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別紙3○先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00066.html
出典情報 先進医療会議(第129回 2/8)《厚生労働省》
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き、術後補助化学療法としての保険適用が得られているが、その根拠となった研究は、おもに欧
米の患者を対象としている。欧米においては、本研究の対象である切除可能進行食道癌に対する
術前治療が術前化学放射線療法(本邦では術前化学療法)であること、本邦と欧米では、食道切
除後の成績が大きく異なることから、欧米において術後に追加することが望ましいとされた術後
補助化学療法が、本邦の手術後にも有用かは明らかではなく、現行の食道癌診療ガイドライン
(2022 年版)においても、術後ニボルマブ療法については、推奨を決定することはできないとさ
れている。
従って、あくまでも本邦における標準治療は、術後無治療経過観察であり、術後補助化学療法に
ついては、術後の全身状態、手術検体の病理診断などにより、患者と主治医チームの相談にもと
づき、1 つのオプションとして、総合的に実施の有無を判断する必要があるのが現状である。
本試験において、術後 1 ヵ月時点で ctDNA 陰性の場合、過去の研究にもとづき再発率が非常に
低いことが示唆されるため、術後補助化学療法を行うかを行う際の有力な判断の材料の 1 つにな
ると考えられる。
一方で、術後 1 ヵ月時点で ctDNA 陽性の場合、過去の研究にもとづき再発率が高いことが示唆
されるため、術後補助化学療法の施行判断の材料の 1 つになると考えられるが留意点として、再
発率が高いと見込まれる患者に、現在保険診療で行うことができる術後補助化学療法を行うこと
で、再発率を抑制することができるという知見は未だ確立されていないため、ctDNA を用いて
再発率を示すことは、あくまでも判断材料の 1 つを一定の信頼性をもって提供できるという点が
利益となる。
また、食道癌の手術後には、術後再発の有無を評価するために、4-6 ヵ月ごとの CT 検査や血液
腫瘍マーカー検査を行うが、再発リスクが高いと判断された場合には、再発を早期に発見するた
めに、検査間隔を短縮するという判断材料の 1 つになると考えられる。一方で、検査間隔を短縮
することが、最終的に、治療成績を向上させるかの知見は確立されていないため、総合的判断を
要する。
現在の食道癌診療において、術後再発率を高精度に予測することができる指標は大変限られて
いることから、ctDNA による再発リスクを患者に提供することは、その後の治療、検査スケジュ
ールの調整に有用であると考えられる。
(先進医療にかかる費用)
本技術に係る総費用は 360,301 円である。先進医療に係る費用は検査 1 回あたり 218,930 円
で、患者負担額は 261,341 円である。

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