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資料8 提出資料7(高橋構成員) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40336.html
出典情報 新たな地域医療構想等に関する検討会(第3回 5/22)《厚生労働省》
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第3回新たな地域医療構想等に関する検討会


















資料8

後期高齢者の急速な変化を織り込んだ将来の医療福祉施設の需要予測の必要性
国際医療福祉大学 高橋泰
1895 年生まれの磯野波平さんの 54 歳当時の様子と 1947 年生まれの島耕作さんの 54 歳
当時の様子に驚くほど大きな差が見られることは、多くの国民に知られている。同様に、
現在の 77 歳は 50 年前の 77 歳を比べると劇的に若返っているが、この高齢者の若返りの
影響を、将来に向けての病床や高齢者施設のベッド数予測に反映すべきである。
以下の表は、九州大学の二宮先生の 2014 年と 2024 年、東京大学の笠島先生の 2022 年
の論文に発表された認知症患者数の推計結果の比較である。詳細は参考資料 1 に示すが、
3 論文から日本の高齢者の知的レベルが年々向上し、認知症の予測値が年々急速に低下し
ている。このような最近の高齢者の急速な変化を組み込んだ将来予測を行わなければ、医
療福祉の施設を過剰に建設することを誘導する計画を作成することになる可能性が高い。
10 年間で年齢

(万人)

階級別の認知症
発症率が大きく
低下し、予測値
も低下

学歴の変化を組み込んだ動的モデルで予測
を行うと、今後認知症は減少という結果に

笠島論文では二宮論文にはない「学歴」という因子を用いて高齢者を分けているが、学
歴というより、高校以上を卒業した人のライフスタイルや、健診などの健康管理レベルの
高さなどの総合的な影響をより強く取り込んだため、認知症が今後減少するという結果が
でたのであろう。また、健康日本21などの予防活動の効果が今後著明に現れると、筆者
は予想している。今回の研究対象である 60 歳以上の女性は、高学歴であっても会社勤め
をしていない人や結婚で仕事を辞めた人が多く、高学歴の影響が男性よりも少ないと思わ
れる。現在 40 歳前後の女性が今回の研究対象になる 20 年後は、女性の社会進出が進み、
大卒以上の認知症発現比率の男女差も、小さくなるだろう。

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