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別紙3 (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00041.html
出典情報 先進医療会議(第107回 2/4)《厚生労働省》
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様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:子宮内細菌叢検査
適応症:慢性子宮内膜炎疑い
内容:
(先進性)
子宮内膜マイクロバイオーム検査(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis;以下
EMMA)や感染性慢性子宮内膜炎検査(Analysis of Infectious Chronic Endometritis;以下
ALICE)が検査法は、採取された子宮内膜の検体から DNA を抽出した後に増幅し、次世代シー
クエンサー(new generation sequencer:NGS)を用い細菌の目印となる 16S リボソーム RNA
遺伝子の遺伝子配列を同定する検査である。子宮内に存在する菌は腟よりも菌量が大変少なく、
20~60%の細菌は培養では検出できないと言われているが、この技術を用いることで、細菌 Data
Bank に登録されている全ての菌種を同定することができ、子宮内膜細菌叢を分析し、培養不可
能な細菌も検出することが可能となる。EMMA は子宮内に存在する各細菌の分類および相対的
定量化も行い、存在する細菌の菌生バランスや存在量などを総合的に判断する。ALICE 検査が
陽性である患者は現在 CE の状態である、または CE となるリスクが高率であると判断される。
ALICE を行う意義としては、CE の原因となるうる細菌を早期に検出し、診断されずに放置され
る子宮内膜炎発症のハイリスク患者を見つけ出し、かつ個別化された治療を提案することであ
る。該当する細菌は、Enterobacteriaceae 属の Esherichia と Klebsiella、Enterococcus、
Chlamydia、Mycoplasma、Neiseria、Ureaplasma、Staphylococcus、Streptococus の9種が対
象となっている。
これまでの報告では慢性子宮内膜炎(Chronic Endometritis;以下 CE)や子宮内膜細菌叢の異
常は生殖補助医療を受けている患者では約 30%、さらに、反復着床不全(RIF)および 不育症
(RPL)患者での有病率は 60%に達すると言われている。現時点における CE の診断は、病理検
査・子宮鏡・細菌培養検査などにより総合的に判断がされており、CE の症例に対し子宮内膜掻
爬術などの外科的治療や抗菌薬投与等が治療として行われている。子宮内膜掻破術は複数回行う
と子宮内膜の菲薄化や癒着のリスクが上昇する。抗菌薬の長期投与の問題点としては耐性菌の出
現や常在菌である Lactobacillus 属の消滅が懸念される。EMMA/ALICE では NGS 技術を利用
し、これまで無菌と考えられていたほど少ない量の細菌について詳細に子宮内膜細菌を測定し、
子宮内が妊娠に適している状態かどうか細菌叢を検査する手段である。さらには細菌の特定によ
り広域抗菌薬の不必要な投与を避けることができ、患者への身体的・経済的負担の軽減、さらに
は菌交代現象の予防にも繋がる。適正な環境であるかどうかを判断し妊娠に向かうことは着床
率、妊娠継続率の向上と、流産率の低下が期待される。
<EMMA/ALICE の結果パターン>
検査のパターン

EMMA の結果

ALICE の結果

1

NORMAL

NEGATIVE

2

ABNORMAL

NEGATIVE

3

ABNORMAL

POSITIVE

9