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資料8 提出資料7(高橋構成員) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40336.html
出典情報 新たな地域医療構想等に関する検討会(第3回 5/22)《厚生労働省》
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病院・施設の低利用率に関する論文収集とケアマネージャーに対する電話聞き込み調査
現在の病院・施設の低利用率は、病院・施設の経営者の多くの人が気付いている。筆者
も、多くの経営者にその原因を尋ねたが、皆声を揃えて「何が起きているかわからない」
と応える。現在の年齢階級別の高齢者数にこれまでの施設利用率をかけて得られる推計値
と現在の空床の多い施設の状況の差から考えると、
「かって、病院や施設に来ていた 1 日
ベースで 10~20 万人ほどの高齢者が在宅に留まり、その分が空床になっている」ことにな
る。現在の病院・施設の低利用率の原因を探るべく、関連すると思われる論文を集め、ま
た、経験 20 年以上の全国各地の都心、ベッドタウン、地方都市、過疎地域の 5 名のケア
マネージャーに電話をかけ、最近の高齢者の変化について聞き込み調査を行った。
その結果、以下のような「今後高齢者の病院や施設を利用する機会が、更に減少する」
ことを示唆する論文からの知見とケアマネージャーからの意見が寄せられた。
(1) 高校卒以上の高齢者の増加により、これから認知症患者が減少(参考資料1)、
賢い高齢者が急速に増え、典型的な認知症が急速に減っている。(都心および東京
郊外のケアマネの意見)
(2) 高齢者の疾病構造の変化が進み、高血圧、糖尿病、高脂血症が増えるが、心不全と
脳卒中が減少する。(参考資料2)
(3)高齢者が元気で健康になってきている。
(参考資料3)。
寝たきりの高齢者が減っている。(5 人中 4 人のケアマネの意見)
(4)元気であった人が、突然亡くなる(ピンピンコロリ)のケースが、在宅の現場で増
えている。癌ではないが、元気だった高齢者が突然亡くなる。自宅で独居、自分で
できる範囲で生活を続けているが、徐々に低栄養や脱水状況が続き、急に悪くなる
のではないかと思える場合がある。今後、病院や施設を利用せず、独居でも自宅で
亡くなることを選択する高齢者は、増えていくように思う(都心と東京近郊の 2 人
のケアマネの意見)

「これらのケースは、悲惨なケースか」という質問に対し、2 人とも自然に亡く
なったケースであり、家族も周辺の人も受け入れており、悲惨な感じはなかったと
いう返答であった。
(5)これからの高齢者ケアの対象の主流となる団塊の世代は、社会的な慣習にとらわれ
ず、個人の考えを貫き、その子供も親の望みを是認するよう行動するので、特に終
末期のあり方が変わる。
(都心のケアマネの意見+参考資料4)
(6)聞き取り調査やこれまでの全国各地の施設経営者の話の印象ではあるが、大都市や
その周辺部の高齢者の変化のスピードは、地方都市や過疎地の高齢者の変化のスピ
ードよりも速い。

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