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資料3-10 野田先生提出資料 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第74回 3/2)《厚生労働省》
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(解説)
感染症の重症化率は年齢による差が大きい。本集計は、季節性インフルエンザにおけ
る重症化等の各指標の発生率(罹患率)を年齢階級別に示したものである。

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受診後 28 日以内死亡の発生は全年齢(総計)では 0.09%であったが、若年・中年層

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では 100 名未満の発生で、28 日以内の致死率も 0.05%未満であった。しかし、高齢者、

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特に 80 歳以上では致死率が 1%を超え、90 歳以上では受診者の 30 人に 1 人が 28 日以

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内に死亡するなど、高齢者には季節性インフルエンザは生命の脅威となる疾患であるこ

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とが全国的な大規模調査でも示された。

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重症(ICU 利用または人工呼吸器装着)も同様の傾向だが、80 歳以上では死亡者よ

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りも重症者の数が少ない。これは、インフルエンザに罹患した後、ICU 利用や人工呼吸

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器装着を経ずに死亡する例が一定数存在することを示唆している。

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「死亡または重症」では、60 歳以上で発生率が 0.1%を超えており、80 歳以上では

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1%を超えていた。なお、
「死亡または重症」は死亡と重症化のいずれかが発生した患者

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である。重症化後に死亡した患者はダブルカウントせずに「1 人」とする集計上の工夫

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をおこなっている。そのため、「死亡または重症」は死亡と重症の単純合計よりも小さ

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な値となっている。

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中等症は、受診してから 28 日以内に、ネーザルハイフローの使用、NPPV(非侵襲的

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陽圧換気療法)の使用、酸素投与療法の実施のいずれかに該当した患者である(新型コ

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ロナウイルス感染症における中等症 II におおむね対応している)
。中等症の発生は、全年

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齢では 0.51%であり、若年層では 0~9 歳でわずかに高いが、顕著な増加が認められる

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のは 65 歳以上である。

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神経症状(インフルエンザ脳症の主傷病名かつ CT/MRI/脳波検査実施)は、インフル

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エンザ脳症を念頭において集計された項目である。インフルエンザの受診後 28 日以内

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にインフルエンザ脳症と思われる神経症状を呈した患者は年間 500 名程度であり、小

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児での罹患率が高い。小児では、年齢が上がるにつれて罹患率が下がっており、既存の

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報告と同じ傾向である。

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受診後 28 日以内の全入院は、全年齢で 1.62%発生しており、0~9 歳と 55 歳以上で

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1%を超えていた。特に 80 歳以上では 1 割を超えており、入院率が高い疾患である。な

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お、本集計ではもともと入院していた患者は全入院の定義からは除外されているため(3

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-2 の「重複カウントの除外」を参照)、外来または介護施設の入所者等を対象とすれば

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実際の入院率は表 4 の表記よりも高いと考えられる。

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付記するが、前述の表 1 は表 4 の総計行と同一内容であり、表 2 は表 4 の年齢階級
行からの抜粋である。

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