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資料2-1 小暮参考人提出資料 (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44713.html |
出典情報 | 妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会(第5回 11/13)《厚生労働省》 |
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1932年~1942年
出産給付を現物給付とした背景
産婆会組織の結成、分娩費の目的外使用に対する懸念、分娩介助を受ける
費用や状況の地域差、社会情勢上の理由から現物給付が望ましいとされた
◼ 「此のお金は産婦が自由になります。此が誠に都合の悪い點であります。これを吾々はドウしても医師と同じ方法にして頂きたいの
が眼目です」(軽部1927)
◼ 「「産婆会も医師会と同じく分娩に関する給付を一手で引受け、会員の全てが健康保険産婆となり、被保険者は自由に産婆を選定し
て自分の好む人にかかる様に致し度い。何故助産の仕組は医者の診療の仕組みと違った建前に致したか」と云ふのであります。之は
一応御尤もなことであります(中略)現在の法律は将来に亘って不変のものではありません。分娩に関する社会的施設が十分に出来
又産婆諸姉の分布が全国に普及し且つ、産婆会が統制ある機関となるのは将来期して待つべきことでありますから、さういふ時代に
這入れば分娩給付の仕組みも亦自づから改めらるる事と信じます。今は已むは得ない現在の事情に支配されてあるといふことを御諒
察下さい」(古瀬1927)
◼ 「所が其の後被保険者が政府が此の法律を作つて支給した分娩費を以て果して助産の手当を受けて居るかどうかといふことの調査を
いたしたのであります。むろん多数の人々は法律が期待したやうに、妊娠四ヶ月、或いは五ヶ月から産婆若くは医師に付て相当の手
当を受け、分娩に当たりましては勿論分娩介助をやつて貰つて居るのでありますが、甚だしいのになりますと、此の分娩費二十圓を
たゞ貰つて無駄使ひをしてしまふ。極く質の悪いのになると、御亭主が酒代にしてしまつて一向分娩介助等を受けない。其のために
甚だ無理なことをして後で病気を惹起し、今度は健康保険が病気として此の人を長い間御医者さんにかからしたり、手当金を出さな
ければならない。斯ういふ事情のあることを発見いたしたのであります」(伊藤1932)
◼ 「或る地方に於ては分娩の際に於ける生活費はー出産手当金を支給する上に二十圓は相当に多額である、五圓にしてもいいといふ説
もある。中には餘り減すことは出来ない或は此の程度でなければならない。いろいろの説があります(後略)」(伊藤1932)
◼ 地域によって、分娩取扱いの状況が異なり、医療者(産婆・産科医)の分娩介助を受けない人の割合が50%を超える地域もあった
昭和14年度
全国出産時取扱い状況(厚生省調べ)
開業産婆分娩取扱
病院診療所の分娩取扱
産婆及医師に非ざる者の分娩取扱
100%
80%
60%
40%
20%
0%
北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 廣 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 合
海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 嶋 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄 計 9
道
山
島
川
日本医療團総裁室調査部1943 より著者作成
出産給付を現物給付とした背景
産婆会組織の結成、分娩費の目的外使用に対する懸念、分娩介助を受ける
費用や状況の地域差、社会情勢上の理由から現物給付が望ましいとされた
◼ 「此のお金は産婦が自由になります。此が誠に都合の悪い點であります。これを吾々はドウしても医師と同じ方法にして頂きたいの
が眼目です」(軽部1927)
◼ 「「産婆会も医師会と同じく分娩に関する給付を一手で引受け、会員の全てが健康保険産婆となり、被保険者は自由に産婆を選定し
て自分の好む人にかかる様に致し度い。何故助産の仕組は医者の診療の仕組みと違った建前に致したか」と云ふのであります。之は
一応御尤もなことであります(中略)現在の法律は将来に亘って不変のものではありません。分娩に関する社会的施設が十分に出来
又産婆諸姉の分布が全国に普及し且つ、産婆会が統制ある機関となるのは将来期して待つべきことでありますから、さういふ時代に
這入れば分娩給付の仕組みも亦自づから改めらるる事と信じます。今は已むは得ない現在の事情に支配されてあるといふことを御諒
察下さい」(古瀬1927)
◼ 「所が其の後被保険者が政府が此の法律を作つて支給した分娩費を以て果して助産の手当を受けて居るかどうかといふことの調査を
いたしたのであります。むろん多数の人々は法律が期待したやうに、妊娠四ヶ月、或いは五ヶ月から産婆若くは医師に付て相当の手
当を受け、分娩に当たりましては勿論分娩介助をやつて貰つて居るのでありますが、甚だしいのになりますと、此の分娩費二十圓を
たゞ貰つて無駄使ひをしてしまふ。極く質の悪いのになると、御亭主が酒代にしてしまつて一向分娩介助等を受けない。其のために
甚だ無理なことをして後で病気を惹起し、今度は健康保険が病気として此の人を長い間御医者さんにかからしたり、手当金を出さな
ければならない。斯ういふ事情のあることを発見いたしたのであります」(伊藤1932)
◼ 「或る地方に於ては分娩の際に於ける生活費はー出産手当金を支給する上に二十圓は相当に多額である、五圓にしてもいいといふ説
もある。中には餘り減すことは出来ない或は此の程度でなければならない。いろいろの説があります(後略)」(伊藤1932)
◼ 地域によって、分娩取扱いの状況が異なり、医療者(産婆・産科医)の分娩介助を受けない人の割合が50%を超える地域もあった
昭和14年度
全国出産時取扱い状況(厚生省調べ)
開業産婆分娩取扱
病院診療所の分娩取扱
産婆及医師に非ざる者の分娩取扱
100%
80%
60%
40%
20%
0%
北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 廣 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 合
海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 嶋 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄 計 9
道
山
島
川
日本医療團総裁室調査部1943 より著者作成