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【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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S-217622
2.4 非臨床の概括評価
質薬の血漿中濃度に及ぼす影響を考察した (表 2.4.3-1~表 2.4.3-3).その結果,S-217622 は,
申請用法用量において CYP3A の阻害作用,
CYP2B6 及び CYP3A の誘導作用並びに P-gp,
BCRP,
OATP1B1,OATP1B3 及び OAT3 の阻害作用を示し,これらの基質薬の血漿中濃度を変動させる
可能性が示された (2.6.4.8 項参照).
結論として,S-217622 は良好な経口吸収性を示し,肝臓を含む幅広い組織に分布した後,複
数の代謝経路を経て糞と尿に排出された.また,S-217622 及び代謝物は,いずれの組織にも残
留しないと考えられた.S-217622 の代謝には CYP3A を含む複数の代謝酵素が関与しているも
のの,その中では CYP3A の寄与は比較的大きいと考えられることから,CYP3A の強い誘導剤
と併用したときに S-217622 の血漿中濃度が低下する可能性が示された.一方で,S-217622 の代
謝に複数の代謝酵素が関与することから,単一酵素の阻害による S-217622 の血漿中濃度の変動
への影響は小さいと考えられた.S-217622 は P-gp 及び BCRP の基質であるため,これらの阻害
剤及び誘導剤により S-217622 の血漿中濃度が変動する可能性が示された.また,S-217622 は,
申請用法用量において CYP3A の阻害作用,
CYP2B6 及び CYP3A の誘導作用並びに P-gp,
BCRP,
OATP1B1,OATP1B3 及び OAT3 の阻害作用を示し,これらの基質薬の血漿中濃度を変動させる
可能性が示された.
表 2.4.3-1
S-217622 フマル酸共結晶による各 CYP 阻害作用のまとめ
TDI
可逆阻害
CYP 分子種
CYP1A2
IC50
(μmol/L)
>100
Ki
(μmol/L)
50
KI
(μmol/L)
N/A
Kinact
(1/min)
N/A
CYP2B6
>100
50
N/A
N/A
CYP2C8
35
17.5
N/A
N/A
CYP2C9
>100
50
N/A
N/A
CYP2C19
>100
50
N/A
N/A
AUCR *
臨床 DDI 試
験の必要性
(AUCR>1.25)
No
CYP2D6
>100
50
N/A
N/A
1.03
1.02
1.07
1.03
1.03
1.03
CYP3A (Midazolam)
>100
50
84
0.046
5.46
Yes
CYP3A (Testosterone)
>100
50
86
0.055
5.98
Yes
No
No
No
No
No
DDI = drug-drug interaction; KI = half-maximal inactivation concentration; kinact = maximal inactivation rate constant;
N/A = not applicable
Ki value was calculated as 1/2 IC50 value.
* AUCR were calculated using fmCYP (contribution ratio of CYP on clearance) as following;
CYP1A2, caffeine (fmCYP=0.9) [10]; CYP2B6, bupropion (fmCYP=0.52) [11]; CYP2C8, repaglinide (fmCYP=0.83) [12];
CYP2C9, tolbutamide (fmCYP=0.98) [13]; CYP2C19, omeprazole (fmCYP=0.86) [14]; CYP2D6, dextromethorphan
(fmCYP=0.96) [15];CYP3A, midazolam (fmCYP=0.93, Fg = 0.57) [16].
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2.4 非臨床の概括評価
質薬の血漿中濃度に及ぼす影響を考察した (表 2.4.3-1~表 2.4.3-3).その結果,S-217622 は,
申請用法用量において CYP3A の阻害作用,
CYP2B6 及び CYP3A の誘導作用並びに P-gp,
BCRP,
OATP1B1,OATP1B3 及び OAT3 の阻害作用を示し,これらの基質薬の血漿中濃度を変動させる
可能性が示された (2.6.4.8 項参照).
結論として,S-217622 は良好な経口吸収性を示し,肝臓を含む幅広い組織に分布した後,複
数の代謝経路を経て糞と尿に排出された.また,S-217622 及び代謝物は,いずれの組織にも残
留しないと考えられた.S-217622 の代謝には CYP3A を含む複数の代謝酵素が関与しているも
のの,その中では CYP3A の寄与は比較的大きいと考えられることから,CYP3A の強い誘導剤
と併用したときに S-217622 の血漿中濃度が低下する可能性が示された.一方で,S-217622 の代
謝に複数の代謝酵素が関与することから,単一酵素の阻害による S-217622 の血漿中濃度の変動
への影響は小さいと考えられた.S-217622 は P-gp 及び BCRP の基質であるため,これらの阻害
剤及び誘導剤により S-217622 の血漿中濃度が変動する可能性が示された.また,S-217622 は,
申請用法用量において CYP3A の阻害作用,
CYP2B6 及び CYP3A の誘導作用並びに P-gp,
BCRP,
OATP1B1,OATP1B3 及び OAT3 の阻害作用を示し,これらの基質薬の血漿中濃度を変動させる
可能性が示された.
表 2.4.3-1
S-217622 フマル酸共結晶による各 CYP 阻害作用のまとめ
TDI
可逆阻害
CYP 分子種
CYP1A2
IC50
(μmol/L)
>100
Ki
(μmol/L)
50
KI
(μmol/L)
N/A
Kinact
(1/min)
N/A
CYP2B6
>100
50
N/A
N/A
CYP2C8
35
17.5
N/A
N/A
CYP2C9
>100
50
N/A
N/A
CYP2C19
>100
50
N/A
N/A
AUCR *
臨床 DDI 試
験の必要性
(AUCR>1.25)
No
CYP2D6
>100
50
N/A
N/A
1.03
1.02
1.07
1.03
1.03
1.03
CYP3A (Midazolam)
>100
50
84
0.046
5.46
Yes
CYP3A (Testosterone)
>100
50
86
0.055
5.98
Yes
No
No
No
No
No
DDI = drug-drug interaction; KI = half-maximal inactivation concentration; kinact = maximal inactivation rate constant;
N/A = not applicable
Ki value was calculated as 1/2 IC50 value.
* AUCR were calculated using fmCYP (contribution ratio of CYP on clearance) as following;
CYP1A2, caffeine (fmCYP=0.9) [10]; CYP2B6, bupropion (fmCYP=0.52) [11]; CYP2C8, repaglinide (fmCYP=0.83) [12];
CYP2C9, tolbutamide (fmCYP=0.98) [13]; CYP2C19, omeprazole (fmCYP=0.86) [14]; CYP2D6, dextromethorphan
(fmCYP=0.96) [15];CYP3A, midazolam (fmCYP=0.93, Fg = 0.57) [16].
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