よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料4_今後のがん研究のあり方について(報告書)(平成 25 年8月) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35452.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第15回 9/27)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

3.求められる研究
これまで「第3次対がん10か年総合戦略」において取り組んで来たがんの
死亡率を減少させるための治療法開発について、今後もより一層強力に推進す
ることが必要である。
加えて、ライフステージや個々のがんの特性に即し、患者とその家族のニー
ズに応じて、患者の負担を軽減した低侵襲な治療法や苦痛を軽減するための治
療法の開発に新たに取り組むことが求められる。
さらに、予防と早期発見に関する研究に今まで以上に取り組むとともに、こ
れまで取り組んできたがん患者の QOL に関する研究から一歩進み、社会のあり
方も含め充実したサバイバーシップを実現するための研究に取り組むことが求
められる。

(1)がんの本態解明に関する研究
がんの本態解明はがん克服の根幹であり、がん生物学としての基礎研究と、臨
床応用を強く意識したがん研究が融合しながら推進されることが必須である。が
んが発生し、治療抵抗性等の生物学的悪性度を獲得しながら、浸潤、転移をして
いく多段階過程の分子機構の全貌を明らかにし、がん予防の確立やがん医療の開
発のために、その理解を基盤として、適切で革新的な治療や予防の介入点を同定
することが強く求められている。そのためには個別のがん関連分子の同定・解析
に留まらず、各分子が構成するシステムの破綻としてがんを理解する必要がある。
がんの本態を構成する病理学的特性、生化学・代謝系特性、免疫学的特性、幹細
胞性等を含む多様性・可塑性等の生物学的特性を、がんと宿主(患者)の相互作
用の観点を交えて明らかにすることで、広く生命現象の根幹に関わるがんの本態
を深く理解し、得られる知見に基づいて、がんの発生・進展を強力に制御するこ
とのできる予防法や治療法の開発につなげることが求められる。これを実現する
ためには、従来からの学問領域に加えて、iPS 細胞等の幹細胞生物学等、異分野
の知識や技術を積極的に取り入れることで研究の新たな切り口を創成し、世界を
主導する優れたがんに関する知の創出を実現することが重要である。
(具体的研究事項)
ⅰ 未知の内的・外的な発がん要因の同定などがん発生の原因と、その形質の
維持機構を究明する研究
ⅱ 浸潤、転移をはじめとするがん細胞の生物学的特徴に基づくがんの発生・
進展機構を解明する研究
9