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別紙1○先進医療実施医療機関からの報告について (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00058.html
出典情報 先進医療会議(第122回 6/8)《厚生労働省》
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責任者は当該医師の専門分野がぶどう膜炎ではなかったため、本検査を単独で行うことを
想定しておらず、またこの時期は新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い本先進医療へ
の組入が 6 カ月に 1 例程度と減少していたこと等から、診療科長と相談し当該医師を速や
かに研究分担者及び本先進医療技術の実施者として登録する必要性は低いと判断し、登
録を行わなかった。前房穿刺による前房水採取という行為は、従来の単一ウイルス同定法
もしくは本先進医療での検体採取時に広く行われており、頻度は少ないが、眼内炎や悪性
リンパ腫等の眼内腫瘍疾患の鑑別/確定診断等の際にも施行される。また、外来で短時間
に施行可能な手技で、感染対策並びに基本的な眼科手術手技を習得している医師であれ
ば安全に施行できるものであり、当該医師も通常診療で行う手技としての経験を有してい
たことから、研究責任者は速やかに当該医師に先進医療に対する説明を行った上で、研究
分担者に加えるべきであったが行わなかったことも要因と考える。
○ 当該医師は電子カルテの検査オーダー画面で前房水の PCR 検査項目を見つけチェック
を入れたが、「眼科先進医療遺伝子検査」と表示された先進医療の記載を見落とし、保険
診療と誤認し検査オーダーを登録した。採取した検体は当該医師が提出先を検査室受付
に電話で確認して細菌検査室に持参して提出していた。見落としの原因として、当該医師
の当日の外来患者数が多く、検査を急いで行う必要があったこと、先進医療のオーダーは
通常の一般診療のオーダーと同じように誰もが容易にオーダーをできる部位に格納されて
いたこと、また、細菌検査室に検体を提出する際に同意書の確認をしていなかった運用に
も要因があったと考える。
○ 本検査は、当院では以前より診療の一環として、採取した検体を他施設に送付し測定を
依頼していたが、平成 31 年に PCR 装置が設置された後は院内で測定を行っており、その
際には診療科内で共有されていた先述の「非承認版同意書」を使用していた。先進医療の
告示後は、「承認版同意書」を使用することとし、研究責任者は、当該文書を研究組織内で
共有するとともに、研究開始時のスタートアップミーティングで「承認版同意書」の使用を含
めた手順等を説明した。しかし電子カルテ内で両同意書が印刷可能な状態で混在していた
ため、一部の研究分担者が誤って「非承認版同意書」を使用し同意取得を行った。本先進
医療は頻繁に施行される検査ではなく、コロナ禍における組入患者数が極端に減少したこ
とも相まって運用方法が曖昧になっていたと考えられ、研究責任者が本検査運用に関する
フローチャートの作成や定期的なリマインドミーティングなどの対策を怠ったこと、研究責任
者が本先進医療組入被験者の「承認版同意書」の確認を速やかに行わず、研究組織内で
チェックを行う運用がなかったことも要因になったと考える。
4.当センター倫理審査委員会での審議及び意見
令和 5 年 2 月 13 日の当センター倫理審査委員会にて、研究分担者に登録のない医師が
先進医療技術を実施したこと及びインフォームド・コンセントの手続きを行わずに研究を実施
したことにより、倫理指針が規定する重大な不適合と判断された。現在、先進医療会議でも当
該事案を審議中であるため、当面の新規被験者組入れは見合わせること、同会議での審議
結果を報告することの指示があり、継続審査となっている。また、再発防止策として、現行の
研修等による教育に加え、研究者等の異動時期にあわせた注意喚起の強化、電子カルテ等
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