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資料3-1-1 医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表[407KB] (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41653.html |
出典情報 | 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和6年度第1回 8/1)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
10 インフルエンザ
11 ウシ結核
12 ウシ結核
13
コロナウイルス感
染
14 サルモネラ症
出典
概要
Viruses. 15(2023)1219
A(H1N1)pdm09の蔓延により、ヒトからブタへの感染が頻発し、さまざまな新しい再集合体ウイル
スが出現したため、疫学が変化した。本研究では、アフリカにおける養豚生産の中心地であるナイ
ジェリアの複数の農場において、養豚労働者(農場主、作業員、販売者)とその家畜との接点にお
けるA型インフルエンザウイルスの伝播レベルを推定し、その特徴を明らかにすることを目的とし
た。2013年から2014年にかけて採取されたブタの血清サンプルの24.6%(58/236)が、ワクチン接
種プログラムがない場合にも抗インフルエンザA抗体を有していたが、RT-qPCRによるとブタスワ
ブ(n=1193)にはA型インフルエンザウイルス陽性と判定されたものはなかった。ウイルスRNA
は、勤務先でサンプリングされた養豚労働者の0.9%(2/229)から検出され、菌株はA(H1N1)
pdm09及び季節性A(H3N2)であった。今回の結果は、感染している養豚労働者が、ブタへのウイ
ルス供給源となっている可能性があることを改めて示している。この結果から、動物及び公衆衛生
に対する逆人獣共通感染症の影響について、養豚労働者の認識を高めることが必要であることが
浮き彫りになった。年1回のワクチン接種とインフルエンザ様症状発生時のマスク着用はインフル
エンザの種間伝播を減少させるのに役立つと考えられ、またサーベイランスは早期発見のために
十分にサポートされるべきである。
Mikrobiyol Bul.
57(2023)473-480
生後5ヵ月の男児が生後から発熱のない咳が続くため入院し、X線検査で左上葉と右心膜に浸潤
が認められた。肺炎の予備診断で抗生物質治療が開始されたが、2週間後も患者の症状は改善
しなかった。その後、気管軟化症、右上葉のコンソリデーション、腫瘤等が認められた。連続3日間
の絶食胃洗浄液を検査室に送り、耐酸性桿菌検査、PCR及び培養検査を行った。臨床所見が一
致し、PCRが陽性であったため、抗結核4剤併用療法が開始されその後患者の所見は改善した。
培養でウシ型結核菌が増殖し、また、患者が生乳を摂取していたことが判明した。ウシ結核と診断
され、後にこの患者の家族はウシの乳を煮沸せずに患者に与えたことが分かった。
ProMED-mail
20230705.8710974
カナダ・サスカチュワン州から輸出され米国で飼育されていた未経産のウシがウシ結核陽性となっ
た。その間に接触した他の個体は屠殺された。他の牧場に移された個体はないことが確認され
た。これらの対応により結核の拡大防止を確実にした。結核(TB)は動物と人間の両方に影響する
伝染病で、家畜から人間や他の動物に伝染する可能性がある。通常、感染したウシは無症候性
であり、皮膚検査又は全国屠殺監視プログラム中の屠殺時にのみ検出される。TBは主に、動物
同士の鼻と鼻の接触による吸入、又は汚染された飼料や水の摂取によって広がる。TBが群れで
見つかった場合、頭数を減らすか、検査で陽性となった個体を除くことによってTBは排除できる。
1917年より米国畜産局は、ウシTBの人間と家畜への影響を懸念し、全国的なTB根絶プログラム
を開始した。このプログラムは屠殺時の検査で陽性が確認された場合、関連する地域の家畜や野
生生物の個体群で追跡され、適宜当局が介入することを許可するものである。
International Journal of
Infectious Diseases.
131(2023)7-12
COVID-19パンデミック当時、コロナウイルスの古代性は未解明のままであった。コロナウイルスの
直接診断と古生物学的診断のために、16世紀にフランスで埋葬された個人を調査した。2011年か
ら2012年にかけて行われたフランス、ボーム=レ=メシエールのサン=ピエール修道院の発掘調
査により、13世紀から18世紀にかけての12人の骸骨が発見された。歯髄から抽出した全タンパク
質を、陰性対照と並行して、SARS-CoV-2、ヒト関連コロナウイルス(HCoV)229E、OC43抗原を
ターゲットとした微生物古生存学、及びメタプロテオミクスを用いたコロナウイルスペプチド研究に
供した。16世紀頃に埋葬された2人の遺体から採取された歯髄から、コロナウイルスを示す36アミ
ノ酸からなる3つのペプチド配列が検出され、古脊椎動物学的に現代のSARS-CoV-2とHCoV229Eに対する特異的な免疫学的反応が確認された。血清学的及びプロテオーム学的証拠から、
現代のコロナウイルスに対する反応性を持たないベータコロナウイルスが16世紀に集団に感染し
ていたことが示され、コロナウイルスの古代性が3世紀以上延長された。歴史的、古生物学的、古
プロテオミクス的データから、この2人と家畜のブタ、ウシ、家禽との密接な接触が示唆され、古代
の人獣共通感染症コロナウイルスであることが示唆された。コロナウイルスは、現在進行中のコロ
ナウイルス2019が発生するよりはるか以前から、集団にとって望ましくない存在であった。
ProMED-mail
20230711.8711081
Washington州Seattle/King郡当局が、Salmonella [enterica serotype] Bertaによる集団感染につ
いて調査している。患者の3分の1が入院を必要としている。Seattle郡そしてKing郡公衆衛生局
は、2023年7月10日に発生の調査を発表した。発生した患者6人全員が、全ゲノム配列決定法によ
る検査を受け、特定の型のサルモネラ菌に感染していることが判明した。保健局によると、検査の
結果、患者全員が同じ感染源から感染した可能性が高いことが示され、患者の症状発現期間は、
2023年4月12日から2023年6月5日迄である。公衆衛生局は、サルモネラ症に罹患した人々に聞き
取り調査を実施し、共通の曝露の可能性を特定し、いくつかの共通の曝露は豚肉と魚介類である
ことを確認した。環境衛生調査官は、2023年6月21日に食肉製品の追跡を開始した。彼らは何人
かの人々が、食品を入手した様々な場所から請求書を集め、検査を実施した。同局の発生通知に
よれば、「共通の場所や感染源は特定されていない」という。調査は継続中である。患者は別々の
世帯に住んでおり、年齢は2歳から65歳までと幅広い。公衆衛生局によれば、全員が吐き気、嘔
吐、腹部痙攣、下痢、血便、発熱、悪寒など、サルモネラ症と一致する症状を1つ以上発症してい
る。ProMEDは、この食中毒病原体の感染範囲と感染経路に関する更なる情報を待っている。
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感染症(PT)
10 インフルエンザ
11 ウシ結核
12 ウシ結核
13
コロナウイルス感
染
14 サルモネラ症
出典
概要
Viruses. 15(2023)1219
A(H1N1)pdm09の蔓延により、ヒトからブタへの感染が頻発し、さまざまな新しい再集合体ウイル
スが出現したため、疫学が変化した。本研究では、アフリカにおける養豚生産の中心地であるナイ
ジェリアの複数の農場において、養豚労働者(農場主、作業員、販売者)とその家畜との接点にお
けるA型インフルエンザウイルスの伝播レベルを推定し、その特徴を明らかにすることを目的とし
た。2013年から2014年にかけて採取されたブタの血清サンプルの24.6%(58/236)が、ワクチン接
種プログラムがない場合にも抗インフルエンザA抗体を有していたが、RT-qPCRによるとブタスワ
ブ(n=1193)にはA型インフルエンザウイルス陽性と判定されたものはなかった。ウイルスRNA
は、勤務先でサンプリングされた養豚労働者の0.9%(2/229)から検出され、菌株はA(H1N1)
pdm09及び季節性A(H3N2)であった。今回の結果は、感染している養豚労働者が、ブタへのウイ
ルス供給源となっている可能性があることを改めて示している。この結果から、動物及び公衆衛生
に対する逆人獣共通感染症の影響について、養豚労働者の認識を高めることが必要であることが
浮き彫りになった。年1回のワクチン接種とインフルエンザ様症状発生時のマスク着用はインフル
エンザの種間伝播を減少させるのに役立つと考えられ、またサーベイランスは早期発見のために
十分にサポートされるべきである。
Mikrobiyol Bul.
57(2023)473-480
生後5ヵ月の男児が生後から発熱のない咳が続くため入院し、X線検査で左上葉と右心膜に浸潤
が認められた。肺炎の予備診断で抗生物質治療が開始されたが、2週間後も患者の症状は改善
しなかった。その後、気管軟化症、右上葉のコンソリデーション、腫瘤等が認められた。連続3日間
の絶食胃洗浄液を検査室に送り、耐酸性桿菌検査、PCR及び培養検査を行った。臨床所見が一
致し、PCRが陽性であったため、抗結核4剤併用療法が開始されその後患者の所見は改善した。
培養でウシ型結核菌が増殖し、また、患者が生乳を摂取していたことが判明した。ウシ結核と診断
され、後にこの患者の家族はウシの乳を煮沸せずに患者に与えたことが分かった。
ProMED-mail
20230705.8710974
カナダ・サスカチュワン州から輸出され米国で飼育されていた未経産のウシがウシ結核陽性となっ
た。その間に接触した他の個体は屠殺された。他の牧場に移された個体はないことが確認され
た。これらの対応により結核の拡大防止を確実にした。結核(TB)は動物と人間の両方に影響する
伝染病で、家畜から人間や他の動物に伝染する可能性がある。通常、感染したウシは無症候性
であり、皮膚検査又は全国屠殺監視プログラム中の屠殺時にのみ検出される。TBは主に、動物
同士の鼻と鼻の接触による吸入、又は汚染された飼料や水の摂取によって広がる。TBが群れで
見つかった場合、頭数を減らすか、検査で陽性となった個体を除くことによってTBは排除できる。
1917年より米国畜産局は、ウシTBの人間と家畜への影響を懸念し、全国的なTB根絶プログラム
を開始した。このプログラムは屠殺時の検査で陽性が確認された場合、関連する地域の家畜や野
生生物の個体群で追跡され、適宜当局が介入することを許可するものである。
International Journal of
Infectious Diseases.
131(2023)7-12
COVID-19パンデミック当時、コロナウイルスの古代性は未解明のままであった。コロナウイルスの
直接診断と古生物学的診断のために、16世紀にフランスで埋葬された個人を調査した。2011年か
ら2012年にかけて行われたフランス、ボーム=レ=メシエールのサン=ピエール修道院の発掘調
査により、13世紀から18世紀にかけての12人の骸骨が発見された。歯髄から抽出した全タンパク
質を、陰性対照と並行して、SARS-CoV-2、ヒト関連コロナウイルス(HCoV)229E、OC43抗原を
ターゲットとした微生物古生存学、及びメタプロテオミクスを用いたコロナウイルスペプチド研究に
供した。16世紀頃に埋葬された2人の遺体から採取された歯髄から、コロナウイルスを示す36アミ
ノ酸からなる3つのペプチド配列が検出され、古脊椎動物学的に現代のSARS-CoV-2とHCoV229Eに対する特異的な免疫学的反応が確認された。血清学的及びプロテオーム学的証拠から、
現代のコロナウイルスに対する反応性を持たないベータコロナウイルスが16世紀に集団に感染し
ていたことが示され、コロナウイルスの古代性が3世紀以上延長された。歴史的、古生物学的、古
プロテオミクス的データから、この2人と家畜のブタ、ウシ、家禽との密接な接触が示唆され、古代
の人獣共通感染症コロナウイルスであることが示唆された。コロナウイルスは、現在進行中のコロ
ナウイルス2019が発生するよりはるか以前から、集団にとって望ましくない存在であった。
ProMED-mail
20230711.8711081
Washington州Seattle/King郡当局が、Salmonella [enterica serotype] Bertaによる集団感染につ
いて調査している。患者の3分の1が入院を必要としている。Seattle郡そしてKing郡公衆衛生局
は、2023年7月10日に発生の調査を発表した。発生した患者6人全員が、全ゲノム配列決定法によ
る検査を受け、特定の型のサルモネラ菌に感染していることが判明した。保健局によると、検査の
結果、患者全員が同じ感染源から感染した可能性が高いことが示され、患者の症状発現期間は、
2023年4月12日から2023年6月5日迄である。公衆衛生局は、サルモネラ症に罹患した人々に聞き
取り調査を実施し、共通の曝露の可能性を特定し、いくつかの共通の曝露は豚肉と魚介類である
ことを確認した。環境衛生調査官は、2023年6月21日に食肉製品の追跡を開始した。彼らは何人
かの人々が、食品を入手した様々な場所から請求書を集め、検査を実施した。同局の発生通知に
よれば、「共通の場所や感染源は特定されていない」という。調査は継続中である。患者は別々の
世帯に住んでおり、年齢は2歳から65歳までと幅広い。公衆衛生局によれば、全員が吐き気、嘔
吐、腹部痙攣、下痢、血便、発熱、悪寒など、サルモネラ症と一致する症状を1つ以上発症してい
る。ProMEDは、この食中毒病原体の感染範囲と感染経路に関する更なる情報を待っている。
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