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資料1 現行の感染症法等における課題と対応等について (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210433_00029.html
出典情報 社会保障審議会 医療部会(第90回 9/5)《厚生労働省》
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<感染状況等と今後の見通し>
○ 感染状況について
• 新規感染者数について、お盆や夏休みなど、社会経済活動の活発化の影響もあり、ほとんどの地域で増加した。多くの地域や全国で、これまで
の最高値を上回り、最も高い感染レベルが継続している。また、いったん減少あるいは高止まり傾向がみられた地域でも急激な増加が継続して
いる地域がある。一方、東京、神奈川、沖縄では、足下で減少傾向もみられる。また、高齢者施設における集団感染の急増と病床のひっ迫により
実質的に施設内療養者が増加している。さらに、全国的に感染者及び濃厚接触者の急増により、医療機関や福祉施設だけでなく、社会活動全
体への影響が継続している。
• 全国の年代別の新規感染者数は、10歳未満を除き全年代で増加に転じており、特に20代の増加幅が大きくなっている。一方で、これまでの傾向
と同様、新規感染者の急増から遅れて重症者・死亡者が増加しており、特に死亡者は急速な増加が継続しており、今後死亡者はこれまでの最高
値を超えて、さらに増加することが懸念される。
• 新規感染者の感染場所について、自宅の割合の増加傾向が継続し、学校等ではこれまでの減少傾向から増加傾向がみられる。また、事業所
(職場)の割合も20-60代で増加に転じている。(大都市部では積極的疫学調査が重点化され、感染経路の十分な把握がされていないことに留意
が必要)。
○今後の見通しと感染の増加要因・抑制要因について
• 今後の感染状況について、発症日のエピカーブや大都市における短期的な予測などでは、多くの地域で増加傾向あるいは高止まりが続く可能
性がある。今後は夏休みが終了し学校が再開する影響が出てくることも懸念される。早期に感染者数が減少する可能性は低く、医療提供体制の
厳しい状況が継続することが予想される。
• 感染者数に影響を与える主な要因としては、以下の要因が考えられる。
【ワクチン接種および感染による免疫等】3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、重症化予防効果に比較し、感染予防効果はより減
弱が進むことが明らかになっている。一方で、60代以上では、20−40代と比較して感染による免疫獲得は低く、また免疫の減衰についても指摘
されており、今後高齢者層への更なる感染拡大が懸念される。
【接触パターン】夜間滞留人口について、全体的には横ばい傾向で、足下では、東京や大阪など多くの地域で減少傾向で推移している。
【流行株】 BA.2系統の流行から、現在BA.5系統が主流となり、概ね置き換わっている。BA.5系統は、感染者数がより増加しやすいことが示唆され、
免疫逃避が懸念されるため、感染者数の増加要因となりえる。
【気候要因】 8月後半となったが高い気温の気候が続き、冷房を優先するため換気がされにくい場合もある。
○ 医療提供体制の状況について
• 全国的には、外来診療検査体制の負荷が増大するとともに、病床使用率については全国的に上昇または高止まりし、ほとんどの地域で5割を超
えている。重症病床使用率も東京と大阪では5割を超えている。一方で、自宅療養者・療養等調整中の数も多くの地域で高止まりするか増加傾
向が継続している。
• 沖縄県を含め全国的に、医療従事者の感染が増加していることにより、十分に人員を配置できない状態が継続し、一般医療を含めた医療提供
体制への負荷が長期化している。また、介護の現場でも、施設内療養が増加するとともに、療養者及び従事者の感染の増加により厳しい状況が
続いている。
• 検査の陽性率は高止まりが継続し、評価が難しい状況。また、症状がある人など必要な方に検査が適切に受けられているか懸念がある。
• 救急搬送困難事案については、全国の数値は減少したものの、地域によっては、依然として事案数の増加を認めており、注意が必要である。ま
た、猛暑日が続いた影響による救急搬送の増加にも十分な注意が必要である。
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