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公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(3/31付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.1 版 ●2 臨床像

7. 罹患後症状(いわゆる後遺症)
患者によっては,COVID-19 の症状が遷延したり,新たに症状の出現することがわかってきた.
現時点では,感染者のみを対象とした横断研究が多く,非感染者を対照群とした疫学研究は不足し
ているため,それぞれの症状と COVID-19 との因果関係は不明である.用語についても統一をみて
いない.これまでに報告されている代表的な罹患後症状を図 2-9 にまとめた.
日本国内の複数の調査(厚生労働科学特別研究事業)では,中等症以上の患者 512 名を対象に
退院後3カ月の時点で検討すると,肺機能低下(特に肺拡散能)が遷延していた.また,軽症者を
含む 525 名において,診断後6カ月の時点で約 80 % は罹患前の健康状態に戻ったと自覚してい
たが,一部の症状が遷延すると,生活の質の低下,不安や抑うつ,睡眠障害の傾向が強まることが
わかった. 嗅覚・味覚障害を認めた 119 名において,退院後1カ月までの改善率は嗅覚障害 60
%,味覚障害 84 % であった(第 39 回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料
2021.6.16).
また,日本国内の研究として,457 人の回復者を対象にしたアンケートによる追跡調査(急
性期において 84.4 % が軽症,12.7 % が中等症,2.9 % が重症)において,発症または診断
から6カ月後では,73.7%が無症状,26.3%に何らかの症状を認めた.また,12 カ月後では,
91.2%が無症状であり,8.8%に何らかの症状を認めた.12 カ月後に残っていた症状およびそ
の頻度は記憶障害(5.5 %),集中力低下(4.8 %)
,抑うつ状態(3.3 %)
,疲労感(3.1 %),
息切れ(1.5 %),嗅覚障害(1.1 %),
咳(1.1 %)

味覚障害(0.4 %)

脱毛(0.4 %)であった.
また全体の 8.8 % の回復者で 12 カ月後も少なくとも 1 つ以上の症状が残っており,特に女性,
急性期に重症度が高かった患者で遷延しやすかった.海外の研究では,高齢,肥満,女性で遷
延症状がみられやすいという報告がある一方,ワクチン を 2 回接種後に新たに罹患した場合,
28 日以上遷延する症状の発現が 47 % 減少したという報告もある.
これらの罹患後症状は時間の経過とともにほとんどの患者で改善すると考えられるが,さら
に長期の観察でどのように推移するかは今後の検討課題である . 具体的な患者の診療とケアに
ついては『別冊:罹患後症状のマネジメント』を参照のこと.

図 2-9

代表的な罹患後症状

呼吸器症状
・咳
・喀痰
・息切れ
・胸痛

精神・神経症状
・記憶障害
・集中力低下
・不眠
・頭痛
・抑うつ

全身症状
・倦怠感
・関節痛
・筋肉痛

その他の症状
・嗅覚障害
・味覚障害
・動悸
・下痢
・腹痛

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