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感染症について(その1) 総-2 (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00197.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第550回 7/26)《厚生労働省》
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エムポックスについて

四類感染症

健康局結核感染症課
提出資料

※令和5年5月26日に、「サル痘」から「エムポックス」へ感染症法上の名称が変更

基本情報
病原体





ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属エムポックスウイルス
コンゴ盆地型(クレード1)と西アフリカ型(クレード2及び3)に分類される。
2022年5月以降、国際的に拡大しているウイルスはクレード3に属する。

疫学



1958年にポリオワクチン製造のために世界各国から霊長類が集められた施設においてカニクイザルの天然痘
様疾患として初めて報告。1970年にヒト感染事例が現在のコンゴ民主共和国で初めて報告。
平時より西アフリカにおいて地域的な流行が見られる。
アフリカ大陸以外ではヒトのエムポックスは確認されていなかったが、2003年に米国で愛玩用に輸入された
齧歯類を介して、合計71名の患者が発生。死者なし。
その後、米国等計15カ国で患者が確認されていたが、先進国での発生は輸入事例のみで、アフリカ大陸以外
でヒトの間での大規模な感染事例は確認されていなかった。
2022年5月以降、欧米を中心に国際的に市中感染が拡大しており、8万7千人以上の症例が報告。国内でも、
2023年6月9日時点で175例の症例が確認されている。





感染経路




リスなどの齧歯類が自然宿主として考えられている。
感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接触(性的接触を含む。)、患者との接近した対面での飛
沫への長時間の曝露(prolonged face-to-face contact)、患者が使用した寝具等との接触等により感染。

臨床経過





潜伏期間は通常6-13日(5-21日)。症状の出現から、発疹が無くなるまでは感染させる可能性。
発疹、発熱、発汗、頭痛、悪寒、咽頭痛、肛門直腸痛、リンパ節腫脹
従来のサル痘流行国であるアフリカでの致命率は数~10%と報告されており、また2022年5月以降の流行に
おいては、致命率は0.17%と報告。

予防・診断・治療
予防



天然痘ワクチンが、曝露後の発症予防及び重症化予防に有効とされる。(日本国内でも生産、備蓄あり。)

診断



病変部位等からのPCR法による病原体の遺伝子の検出、ウイルス分離。

治療



対症療法が基本。国内において承認されている特異的な治療薬はないが、欧州においてTecovirimatが承認さ
れており、国内で臨床試験が実施されている。

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