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○個別事項(その21)について 総ー2 (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00236.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第576回 12/27)《厚生労働省》
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抗HLA抗体検査について③
○ 抗HLA抗体が陽性の症例は、拒絶反応発症リスクが高い。
○ 臓器移植待機期間が長期化すると抗HLA抗体を獲得するリスクが上がる。
○ 移植待機中の抗HLA抗体高値例等に対して、脱感作療法を行うことで、臓器移植を行うことができ、生着率の向上につ
ながるとされている。
【現行検査との比較・現行検査における問題点】
臓器移植レシピエントの拒絶反応リスク分類

臓器移植待機期間が長期化するとHLA抗体を獲得するリスクが上がる

拒絶反応リスク低い、安全
HLA抗体なし

拒絶反応発症リスク高いが、術前強化免疫
抑制療法で移植可能(全体の約10%)

HLA抗体あり
(弱陽性)

早期に移植臓器機能喪失のリスクが高い
術前脱感作療法により一部は移植可能 (約5%)

強陽性

現在の問題点について

臓器移植待機中に輸血などを受けると複数のHLA抗原に感作され
HLA抗体を獲得していくとハイリスク患者になる可能性がある。
また2回目以降の臓器移植や妊娠なども感作の原因となる。
待機期間が長期になったり、待機中の状態が悪いとリスクが高くなる。

ハイリスク臓器移植待機患者
現行の運用ではHLA抗体スクリーニング検査は移植が成立すればという条件
つきのため、待機期間中のHLA抗体獲得のリスク判定ができない。



臓器移植長期待機患者には年1度程度抗HLA抗体スクリーニング検査によるモニタリングが必要である
ス移
ク植
リ前
ー抗


グ抗

査体

脱感作療法

HLA

HLA

ス移
ク植
リ前
ー抗


グ抗

査体

脱感作療法

臓器移植ハイリスクとなった患者には脱感作療法を行って移植を行う













同移
定植
検前
査抗

HLA



抗 性

脱感作療法

同移
定植
検前
査抗

HLA






同移
定植
検前
査抗 高

HLA

HLA

ス移
ク植
リ前
ー抗


グ抗

査体

①高用量ガンマグロブリン療法(IVIG):②リツキシマブ:抗ドナー抗体陽性腎移植
における治験が終了
2019年12月より使用可能。
③血漿交換:リツキシマブ治験で同時に評価




待機期間中にHLA抗体スクリーニングを行うと適切なリスク分類が
できるようになり、ハイリスクの患者には脱感作療法を行いよりリス
クを下げて臓器移植を行うことができ、臓器生着率の向上につなが
る。臓器不全患者の生命予後の改善や特に腎不全に対しては移植
の成功は、透析療法継続に比べて医療経済的にもメリットがある。

ドナー特異抗体なし

ドナー特異抗体あり

臓器移植ドナー出現

脱感作療法
2回目








【診療報酬上の取り扱い】
⚫ スクリーニング検査(1,000点)
⚫ 同定検査(5,000点)

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※日本移植学会作成資料(一部改変)