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(参考資料3)臨床研修医の労働時間と基本的臨床能力との関連性に関する検討 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22464.html
出典情報 勤務医に対する情報発信に関する作業部会(第2回 12/17)《厚生労働省》
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研究の背景
• 初期臨床研修医の労働時間上限を設定するにあたってエビデンスは乏しい。
• 労働時間と臨床能力の関連性を調査する必要がある。
• 医師および臨床研修医の働き方改革
• 2019年4月より日本全体で働き方改革が政府主導で取り組
まれ、医師に関しては医療体制の維持のため、月80時間ま
での時間外労働(A水準)となった。ただし、地域医療や救
急体制の維持に関わる医療機関(B水準)、研修医(C水準)

に関しては月155時間が許容された。
• 研修医の時間外労働を決定するにあたり、研修時間を確保
することと、研修医の健康が考慮されたが、教育効果に関
する妥当な労働時間はエビデンスが十分でないとされ、B水
準に習い月155時間に決定された経緯がある。

• 長時間労働と研修医の健康
• 日本の研修医は長時間労働をしており、燃え尽き症候群、
うつ病、自殺、過度のストレスとの関連性が報告されてい
る。
• 2018年の厚生労働省の調査によると、医師の週の平均労
働時間は66.4~67.2時間であった。年齢別に評価すると、
初期臨床研修医を中心とした20代の医師が最も長く働いて
おり、週平均は76.1時間だった。米国や英国でも週60時間
以上の勤務が報告されているように、研修医の長時間労働

は世界的な問題である。
• 最近の日本における調査では、日本の初期臨床研修医の
18~33.3%が燃え尽き症候群であると報告されている。週
100時間以上勤務している1年目の初期初期臨床の約半数
が重度の抑うつ症状を示していたとの報告もある。

労働時間と研修医教育
• 研修医の労働時間と教育に関する研究は日本ではほとん
どなく世界的にも限られている。米国では2003年に週80時
間までの研修医に勤務時間制限が開始され、その前後の
研修医の教育や健康アウトカムへの影響について複数の
報告がある。
• 米国の勤務時間制限では、研修医の燃え尽き症候群の予
防や健康の改善に寄与するが、患者ケアや健康アウトカム
には悪影響を及ぼす可能性があることが報告されている。
• ただし、米国の労働時間制限は週80時間であり、日本で月
平均に換算するとC水準に相当する労働時間である。
• EUでは労働時間は週48時間に設定されている。