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今後の医学教育の在り方に関する検討会 第二次中間取りまとめ (2 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/124/toushin/mext_00004.html
出典情報 今後の医学教育の在り方に関する検討会 第二次中間取りまとめ (6/10)《厚生労働省》
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た、生涯にわたる研鑽を通じて獲得していくことが必要である。


医療の高度化・複雑化によって、医師が修得すべき知識・技能が増加していること

や、高齢化・疾病構造の変化・医師患者関係の変化等に伴い、患者や他の医療者との
コミュニケーション等を含むプロフェッショナリズム教育の重要性が増していること
などから、卒前教育においても医学生が診療に参加し、卒前・卒後の医師養成を、医
療現場を中心として一貫して行う必要性が認識されてきた3。


診療参加型臨床実習は、学生が診療チームに参加し、その一員として診療業務を分

担しながら医師の職業的な知識・思考法・技能・態度の基本的な部分を学ぶことを目
的としている。診療参加型臨床実習の実施・改善にあたっては、その趣旨が、単なる
知識・技能の修得や診療の経験にとどまらず、実際の患者を相手にした診療業務を通
じて、医療現場に立った時に必要とされる診断及び治療等に関する思考・対応力等を
養うことにある点に留意する必要がある4。こうした観点から、6年間にわたる医師養
成課程の最終的な仕上げの位置付けである診療参加型臨床実習の推進と充実は重要で
ある。
○ 2021(令和3)年の医師法(昭和 23 年法律第 201 号)の改正により、医学生に対す
る共用試験が公的化され、共用試験の合格を医師国家試験の受験資格要件とするとと
もに、同試験に合格した医学生が、臨床実習において、医師の指導監督の下、医業を
行うことができることが明確化された。


このように、臨床実習における医行為が法的にも許容される中で、大学病院の人的

リソースに制約が生じている状況を踏まえれば、各診療科が、臨床実習中の医学生を
診療チームの一員として受け入れることで、診療参加型臨床実習の推進につながるこ
とが考えられる。また、その際、臨床実習のどのような場面で、学生に具体的にどの
ような役割を与えるのか明確にしていくことが求められる。


他方、当然ながら患者安全上の配慮は必要であり、臨床実習開始前及び臨床実習中

にも、学生にシミュレーション教育で十分な経験を積ませることが求められる。その
上で、実際の患者を相手にした診療業務を通じて、医療現場で必要とされる診断及び
治療などに関する思考・対応力を養うことが期待される。


今後、診療参加型臨床実習が更に充実し、卒後に控える臨床研修の内容に相当する

学修が広く実施されるようになれば、臨床研修の内容等についてもそれに応じて検討
される必要があり、国は、関係省庁で連携して状況を注視していくべきである。
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4

厚生労働省医道審議会医師分科会報告書(令和2年5月)より。
診療参加型臨床実習実施ガイドライン(医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂
版)
)より。

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