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今後の医学教育の在り方に関する検討会 第二次中間取りまとめ (14 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/124/toushin/mext_00004.html
出典情報 今後の医学教育の在り方に関する検討会 第二次中間取りまとめ (6/10)《厚生労働省》
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(大学院博士課程の魅力向上に向けた諸論点②標準修業年限と学位審査の方法)


医学系の大学院博士課程の標準修業年限は4年とされているが、4年での学位取得

率は大学によって大きな差がある。学位の取得のみが大学院に進学することの目的で
はないとはいえ、一つの到達点として目標となっている面はある。


こういった差が生じる背景として、論文の雑誌掲載を学位審査の要件としているか、

シーシス(いわゆる学位請求論文。thesis)による学位審査を取り入れているかとい
った点が指摘し得る。そもそも論文作成に相当の期間が必要となっている中、雑誌掲
載までには年単位で時間を要する場合もあるとされる一方、シーシスによる学位審査
では、雑誌掲載の可否によらず、学位授与に値する研究成果が得られているかどうか
を判断することとなる。


いずれの方法により学位審査を行うにせよ、研究の成果物としての質の担保が行わ

れることが重要である。学位の質担保の手段として、学術雑誌への掲載を条件とする
ことにも有用性は認められる一方、標準修業年限内の修了が優先されるあまり、学位
の質が顧みられなくなっては本末転倒であるが、論文の雑誌掲載までの期間が長期化
していること等を踏まえれば、シーシスによる学位審査にも一定の合理性があると考
えられる。


医学系の大学院博士課程には、医師として診療業務に従事している者も社会人大学

院生として多数在籍しており、こうした者が標準修業年限を超えて大学院生として研
究活動を続けようとすると、経済的な観点も含めて医師としての業務とのエフォート
配分の再考を迫られる可能性があるなど、長期にわたって研究を継続することが困難
な場合が生じ得ることにも留意が必要である。


いずれにせよ、学位の取得も含め、大学院での研究活動等を通じてトランスファラ

ブルスキル19を修得した医師が広く育成され、継続的に研究に取り組むことで、将来
の医学研究、ひいては医療の進歩に貢献し、またその成果が教育にも還元されること
で、次代の人材育成にもつながる好循環が実現していくことが望ましいと考えられる。
(大学院博士課程の魅力向上に向けた諸論点③指導体制・教育内容の充実、経済的支援等)


大学院生の直接の指導に当たることの多い若手の教員が、同時に臨床実習の指導や、

研修医や専攻医の指導を担っている場合もあり、大学院への進学者の増加に向けた取
組を進めることと並行して、指導体制の見直しを図ることも考えられる。

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研究を行う上で学んだスキルの中で、研究であれ、ビジネスであれ、今後の就業先において有効に
活用できるようなスキル(欧州科学財団報告「Research Careers in Europe Landscape and
Horizons」より)


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