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05 参考資料1-2 13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)ファクトシート (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》 |
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4.総合的評価
(1) 疾病負荷の評価
わが国の 2013〜2014 年の感染症発生動向調査による 65 歳以上の高齢者における IPD の罹
患率は 2.85(/10 万人・年)であり、届け出時点での致命率は 9.1%である(12)。また、2011
〜2013 年に実施された国内の市中発症肺炎の疫学調査によれば、市中発症肺炎の罹患率の推
定値(95%信頼区間)は 1000 人・年あたり 16.9(13.6-20.9)である(14)。とりわけ 65 歳以上の
高齢者では 1000 人・年あたり 42.3 とされている。
また、わが国の小児に対する PCV7 導入後にみられた成人 IPD 患者及び市中発症肺炎患者
の原因菌の血清型分布において、PCV7 に含まれる血清型の減少と PCV7 に含まれない血清型
の増加が認められた。小児における PCV7 導入に伴う集団免疫効果に起因すると考えられる
血清型置換が起こっている。最近のわが国の 65 歳以上の高齢者における IPD 及び市中発症
肺炎球菌性肺炎患者の原因菌の PCV13 及び PPSV23 に含まれる血清型の割合は、IPD でそれぞ
れ 46.0%,66.5%,及び市中発症肺炎球菌性肺炎で 54%, 67%であった(14,26)。2013 年 11 月に
小児の定期接種ワクチンが PCV7 から PCV13 に置き換わったことから、今後も 65 歳以上の高
齢者における IPD 及び市中発症肺炎球菌性肺炎の原因菌の PCV13 及び PPSV23 に含まれる割
合は減少することが予想され、原因菌の血清型分布の推移を監視する必要がある。
(2)ワクチンの評価
オランダで実施された CAPiTA 試験において、PCV13 は 65 歳以上の高齢者におけるワクチ
ン血清型による菌血症を伴う市中肺炎を 45.6%予防し、ワクチン血清型による菌血症を伴わ
ない市中肺炎を 45.0%予防し、さらにワクチン血清型による IPD を 75.0%予防した。また、
PCV13 によるワクチン血清型による市中肺炎の予防効果は約 4 年間持続した。しかしながら、
PCV13 接種のすべての原因による市中肺炎に対する効果及び肺炎球菌性肺炎あるいは IPD に
よる死亡の抑制効果は認められなかった(38)。
これまでに 65 歳以上の高齢者を対象とした PCV13 の臨床効果に関する検討は、国内外で
CAPiTA 試験以外の臨床試験は実施されていない。しかしながら、本試験は PCV13 接種群との
プラセボ対照比較試験であったため、PCV13 と PPSV23 の臨床効果を直接比較することはでき
ない。
ワクチンの安全性に関して、
国内外における PCV13 および PPSV23 接種後の臨床試験では、
いずれの場合でも予防接種と因果関係を認める死亡例等の重篤な副反応は報告されていな
い。海外での肺炎球菌ワクチン未接種の 60~64 歳の年齢群では局所及び全身反応はほぼ同
等、70 歳以上の PPSV23 既接種者では PCV13 接種群より PPSV23 接種群において局所及び全身
反応が有意に多かった。
わが国では 2014 年 6 月に 65 歳以上の高齢者に対して PCV13 の適用が拡大され、2014 年
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(1) 疾病負荷の評価
わが国の 2013〜2014 年の感染症発生動向調査による 65 歳以上の高齢者における IPD の罹
患率は 2.85(/10 万人・年)であり、届け出時点での致命率は 9.1%である(12)。また、2011
〜2013 年に実施された国内の市中発症肺炎の疫学調査によれば、市中発症肺炎の罹患率の推
定値(95%信頼区間)は 1000 人・年あたり 16.9(13.6-20.9)である(14)。とりわけ 65 歳以上の
高齢者では 1000 人・年あたり 42.3 とされている。
また、わが国の小児に対する PCV7 導入後にみられた成人 IPD 患者及び市中発症肺炎患者
の原因菌の血清型分布において、PCV7 に含まれる血清型の減少と PCV7 に含まれない血清型
の増加が認められた。小児における PCV7 導入に伴う集団免疫効果に起因すると考えられる
血清型置換が起こっている。最近のわが国の 65 歳以上の高齢者における IPD 及び市中発症
肺炎球菌性肺炎患者の原因菌の PCV13 及び PPSV23 に含まれる血清型の割合は、IPD でそれぞ
れ 46.0%,66.5%,及び市中発症肺炎球菌性肺炎で 54%, 67%であった(14,26)。2013 年 11 月に
小児の定期接種ワクチンが PCV7 から PCV13 に置き換わったことから、今後も 65 歳以上の高
齢者における IPD 及び市中発症肺炎球菌性肺炎の原因菌の PCV13 及び PPSV23 に含まれる割
合は減少することが予想され、原因菌の血清型分布の推移を監視する必要がある。
(2)ワクチンの評価
オランダで実施された CAPiTA 試験において、PCV13 は 65 歳以上の高齢者におけるワクチ
ン血清型による菌血症を伴う市中肺炎を 45.6%予防し、ワクチン血清型による菌血症を伴わ
ない市中肺炎を 45.0%予防し、さらにワクチン血清型による IPD を 75.0%予防した。また、
PCV13 によるワクチン血清型による市中肺炎の予防効果は約 4 年間持続した。しかしながら、
PCV13 接種のすべての原因による市中肺炎に対する効果及び肺炎球菌性肺炎あるいは IPD に
よる死亡の抑制効果は認められなかった(38)。
これまでに 65 歳以上の高齢者を対象とした PCV13 の臨床効果に関する検討は、国内外で
CAPiTA 試験以外の臨床試験は実施されていない。しかしながら、本試験は PCV13 接種群との
プラセボ対照比較試験であったため、PCV13 と PPSV23 の臨床効果を直接比較することはでき
ない。
ワクチンの安全性に関して、
国内外における PCV13 および PPSV23 接種後の臨床試験では、
いずれの場合でも予防接種と因果関係を認める死亡例等の重篤な副反応は報告されていな
い。海外での肺炎球菌ワクチン未接種の 60~64 歳の年齢群では局所及び全身反応はほぼ同
等、70 歳以上の PPSV23 既接種者では PCV13 接種群より PPSV23 接種群において局所及び全身
反応が有意に多かった。
わが国では 2014 年 6 月に 65 歳以上の高齢者に対して PCV13 の適用が拡大され、2014 年
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