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資料1_今後の医学教育の在り方に関する検討会 第二次中間取りまとめ案 (11 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/124/mext_00013.html
出典情報 今後の医学教育の在り方に関する検討会(第10回 5/17)《文部科学省》
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2.今後の医学研究の充実に向けた取組
(1) 我が国の医学研究の現状と分析
(論文数の分析からみる医学研究)
○ 我が国の臨床医学分野における Top10%論文数は、2019-21 年の平均論文数 500 編以
上の 53 か国中で8位であるが、人口当たりでは 26 位となり、先進国で最低水準にあ
る。また、基礎医学分野における Top10%論文数は、2019-21 年の平均論文数 200 編以
上の 61 か国中で8位であるが、人口当たりでは 28 位となり、こちらも先進国で最低
水準13にあり、両分野で顕著な論文数の増加が見られる米国や中国をはじめ、諸外国
との比較においては、研究面での地位の低下が続いているとの分析がある。


このような状況は、我が国の医学研究の中核的な機関である大学・大学病院の研究

力の低下を反映しているとの指摘もあり、博士課程学生の増加も含めた研究者育成の
推進や、診療への従事の一方での研究時間の確保をはじめとした研究環境の整備等、
あらゆる施策を講じることで改善を図っていくことが急務である。


なお、我が国の臨床医学分野における論文数と、医学系の大学院博士課程入学者数

は、国公私立の別を問わず相関することが認められる。また、医師1人当たり手術件
数が多い大学ほど、医師1人当たり論文数が少なく、Q1 論文率14が低くなっていると
の分析 10 もある。こうしたことから、診療の負担が大きいほど、論文の量及び質が低
下する可能性があることが示唆される。
(2) 医学研究に携わる人材育成の推進
(医学研究に携わる人材育成の必要性)


我が国の臨床医学論文の 70%は大学から産出されている15ことからも明らかなよう

に、大学は我が国の医学研究を牽引する役割を果たしている。特に、大学病院では最
先端の医療設備等を活用するものを含む先進的で高度な研究が行われており、この点、
他の病院にはない大学病院の魅力となっている。


我が国の医学研究の上記のような現状を打破するため、医学研究に携わる人材の育

成をより強力に進めていくことが必要である。
(医学部定員における研究医枠の設置)
○ 平成 22 年度より、医学部の臨時的な定員増の一環として、他大学と連携し基礎医学
及び社会医学に関する優れた研究者の養成を重点的に担おうとする場合に限り、3名

13

今後の医学教育の在り方に関する検討会(第6回・令和6年1月 24 日)資料1(鈴鹿医療科学大
学 豊田長康氏提出資料)より。
14
ジャーナル・インパクトファクター上位4分の1の学術誌に掲載された論文の割合をいう。
15
我が国の組織区分別臨床医学論文割合(科学技術・学術政策研究所調べ)
大学:70% 国立研究開発法人等:8% その他:22%

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