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06【資料3-2】ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会の報告書 (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24678.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会(第27回 3/23)《厚生労働省》 |
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第2章
ワクチンの偏在や不足に関する主な事例とワクチ
ン流通情報モニタリングの必要性
ワクチンの偏在や不足に関する問題は過去から繰り返し生じていた(図表 2-1)
。も
しワクチンの流通情報のモニタリングが行われていれば、事態の悪化を防ぐととも
に、ワクチンの偏在や不足又はそれらに伴って生ずる悪影響を早期に改善できた事例
は少なからずあったと考えられる。
2017 年から 2018 年にかけて発生した日本脳炎ワクチンの不足に係る事例を取り上
げる。日本脳炎ワクチンについては、2016 年 4 月から、それまで定期接種が実施され
ていなかった北海道において日本脳炎ワクチンの定期接種が実施されることとなった
ことに加え、9 歳に達した者に対して第 2 期の積極的な勧奨が再開された。一方で、
日本脳炎ワクチンの製造販売業者(ワクチンメーカー)の 1 つであった一般財団法人
化学及血清療法研究所2(以下「化血研」という。
)の工場が 2016 年 4 月に発生した熊
本地震により被災した。工場の稼働が止まって日本脳炎ワクチンが一定期間供給され
ない見込みであったものの、上記のワクチン接種の需要を適切に見込むことができな
いまま、当初、化血研は日本脳炎ワクチンの安定供給が引き続き可能であるという発
表を行い、厚生労働省もその発表を受けて日本脳炎ワクチンが不足しない旨を発表し
た。しかしながら、2017 年 5 月に、化血研は、日本脳炎ワクチンの供給に関する情報
を更新し、一定期間、供給がなされない見込みを公表した。その後、2017 年 11 月
に、厚生労働省は、各都道府県に対し、日本脳炎ワクチンの円滑な流通に役立てても
らうため、特例的な対応として、日本脳炎ワクチンの納入実績を月別に整理した情報
を提供することとしたが、対応は後手に回っていた。2018 年 1 月に、化血研が日本脳
炎ワクチンの供給を再開する見込みであることを公表したが、2017 年 4 月から 8 月ま
での第1期の初回予防接種実施率が前年同時期に比べて約 8.5%低下した。日本脳炎ワ
クチンの流通量等をモニタリングできていれば、第 1 期分の需要を賄えるのか把握す
ることが可能となるため、第 2 期の接種対象者より優先して第 1 期の接種対象者に接
種を行うなどの措置を講じることによって、第 1 期の初回予防接種実施率の低下を回
避することができた可能性もある。
2
化血研の事業は、2018 年に KM バイオロジクス株式会社に譲渡された。
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ワクチンの偏在や不足に関する主な事例とワクチ
ン流通情報モニタリングの必要性
ワクチンの偏在や不足に関する問題は過去から繰り返し生じていた(図表 2-1)
。も
しワクチンの流通情報のモニタリングが行われていれば、事態の悪化を防ぐととも
に、ワクチンの偏在や不足又はそれらに伴って生ずる悪影響を早期に改善できた事例
は少なからずあったと考えられる。
2017 年から 2018 年にかけて発生した日本脳炎ワクチンの不足に係る事例を取り上
げる。日本脳炎ワクチンについては、2016 年 4 月から、それまで定期接種が実施され
ていなかった北海道において日本脳炎ワクチンの定期接種が実施されることとなった
ことに加え、9 歳に達した者に対して第 2 期の積極的な勧奨が再開された。一方で、
日本脳炎ワクチンの製造販売業者(ワクチンメーカー)の 1 つであった一般財団法人
化学及血清療法研究所2(以下「化血研」という。
)の工場が 2016 年 4 月に発生した熊
本地震により被災した。工場の稼働が止まって日本脳炎ワクチンが一定期間供給され
ない見込みであったものの、上記のワクチン接種の需要を適切に見込むことができな
いまま、当初、化血研は日本脳炎ワクチンの安定供給が引き続き可能であるという発
表を行い、厚生労働省もその発表を受けて日本脳炎ワクチンが不足しない旨を発表し
た。しかしながら、2017 年 5 月に、化血研は、日本脳炎ワクチンの供給に関する情報
を更新し、一定期間、供給がなされない見込みを公表した。その後、2017 年 11 月
に、厚生労働省は、各都道府県に対し、日本脳炎ワクチンの円滑な流通に役立てても
らうため、特例的な対応として、日本脳炎ワクチンの納入実績を月別に整理した情報
を提供することとしたが、対応は後手に回っていた。2018 年 1 月に、化血研が日本脳
炎ワクチンの供給を再開する見込みであることを公表したが、2017 年 4 月から 8 月ま
での第1期の初回予防接種実施率が前年同時期に比べて約 8.5%低下した。日本脳炎ワ
クチンの流通量等をモニタリングできていれば、第 1 期分の需要を賄えるのか把握す
ることが可能となるため、第 2 期の接種対象者より優先して第 1 期の接種対象者に接
種を行うなどの措置を講じることによって、第 1 期の初回予防接種実施率の低下を回
避することができた可能性もある。
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化血研の事業は、2018 年に KM バイオロジクス株式会社に譲渡された。
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