研究はいくつかあり、文献データの分析から、ヒトにおけ
るEIV人獣共通感染症についてかなりのエビデンスがあると我々は結論づけた。 歴史
的エビデンスとして、1889年のヒトのパンデミックはH3N8 EIVが原因である可能性が最
も高いと考えられていること、1892年頃の時代に生きていた人々における抗EIV H3N8
抗体の存在がある。また、パキスタンのウマ集団からトリ起源インフルエンザウイルス
が分離されたことは、ウマとヒトの間のインフルエンザウイルス伝播の可能性を強調す
る。 実験的エビデンスとして、ヒトボランティアにH3N8 EIVの実験的感染を行った1960
Braz J Biol.
7 インフルエンザ
年代の複数の研究がある。1件目の研究では感染3日後に生存可能なEIVウイルスが
83(2021)e246591
分離されたが、臨床徴候を発現したのは1人だけであった。1966年の別の研究では臨
床徴候を示した数人の被験者が観察され、感染処理3日後にウイルスが分離された。
1969年に実施された研究では数人に臨床徴候が認められ、被験者から分離されたウ
イルスは継代後にウマへの感染性を有していたことからヒトにおいて弱毒化されないこ
とが示唆された。 自然感染のエビデンスとして、モンゴルの小児がEIVに感染したウマ
に接触した後に呼吸器疾患を発症したという報告がある。またオーストラリアでは2007
年のEIVアウトブレイク後に、感染場に曝露したヒトの血清試料を採取し抗H3N8 EIV抗
体の存在について調査した。この調査ではごくわずかな被験者で低い抗体価が認めら
れたが、これはワクチン由来の交差反応抗体やヒト由来インフルエンザウイルスに関
連する可能性があった。 観察的、実験的、歴史的データは、EIV感染がヒトで起こり得
るという強い説得力を持つ。近年、ヒトにおいてEIVの適切な感染の徴候は示されてい
ないが、もしH3N8 EIVの突然変異発生率が変わらないならば、ヒトにおいて重篤な感
染症を引き起こす可能性が非常に高い。新しい脅威的な突然変異の可能性のため、
ウマとウマに接触しているヒトにおけるH3N8の継続的サーベイランスの必要性が強調
された。
米CDCは2021年9月10日、2020年~2021年のインフルエンザシーズン(2020年10月~
2021年9月)に米国で発生した8例目と9例目のヒトのインフルエンザウイルス(通常ヒト
CDCホームページ.
ではなくブタにおいて蔓延するウイルス)感染を報告した。この最新の感染2例は、小
インフルエンザ、H https://www.cdc.gov/flu/s
児において発生した(H3N2vウイルス1例、H1N2vウイルス1例)。 2例の小児は、疾患
8 3N2インフルエン potlights/2020発症前にブタと直接接触した、又は家族がブタと直接接触したかのいずれかであっ
ザ
2021/eigth-ninthた。これらの患者のいずれかと関連して変異型インフルエンザウイルスのヒトからヒト
infections-variant-flu.htm
への伝播は特定されていない。これまでの7例の感染は、ブタと直接接触したヒト、又
はブタのいる施設で生活しているヒトにおいて発生した。
米CDCは2021年8月19日、2020年~2021年のインフルエンザシーズン(2020年10月~
2021年9月)に米国で発生した6例目と7例目のヒトのインフルエンザウイルス(通常ヒト
ではなくブタにおいて蔓延するウイルス)感染を報告した。この最新の2例は、ブタの展
CDCホームページ.
示が行われていた同一のカウンティーフェアに参加した成人において発生した。過去
https://www.cdc.gov/flu/s
の5例の感染は、ブタへの直接的な曝露を報告したヒト、又はブタが存在する施設で生
9 インフルエンザ
potlights/2020活していたヒトにおいて発生した。 これらの7例の感染は、Wisconsin(H3N2v:1例、
2021/human-infectionsH1N1v:3例)、North Carolina(H1N1v:1例)、Ohio(H1N2v:1例)、Iowa(H1N1v:1例)で
variant-flu-virus.htm
発生した。このうち3人は18歳未満の子どもで、4人は成人の感染だった。いずれの患
者も病気から完全に回復し、これらの患者に関連する変異型インフルエンザウイルス
の人から人への感染は確認されなかった。
European Centre for
Disease Prevention and
Control.
https://www.ecdc.europa.e A(H1N2)vがオーストリアで1例報告された。成人が感染し、ブタとの接触が報告されて
10 インフルエンザ
u/sites/default/files/docu いる。本症例は回復し、ヒトからヒトへの感染は確認されていない。
ments/Influenzacharacterisation-reportNov-2021.pdf
PHEホームページ.
https://assets.publishing.s
9月3日、フランスのコート・ダルモールに住む人が、ブタ由来のインフルエンザA
ervice.gov.uk/government
(H1N2)v clade 1C.2.4に感染していることが確認された。この症例は、症状が現れる前
/uploads/system/uploads
11 インフルエンザ
に生きたブタに接触していた。この症例は健康状態が良好で、接触者に症状が出てい
/attachment_data/file/102
る者はいないと報告されている。フランスでこのウイルスが人から検出されたのは今回
8407/emergingが初めてである。
infections-summaryseptember-2021.pdf
12 インフルエンザ
13 インフルエンザ
Manitoba Agriculture and Resource Developmentは、変異株H1N2インフルエンザAウ
イルスの新規症例1例が特定されたことをアドバイスしている。このヒトインフルエンザ
A(H1N2)vは独立した症例と考えられている。本症例はブタに直接曝露した。
2020~2021年のインフルエンザシーズン中に発生した、インフルエンザA(H1N1)変異
precision VACCINATIONS. 株(A(H1N1)v)ウイルスによる1例の感染がNorth Dakotaより報告された。そして、現
https://www.precisionvacc 在の2021~2022年のインフルエンザシーズン中に発生したインフルエンザ(A(H3N2)
inations.com/novelv)ウイルスによる1例の感染がOhioより報告された。患者のうちの1例は、発症前にブ
influenza-virusタと密接に接触していた。他の患者は、ブタがいる農業展示会への参加やブタとの接
confirmed-us
触はなかった。この知見は、限られたヒトからヒトへの感染が潜在的に起こったことを
示している。
ProMED-mail
20211211.8700084
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感染症(PT)
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概要
馬インフルエンザは、インフルエンザA型ウイルスによって引き起こされるウマの一般
的な呼吸器感染症である。1970年代後半のH7N7ウイルス分離以降、馬インフルエン
ザウイルス(EIV)はH3N8だけが散発的な流行を繰り返している。イヌとラクダにおける
報告を除き、近年H3N8 EIVは非ウマ類へのスピルオーバーと関連していない。 本研
究では複数のデータベースを用いてEIVの人獣共通感染について中国語、英語、モン
ゴル語の科学文献を検索した。組み入れ基準に該当する32件の文献のレビューを行
い、EIVの疫学、潜伏期間、病原性、生存性・持続性、種間伝播、拡散、近年報告され
たアウトブレイクと分離株の特徴、ウイルス進化、人獣共通感染についてまとめた。 人
獣共通感染について報告する研究はいくつかあり、文献データの分析から、ヒトにおけ
るEIV人獣共通感染症についてかなりのエビデンスがあると我々は結論づけた。 歴史
的エビデンスとして、1889年のヒトのパンデミックはH3N8 EIVが原因である可能性が最
も高いと考えられていること、1892年頃の時代に生きていた人々における抗EIV H3N8
抗体の存在がある。また、パキスタンのウマ集団からトリ起源インフルエンザウイルス
が分離されたことは、ウマとヒトの間のインフルエンザウイルス伝播の可能性を強調す
る。 実験的エビデンスとして、ヒトボランティアにH3N8 EIVの実験的感染を行った1960
Braz J Biol.
7 インフルエンザ
年代の複数の研究がある。1件目の研究では感染3日後に生存可能なEIVウイルスが
83(2021)e246591
分離されたが、臨床徴候を発現したのは1人だけであった。1966年の別の研究では臨
床徴候を示した数人の被験者が観察され、感染処理3日後にウイルスが分離された。
1969年に実施された研究では数人に臨床徴候が認められ、被験者から分離されたウ
イルスは継代後にウマへの感染性を有していたことからヒトにおいて弱毒化されないこ
とが示唆された。 自然感染のエビデンスとして、モンゴルの小児がEIVに感染したウマ
に接触した後に呼吸器疾患を発症したという報告がある。またオーストラリアでは2007
年のEIVアウトブレイク後に、感染場に曝露したヒトの血清試料を採取し抗H3N8 EIV抗
体の存在について調査した。この調査ではごくわずかな被験者で低い抗体価が認めら
れたが、これはワクチン由来の交差反応抗体やヒト由来インフルエンザウイルスに関
連する可能性があった。 観察的、実験的、歴史的データは、EIV感染がヒトで起こり得
るという強い説得力を持つ。近年、ヒトにおいてEIVの適切な感染の徴候は示されてい
ないが、もしH3N8 EIVの突然変異発生率が変わらないならば、ヒトにおいて重篤な感
染症を引き起こす可能性が非常に高い。新しい脅威的な突然変異の可能性のため、
ウマとウマに接触しているヒトにおけるH3N8の継続的サーベイランスの必要性が強調
された。
米CDCは2021年9月10日、2020年~2021年のインフルエンザシーズン(2020年10月~
2021年9月)に米国で発生した8例目と9例目のヒトのインフルエンザウイルス(通常ヒト
CDCホームページ.
ではなくブタにおいて蔓延するウイルス)感染を報告した。この最新の感染2例は、小
インフルエンザ、H https://www.cdc.gov/flu/s
児において発生した(H3N2vウイルス1例、H1N2vウイルス1例)。 2例の小児は、疾患
8 3N2インフルエン potlights/2020発症前にブタと直接接触した、又は家族がブタと直接接触したかのいずれかであっ
ザ
2021/eigth-ninthた。これらの患者のいずれかと関連して変異型インフルエンザウイルスのヒトからヒト
infections-variant-flu.htm
への伝播は特定されていない。これまでの7例の感染は、ブタと直接接触したヒト、又
はブタのいる施設で生活しているヒトにおいて発生した。
米CDCは2021年8月19日、2020年~2021年のインフルエンザシーズン(2020年10月~
2021年9月)に米国で発生した6例目と7例目のヒトのインフルエンザウイルス(通常ヒト
ではなくブタにおいて蔓延するウイルス)感染を報告した。この最新の2例は、ブタの展
CDCホームページ.
示が行われていた同一のカウンティーフェアに参加した成人において発生した。過去
https://www.cdc.gov/flu/s
の5例の感染は、ブタへの直接的な曝露を報告したヒト、又はブタが存在する施設で生
9 インフルエンザ
potlights/2020活していたヒトにおいて発生した。 これらの7例の感染は、Wisconsin(H3N2v:1例、
2021/human-infectionsH1N1v:3例)、North Carolina(H1N1v:1例)、Ohio(H1N2v:1例)、Iowa(H1N1v:1例)で
variant-flu-virus.htm
発生した。このうち3人は18歳未満の子どもで、4人は成人の感染だった。いずれの患
者も病気から完全に回復し、これらの患者に関連する変異型インフルエンザウイルス
の人から人への感染は確認されなかった。
European Centre for
Disease Prevention and
Control.
https://www.ecdc.europa.e A(H1N2)vがオーストリアで1例報告された。成人が感染し、ブタとの接触が報告されて
10 インフルエンザ
u/sites/default/files/docu いる。本症例は回復し、ヒトからヒトへの感染は確認されていない。
ments/Influenzacharacterisation-reportNov-2021.pdf
PHEホームページ.
https://assets.publishing.s
9月3日、フランスのコート・ダルモールに住む人が、ブタ由来のインフルエンザA
ervice.gov.uk/government
(H1N2)v clade 1C.2.4に感染していることが確認された。この症例は、症状が現れる前
/uploads/system/uploads
11 インフルエンザ
に生きたブタに接触していた。この症例は健康状態が良好で、接触者に症状が出てい
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る者はいないと報告されている。フランスでこのウイルスが人から検出されたのは今回
8407/emergingが初めてである。
infections-summaryseptember-2021.pdf
12 インフルエンザ
13 インフルエンザ
Manitoba Agriculture and Resource Developmentは、変異株H1N2インフルエンザAウ
イルスの新規症例1例が特定されたことをアドバイスしている。このヒトインフルエンザ
A(H1N2)vは独立した症例と考えられている。本症例はブタに直接曝露した。
2020~2021年のインフルエンザシーズン中に発生した、インフルエンザA(H1N1)変異
precision VACCINATIONS. 株(A(H1N1)v)ウイルスによる1例の感染がNorth Dakotaより報告された。そして、現
https://www.precisionvacc 在の2021~2022年のインフルエンザシーズン中に発生したインフルエンザ(A(H3N2)
inations.com/novelv)ウイルスによる1例の感染がOhioより報告された。患者のうちの1例は、発症前にブ
influenza-virusタと密接に接触していた。他の患者は、ブタがいる農業展示会への参加やブタとの接
confirmed-us
触はなかった。この知見は、限られたヒトからヒトへの感染が潜在的に起こったことを
示している。
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20211211.8700084
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