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資料3-10 野田先生提出資料 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第74回 3/2)《厚生労働省》
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3.集計定義の詳細及び結果解釈の留意点等

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3-1.新型コロナウイルス感染症との重症化率比較の可能性

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複数疾患の重症化率を比較する場合には、重症基準(分子)と患者集団(分母)の 2

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つを揃えることが必須である。NDB データセットは疫学的には後ろ向きコホートであ

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り、ある疾患の患者を匿名化された状態で直接追跡できるため、「同じ期間における患

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者数と重症者数を比較する」といった間接的な比較手法よりも高い正確さを有するのが

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利点である。一方で、レセプトデータを用いて疾患定義・重症化定義を行う特殊性があ

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り、NDB 以外のデータとの比較には注意を要する。本研究では、重症化の基準を新型

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コロナウイルス感染症の基準にできるだけ対応させる設計に留意した。

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重症基準としては、本研究の重症及び中等症の基準は新型コロナウイルス感染症の重

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症及び中等症 II の基準にほぼ対応している。新型コロナウイルス感染症の重症例では体

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外式膜型人工肺(ECMO)の使用やハイケアユニットの使用などがみられる点が今回の

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インフルエンザでの基準とは異なるが、それらが通常の季節性インフルエンザの重症化

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ケースに使用される率は少ないと思われ、「季節性インフルエンザの重症化率」との観

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点では大きな誤差をもたらすものではないと考えられる。

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また、本研究では、重症化指標のひとつとして、全死亡や全入院を採用した。季節性

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インフルエンザを直接の原因とする死亡や入院に限定しなかった理由としては、レセプ

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トデータの特性による限界もあるが、新型コロナウイルス感染症において、新型コロナ

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ウイルス陽性者の死亡を「新型コロナウイルス感染症による死亡」とするなどの対応が

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とられていたことに対応した基準設計でもある。今回の NDB 集計は、死亡は全死亡で

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あり、インフルエンザ関連の死亡のみとは限らない点に留意が必要である。

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患者集団の観点からは、いわゆるトリートメントギャップの違いに留意する必要があ

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る。トリートメントギャップは患者が医療機関等を受診しない割合を指し、治療ギャッ

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プの大きな疾患では未受診の患者が多くなる。NDB は医療機関に受診した患者だけが

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対象であるため、トリートメントギャップの大きな疾患においては、NDB による重症化

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率の算定は真の値よりも大きくなる。2022 年 1 月(オミクロン株)以前においては、無

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症状や軽症でも積極的に受診が行われ、新型コロナウイルス感染症のトリートメントギ

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ャップは季節性インフルエンザより小さかったと考えられる。このように、インフルエ

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ンザと新型コロナウイルス感染症はトリートメントギャップが異なるため、指標の分母

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に受診者数を採用する手法(本研究もその一つである。)では、真の患者数の捕捉率に

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差が生じ、正確な比較は難しくなる。この問題を軽減する手法として、「人口あたりの

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重症化した年間患者数」(人口あたり絶対リスク)を併せて算出することで比較可能性

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が高まると考えられる(表 8)


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