よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

S-217622

2.4 非臨床の概括評価

S-217622 の in vitro 血清タンパク結合率に種差は認められず,ラット,ウサギ,サル及びヒト
のいずれにおいても,S-217622 濃度 (0.5~50 µg/mL) に依存せず血清タンパク結合率は約 98%
であり,ヒト血清における S-217622 の主結合タンパクはアルブミンであった (2.6.4.4.1.1 項参
照).S-217622 の in vitro 血球移行率に種差は認められず,ラット,サル及びヒトのいずれにお
いても,S-217622 濃度 (0.5~50 µg/mL) における血球移行率は 5%~13%程度であり,ラット及
びサル in vivo 試験の結果と同程度であった (2.6.4.4.1.2 項参照).また,[14C]-S-217622 フマル酸
共結晶を単回経口投与したとき,ラット及びサル血液中放射能濃度は血漿中放射能濃度と平行
に推移し,時間と共に減少したことから,S-217622 及びその代謝物の血球への残留性はないと
考えられた (2.6.4.4.2.3 項参照).
有色ラットを用いた [14C]-S-217622 フマル酸共結晶の組織分布試験において,S-217622 及び
その代謝物はラット組織に幅広く分布し,肝臓,毛様体/虹彩,歯髄,ブドウ膜においては,他
の組織に比べて高い放射能濃度が認められた.大脳,小脳及び脊髄などの中枢神経系組織中放
射能濃度は,測定したいずれの時点でも定量下限未満 (BLQ) であり,S-217622 は中枢移行性
が低いと考えられた.メラニン含有組織を含むいずれの組織中放射能濃度も投与後 168 又は
336時間には BLQ まで減少したことから,組織残留性はないと考えられた (2.6.4.4.2.1 項参照).
また,妊娠ラットを用いた [14C]-S-217622 フマル酸共結晶の胎盤透過性試験において,S-217622
及びその代謝物は胎盤を透過し,胎児への移行が認められた.胎児の組織中放射能濃度は,母
動物の同一組織中放射能濃度と同等,あるいは低い値を示し,投与後 24 時間までに BLQ 付近
まで減少したことから,S-217622 及びその代謝物は胎児の各組織に残留しないと考えられた
(2.6.4.4.2.2 項参照).授乳ラットを用いた [14C]-S-217622 フマル酸共結晶の乳汁移行性試験にお
いて,乳汁中放射能濃度は血漿中放射能濃度と平行に推移し,血漿中放射能濃度に対する乳汁
中放射能濃度の比がほぼ一定であったことから,S-217622 及びその代謝物は乳汁移行するが,
残留性はないと考えられた (2.6.4.6.1.2 項参照).
[14C]-S-217622 の凍結ヒト肝細胞を用いた in vitro 代謝物検索では,試料中放射能の大部分が
未変化の S-217622 として残存しており,主要な代謝物として,M2 (glucuronide of oxidized
S-217622,推定),S-217622 triazole N-desmethyl (M4) 及び S-217622 indazole N-desmethyl (M5) が
検出された.また,S-217622 indazole 4-Cl (M6) 及び S-217622 3-indazolinone (M3) が液体クロマ
トグラフィー/質量分析法 (LC/MS) クロマトグラムでのみ検出された (2.6.4.5.1.1 項参照).ヒト
シトクロム P450 (CYP) 分子種組み換え発現酵素やヒト肝ミクロソーム及び選択的 CYP 阻害剤
を用いた検討から,S-217622 triazole N-desmethyl (M4) 及び S-217622 indazole N-desmethyl (M5)
の生成には,CYP3A4/5 を含む複数の CYP 分子種が関与することが示唆された (2.6.4.5.1.2 項参
照).ヒト第 1 相試験試料を用いた in vivo 代謝物検索の結果,ヒト血漿及び尿中の主要成分とし
て未変化の S-217622 が検出され,血漿中では S-217622 indazole 4-Cl (M6),尿中では S-217622
triazole N-desmethyl (M4) が主代謝物として検出された (2.5.3.1.2.3 項参照).
[14C]-S-217622 フマル酸共結晶のラット及びサル排泄試験の結果,S-217622 の主排泄経路は,
胆汁を介した糞中排泄であり,尿中排泄の寄与もあることが示された.未変化の S-217622 は,
ラット尿及び胆汁中にそれぞれ投与量の 0.3%及び 4.5%が排泄されており,尿中排泄 (ケージ洗
浄液を含む) 及び胆汁中排泄率の和から推定される吸収率 (約 64%) に対して 1/10 程度であっ
14