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【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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S-217622
2.4 非臨床の概括評価
びサルを用いた反復毒性試験 (2.6.6.3 項参照) において S-217622 フマル酸共結晶のアデノシン
トランスポーターの阻害に起因したと考えられる影響は認められなかった.さらに,第 1 相
(T1211 試験) 及び第 2/3 相試験 (T1221 試験) において,上述したような事象に関連する
S-217622 フマル酸共結晶投与に起因した有害事象は現時点では認められていない (2.5.5.2 項参
照).
他に S-217622 フマル酸共結晶による 4 種のサブタイプの PDE4 阻害活性が認められたが,そ
の IC50 値 (63.2~75.7 µmol/L) は,申請用法用量における非結合型 Cmax (1.2 µmol/L) に対して
53~63 倍乖離しており,申請用法用量において非選択的 PDE4 阻害による懸念は低いと判断し
た.
異なるヒト組織に由来する 9 種の株化細胞及び 3 種のヒト初代培養細胞に対する CC50 は,い
ずれの細胞においても 72 µg/mL (135 µmol/L) 超える濃度と推定された (2.6.2.3.2 項及び 2.6.2.3.3
項参照).また,HepG2 細胞に対するミトコンドリア毒性は 300 µg/mL (564 µmol/L) まで認めら
れなかった (2.6.2.3.4 項参照).
S-217622 フマル酸共結晶の各 SARS-CoV-2 株に対する EC50 (0.026
~0.52 µmol/L;2.6.2.2.1.2 項参照) との間に約 260 倍以上の十分な乖離がみられたことから,
S-217622 フマル酸共結晶のヒト由来細胞及びミトコンドリアへの障害性に対する懸念は低いと
判断した.
以上のことから,申請用法用量において S-217622 フマル酸共結晶投与に起因した副次的薬理
作用による副作用発現の懸念は低いと判断した.
2.4.2.3
安全性薬理試験
安全性薬理コアバッテリー試験として,S-217622 フマル酸共結晶の中枢神経系,心血管系及
び呼吸系に及ぼす影響を検討した.安全性薬理コアバッテリー試験の概要及び血漿中曝露量と
申請用法用量における血漿中曝露量との比を表 2.4.2-2 に示す.
表 2.4.2-2
安全性薬理コアバッテリー試験結果及び血漿中曝露量と申請用法用量におけ
る血漿中曝露量との比
試験種
投与量/適用濃度
特筆すべき所見
無影響量における
血漿中曝露 (Cmax)
(ヒト曝露比)
294 µg/mL
(10.5)a
0 (対照群),20,100,
中枢神経系への影響なし
1000 mg/kg
(無影響量 1000 mg/kg)
IC50 > 100 µmol/L (53.2 µg/mL)
−
hERG アッセイ
0 (対照群),10,30,
100 µmol/L
(それぞれ 0,5.32,
16.0,53.2 µg/mL)
43.8 µg/mL
サル心血管系
0 (対照群),10,50,
軽度な心拍数の増加 ( ≥ 50 mg/kg)
(1.6)b
150 mg/kg
(無影響量 10 mg/kg)
326 µg/mL
サル呼吸系
0 (対照群),50,
なし (無影響量 150 mg/kg)
(11.6)b
150 mg/kg
a ラット 2 週間反復経口投与毒性試験の 1000 mg/kg/日投与群の雄における投与 1 日目の Cmax 値と健康成人対象
第 1 相試験 (T1211 試験) の 375/125 mg (投与 1 日目のみ 375 mg,その後投与 2~5 日目に 125 mg 投与の 1 日 1回
反復投与) 投与 5 日目の Cmax (28.1 µg/mL) (2.5.3.1.1 項参照) との比
b 各無影響量における Cmax と第 1 相試験 (T1211 試験) の 375/125 mg 投与 5 日目の Cmax (28.1 µg/mL) (2.5.3.1.1 項
ラット中枢神経系
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2.4 非臨床の概括評価
びサルを用いた反復毒性試験 (2.6.6.3 項参照) において S-217622 フマル酸共結晶のアデノシン
トランスポーターの阻害に起因したと考えられる影響は認められなかった.さらに,第 1 相
(T1211 試験) 及び第 2/3 相試験 (T1221 試験) において,上述したような事象に関連する
S-217622 フマル酸共結晶投与に起因した有害事象は現時点では認められていない (2.5.5.2 項参
照).
他に S-217622 フマル酸共結晶による 4 種のサブタイプの PDE4 阻害活性が認められたが,そ
の IC50 値 (63.2~75.7 µmol/L) は,申請用法用量における非結合型 Cmax (1.2 µmol/L) に対して
53~63 倍乖離しており,申請用法用量において非選択的 PDE4 阻害による懸念は低いと判断し
た.
異なるヒト組織に由来する 9 種の株化細胞及び 3 種のヒト初代培養細胞に対する CC50 は,い
ずれの細胞においても 72 µg/mL (135 µmol/L) 超える濃度と推定された (2.6.2.3.2 項及び 2.6.2.3.3
項参照).また,HepG2 細胞に対するミトコンドリア毒性は 300 µg/mL (564 µmol/L) まで認めら
れなかった (2.6.2.3.4 項参照).
S-217622 フマル酸共結晶の各 SARS-CoV-2 株に対する EC50 (0.026
~0.52 µmol/L;2.6.2.2.1.2 項参照) との間に約 260 倍以上の十分な乖離がみられたことから,
S-217622 フマル酸共結晶のヒト由来細胞及びミトコンドリアへの障害性に対する懸念は低いと
判断した.
以上のことから,申請用法用量において S-217622 フマル酸共結晶投与に起因した副次的薬理
作用による副作用発現の懸念は低いと判断した.
2.4.2.3
安全性薬理試験
安全性薬理コアバッテリー試験として,S-217622 フマル酸共結晶の中枢神経系,心血管系及
び呼吸系に及ぼす影響を検討した.安全性薬理コアバッテリー試験の概要及び血漿中曝露量と
申請用法用量における血漿中曝露量との比を表 2.4.2-2 に示す.
表 2.4.2-2
安全性薬理コアバッテリー試験結果及び血漿中曝露量と申請用法用量におけ
る血漿中曝露量との比
試験種
投与量/適用濃度
特筆すべき所見
無影響量における
血漿中曝露 (Cmax)
(ヒト曝露比)
294 µg/mL
(10.5)a
0 (対照群),20,100,
中枢神経系への影響なし
1000 mg/kg
(無影響量 1000 mg/kg)
IC50 > 100 µmol/L (53.2 µg/mL)
−
hERG アッセイ
0 (対照群),10,30,
100 µmol/L
(それぞれ 0,5.32,
16.0,53.2 µg/mL)
43.8 µg/mL
サル心血管系
0 (対照群),10,50,
軽度な心拍数の増加 ( ≥ 50 mg/kg)
(1.6)b
150 mg/kg
(無影響量 10 mg/kg)
326 µg/mL
サル呼吸系
0 (対照群),50,
なし (無影響量 150 mg/kg)
(11.6)b
150 mg/kg
a ラット 2 週間反復経口投与毒性試験の 1000 mg/kg/日投与群の雄における投与 1 日目の Cmax 値と健康成人対象
第 1 相試験 (T1211 試験) の 375/125 mg (投与 1 日目のみ 375 mg,その後投与 2~5 日目に 125 mg 投与の 1 日 1回
反復投与) 投与 5 日目の Cmax (28.1 µg/mL) (2.5.3.1.1 項参照) との比
b 各無影響量における Cmax と第 1 相試験 (T1211 試験) の 375/125 mg 投与 5 日目の Cmax (28.1 µg/mL) (2.5.3.1.1 項
ラット中枢神経系
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