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【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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S-217622

2.4 非臨床の概括評価

毒性試験評価動物であるウサギを使用して in vivo における代謝も評価した.また in vitro 試験
で薬物動態学的薬物相互作用についても検討した.
毒性試験として,ラット及びサルを用いた 4 週間までの反復経口投与毒性試験,遺伝毒性試
験 (不純物を含む),ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験,in vitro 光毒性試験及びヒト
で認められた高比重リポタンパク質 (HDL) コレステロール減少機序解明のための試験を実施
した.
主要な安全性薬理試験及び毒性試験は Good Laboratory Practice (GLP) 基準,主要な薬理試験
及び薬物動態試験は信頼性基準を適用して実施した.
2.4.2
2.4.2.1
2.4.2.1.1

薬理試験
効力を裏付ける試験
作用機序

S-217622 フマル酸共結晶の標的酵素である SARS-CoV-2 3CL プロテアーゼは,SARS-CoV-2
遺伝子から翻訳されたポリタンパク質のプロセシングを行うことでウイルス複製を進行させる.
そのため,同酵素は SARS-CoV-2 ウイルスの複製に必須と考えられている.SARS-CoV-2 が細胞
に侵入すると,ウイルス RNA を鋳型にタンパク質が翻訳され,このうち非構造タンパク質はポ
リタンパク質として翻訳される.その後,このポリタンパク質は,自身に含まれるパパイン様
プロテアーゼ,3CL プロテアーゼによるプロセシングを受け,ウイルスの複製や転写に必須で
ある RNA 依存性 RNA ポリメラーゼやヘリカーゼ又は 3CL プロテアーゼそのもの,といったそ
れぞれ異なる機能を発揮する非構造タンパク質となる [5].
SARS-CoV-2 3CL プロテアーゼタンパク質を用いた阻害活性の検討から,S-217622 フマル酸
共結晶が SARS-CoV-2 3CL プロテアーゼ阻害活性を有することを示した.
2.4.2.1.2

In vitro 活性

SARS-CoV-2 易感染性の細胞株である VeroE6/TMPRSS2 細胞及び HEK293T/ACE2-TMPRSS2
細胞を用いた in vitro 試験において,
従来株 (Pango lineage A: hCoV-19/Japan/TY/WK-521/2020 株),
スパイクタンパク質に変異が認められている複数の SARS-CoV-2 臨床分離株 (アルファ株
[Pango lineage B.1.1.7: hCoV-19/Japan/QK002/2020 株 , hCoV-19/Japan/QHN001/2020 株 ,
hCoV-19/Japan/QHN002/2020 株],ベータ株 [Pango lineage B.1.351: hCoV-19/Japan/TY8-612/2021
株],ガンマ株 [Pango lineage P.1: hCoV-19/Japan/TY7-501/2021 株,hCoV-19/Japan/TY7-503/2021
株],デルタ株 [Pango lineage B.1.617.2: hCoV-19/Japan/TY11-927-P1/2021 株] 及びオミクロン株
[Pango lineage B.1.1.529: hCoV-19/Japan/TY38-873/2021 株,
hCoV-19/Japan/TY38-871/2021 株,
hCoV19/Japan/TY40-385/2022 株]) 並びに従来株を起源としたマウス馴化株 (SARS-CoV-2 MA-P10 株
[mouse-adapted hCoV-19/Japan/TY/WK-521/2020 株]) に対して S-217622 フマル酸共結晶は抗ウイ
ルス活性を示した.
臨床分離株に対する 50%有効濃度 (EC50) は VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.29
~0.52 µmol/L,HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細胞では 0.026~0.064 µmol/L であった.マウス馴化
株に対する S-217622 フマル酸共結晶の EC50 は,VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.12 µmol/L であっ
た.VeroE6/TMPRSS2 細胞及び HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細胞に対する 50%細胞障害濃度
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