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資料3-1-1 医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表[407KB] (4 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41653.html |
出典情報 | 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和6年度第1回 8/1)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
出典
概要
ProMED-mail
20230927.8712329
べトナムQuang Nam省保健局は、2023年9月23日、ホイアタウンのバインミーショップの料理を食
べた313人がサルモネラ菌汚染で食中毒になったと発表した。Quang Nam省保健局のMai Van
Muoi局長によると、食中毒はHoi Anの有名な飲食店Ms.Phuongから採取したバインミーのサンプ
ルに含まれるチャーシュー(バーベキュー豚肉)と様々なハーブや野菜から発生したと述べた。こ
の結果は、Nha Trang Pasteur研究所で食品サンプルと患者の糞便サンプルを分析した結果であ
る。同局によると、2023年9月11日と12日の両日、合計3600人が同食堂でバインミーを購入した。
その後、313人が食中毒の症状を起こした。この中には103人の外国人が含まれており、273人が
入院したが、その後、全員退院している。死者は出ていない。調査の結果、バインミーショップの豚
肉はHoi An市場の女性から購入したもので、店自ら調理したことが判明した。ハーブや野菜はHoi
An市場で様々な人から買ったもので、塩水に浸さず水で洗ったものだった。Muoi氏によると、当局
はMs.Phuong店と協力し、現行の規則に従って罰金を提案するとのことである。
Ms.Phuongは、34年間ベトナムの代表的なバゲットサンドイッチであるバインミーを販売しており、
彼女の店は、外国人観光客に人気がある。同店は事件後、一時閉店している。
ブドウ球菌感染、
Emerg Infect Dis.
16 アシネトバクター感
29(2023)1979-1989
染
2018年5月~2022年12月の間における菌汚染血小板アフェレーシスに起因する米国での輸血に
よる敗血症症例をレビューした。6名の異なるドナーからの血小板提供物から7名の敗血症症例が
同定され3例が死亡した。培養は6名の患者と輸血血小板でAcinetobacter calcoaceticusbaumannii 複合体を、4名の患者と輸血血小板でS. saprophyticus を同定した。調査の結果、製造
業者からの環境分離株が患者及び血小板分離株と密接に遺伝的に関連することを示し、製造業
者が微生物汚染の可能性が高いことを示した。臨床医は輸血感染性敗血症の可能性を認識し続
けるべきである。
15 サルモネラ症
日本細菌学雑誌.
78(2023)109
家畜関連型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(LA-MRSA)は、家畜、特にブタにおける新たなMRSA
である。黄色ブドウ球菌カセット染色体メックと呼ばれる可動遺伝因子を持つ。そのため、複数の
抗菌薬に対する耐性遺伝子を獲得することができる。本研究の目的は、全ゲノム解析(WGS)を用
いて、タイ中部で養ブタ労働者とそのブタから得られたLA-MRSAシーケンスタイプ(ST)398の比較
ゲノミクスを明らかにすることである。2015年5月~2017年4月に27農場のブタ(n=467)と16農場の
ボランティア農家(n=38)から合計505の鼻腔スワブを採取した。タイでは63のLA-MRSAが分離さ
れ、特定された。その結果、家畜分離株(n=13)及びヒト分離株(n=3)を含むユニークな特徴を有
する各グループの代表が、日本のイルミナMiseqシーケンサーにより配列決定された。コアゲノム
の一塩基多型(SNP)に基づく系統解析の結果、LA-MRSA ST398には2つの異なるクラスターが
存在し、ヒト分離株とブタ分離株は3~11SNPの差で近縁であった。この発見は、ST398の人獣共
通感染症の可能性を支持するものである。また、SNPsの数が少ないということは、2つの種間で最
近発生した感染事象を示す可能性がある。本研究は、LA-MRSAの人獣共通感染症を特定する
WGSの能力を実証するものである。
18 ブルセラ症
Am J Trop Med Hyg.
109(2023)32-34
本文献は、フランス領ギアナにおけるブルセラ症の症例報告である。患者は29歳のブラジル人不
法金鉱労働者であった。患者は断続的な発熱を呈し、血液培養はグラム陰性球菌陽性で、自動
同定システムによる最初の誤認の後、Brucella suis によるブルセラ症の診断が確定した。家畜又
は野生のブタとの関連性が仮定された。患者はブルセラ症の標準的な抗生物質治療に良好に反
応した。本症例はギアナシールドにおけるヒト・ブルセラ症の最初の症例報告であり、原因不明の
発熱の鑑別診断に様々な人獣共通感染症が考慮されるアマゾンの熱帯雨林地域において、今後
不明熱がある場合にはブルセラ症を考慮することの重要性を強調している。
19 ブルセラ症
ブルセラ症は世界で最も一般的な人獣共通感染症のひとつである。ヒトへの感染は、感染動物へ
の直接接触、又は未加工の乳製品の摂取によるものである。Brucella 属菌の感染は、積極的なワ
クチン接種により商業用のウシやブタからはほぼ排除されているが、米国では拡大しつつある野
生のブタの個体群にBrucella 属菌感染の有意な有病率が存在する。本文献では、野生のブタが
大量に生息する農村地域に住む女性における、Brucella suis による腹部大動脈の真菌性動脈瘤
破裂の外科的治療について報告する。患者は48歳女性。下腹部痛と背部痛を訴え近医を受診し
Vascular and endovascular た。検査にて非感染性の大動脈炎と思しきCT所見が認められ、様々な抗炎症薬による治療を受
surgery. 57(2023)941-948 けたが、症状は完全に消失しなかった。その後症状が突然強くなり、CTAにより後腹膜破裂の徴
候を含む腹部大動脈瘤が認められたため、緊急EVARが実施された。術後背部痛は改善し、抗生
物質を短期間投与して退院となった。患者はテキサス州東部の野生のブタが多く生息する地域に
引っ越してきており、野生のブタとの直接接触はなかったが、糞便や尿などが裏庭や中庭に見ら
れていたことが報告された。血管外科医は、ブルセラ症が動脈感染を引き起こす可能性があるこ
とを認識すべきであり、野生のブタへの接触歴や未加工の乳製品の摂取歴のある患者において
は、診断において考慮すべきである。
17 ブドウ球菌感染
20 ヘリコバクター感染
日本細菌学雑誌.
78(2023)68
ブタが宿主となるHelicobacter suis (H. suis )は、MALTリンパ腫などの胃疾患を有するヒトに最も
高頻度に認められるNon-Helicobacter pylori Helicobacter species(NHPH)である。ブタからのH.
suis の感染時期や感染経路は依然として不明である。H. suis 感染の臨床における信頼できる診
断法はない。ピロリ菌除菌後の日本では、すでにH. suis 感染率が上昇している可能性があり、無
視できない多くの胃疾患を惹起している。著者らにより、H. suis とH. pylori 感染を同時に診断する
ELISA(免疫学的測定法)が開発された。本研究では、ヘリコバクター感染をルーチン法、PCR法、
培養法、ゲノム解析法、顕微鏡法、ELISA法を用いて診断し、NHPHとH. pylori 感染を検出した。
ELISAは100%の感度でH. suis 感染を検出した。H.suis 分離株はすべてH.suis型株に対して99%
以上のAverage nucleotide identity値を示した。H. suis 以外のNHPH及び混合感染は確認されな
かった。ヒト及びブタ由来のH. suis 株のコア遺伝子アラインメントを用いて系統樹を構築し、H. suis
の感染経路を明らかにした。また、除菌後の抗H. suis 抗体価の時間依存的低下を確認した。現
在、NHPH感染に関する大規模疫学調査が行われている。
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感染症(PT)
出典
概要
ProMED-mail
20230927.8712329
べトナムQuang Nam省保健局は、2023年9月23日、ホイアタウンのバインミーショップの料理を食
べた313人がサルモネラ菌汚染で食中毒になったと発表した。Quang Nam省保健局のMai Van
Muoi局長によると、食中毒はHoi Anの有名な飲食店Ms.Phuongから採取したバインミーのサンプ
ルに含まれるチャーシュー(バーベキュー豚肉)と様々なハーブや野菜から発生したと述べた。こ
の結果は、Nha Trang Pasteur研究所で食品サンプルと患者の糞便サンプルを分析した結果であ
る。同局によると、2023年9月11日と12日の両日、合計3600人が同食堂でバインミーを購入した。
その後、313人が食中毒の症状を起こした。この中には103人の外国人が含まれており、273人が
入院したが、その後、全員退院している。死者は出ていない。調査の結果、バインミーショップの豚
肉はHoi An市場の女性から購入したもので、店自ら調理したことが判明した。ハーブや野菜はHoi
An市場で様々な人から買ったもので、塩水に浸さず水で洗ったものだった。Muoi氏によると、当局
はMs.Phuong店と協力し、現行の規則に従って罰金を提案するとのことである。
Ms.Phuongは、34年間ベトナムの代表的なバゲットサンドイッチであるバインミーを販売しており、
彼女の店は、外国人観光客に人気がある。同店は事件後、一時閉店している。
ブドウ球菌感染、
Emerg Infect Dis.
16 アシネトバクター感
29(2023)1979-1989
染
2018年5月~2022年12月の間における菌汚染血小板アフェレーシスに起因する米国での輸血に
よる敗血症症例をレビューした。6名の異なるドナーからの血小板提供物から7名の敗血症症例が
同定され3例が死亡した。培養は6名の患者と輸血血小板でAcinetobacter calcoaceticusbaumannii 複合体を、4名の患者と輸血血小板でS. saprophyticus を同定した。調査の結果、製造
業者からの環境分離株が患者及び血小板分離株と密接に遺伝的に関連することを示し、製造業
者が微生物汚染の可能性が高いことを示した。臨床医は輸血感染性敗血症の可能性を認識し続
けるべきである。
15 サルモネラ症
日本細菌学雑誌.
78(2023)109
家畜関連型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(LA-MRSA)は、家畜、特にブタにおける新たなMRSA
である。黄色ブドウ球菌カセット染色体メックと呼ばれる可動遺伝因子を持つ。そのため、複数の
抗菌薬に対する耐性遺伝子を獲得することができる。本研究の目的は、全ゲノム解析(WGS)を用
いて、タイ中部で養ブタ労働者とそのブタから得られたLA-MRSAシーケンスタイプ(ST)398の比較
ゲノミクスを明らかにすることである。2015年5月~2017年4月に27農場のブタ(n=467)と16農場の
ボランティア農家(n=38)から合計505の鼻腔スワブを採取した。タイでは63のLA-MRSAが分離さ
れ、特定された。その結果、家畜分離株(n=13)及びヒト分離株(n=3)を含むユニークな特徴を有
する各グループの代表が、日本のイルミナMiseqシーケンサーにより配列決定された。コアゲノム
の一塩基多型(SNP)に基づく系統解析の結果、LA-MRSA ST398には2つの異なるクラスターが
存在し、ヒト分離株とブタ分離株は3~11SNPの差で近縁であった。この発見は、ST398の人獣共
通感染症の可能性を支持するものである。また、SNPsの数が少ないということは、2つの種間で最
近発生した感染事象を示す可能性がある。本研究は、LA-MRSAの人獣共通感染症を特定する
WGSの能力を実証するものである。
18 ブルセラ症
Am J Trop Med Hyg.
109(2023)32-34
本文献は、フランス領ギアナにおけるブルセラ症の症例報告である。患者は29歳のブラジル人不
法金鉱労働者であった。患者は断続的な発熱を呈し、血液培養はグラム陰性球菌陽性で、自動
同定システムによる最初の誤認の後、Brucella suis によるブルセラ症の診断が確定した。家畜又
は野生のブタとの関連性が仮定された。患者はブルセラ症の標準的な抗生物質治療に良好に反
応した。本症例はギアナシールドにおけるヒト・ブルセラ症の最初の症例報告であり、原因不明の
発熱の鑑別診断に様々な人獣共通感染症が考慮されるアマゾンの熱帯雨林地域において、今後
不明熱がある場合にはブルセラ症を考慮することの重要性を強調している。
19 ブルセラ症
ブルセラ症は世界で最も一般的な人獣共通感染症のひとつである。ヒトへの感染は、感染動物へ
の直接接触、又は未加工の乳製品の摂取によるものである。Brucella 属菌の感染は、積極的なワ
クチン接種により商業用のウシやブタからはほぼ排除されているが、米国では拡大しつつある野
生のブタの個体群にBrucella 属菌感染の有意な有病率が存在する。本文献では、野生のブタが
大量に生息する農村地域に住む女性における、Brucella suis による腹部大動脈の真菌性動脈瘤
破裂の外科的治療について報告する。患者は48歳女性。下腹部痛と背部痛を訴え近医を受診し
Vascular and endovascular た。検査にて非感染性の大動脈炎と思しきCT所見が認められ、様々な抗炎症薬による治療を受
surgery. 57(2023)941-948 けたが、症状は完全に消失しなかった。その後症状が突然強くなり、CTAにより後腹膜破裂の徴
候を含む腹部大動脈瘤が認められたため、緊急EVARが実施された。術後背部痛は改善し、抗生
物質を短期間投与して退院となった。患者はテキサス州東部の野生のブタが多く生息する地域に
引っ越してきており、野生のブタとの直接接触はなかったが、糞便や尿などが裏庭や中庭に見ら
れていたことが報告された。血管外科医は、ブルセラ症が動脈感染を引き起こす可能性があるこ
とを認識すべきであり、野生のブタへの接触歴や未加工の乳製品の摂取歴のある患者において
は、診断において考慮すべきである。
17 ブドウ球菌感染
20 ヘリコバクター感染
日本細菌学雑誌.
78(2023)68
ブタが宿主となるHelicobacter suis (H. suis )は、MALTリンパ腫などの胃疾患を有するヒトに最も
高頻度に認められるNon-Helicobacter pylori Helicobacter species(NHPH)である。ブタからのH.
suis の感染時期や感染経路は依然として不明である。H. suis 感染の臨床における信頼できる診
断法はない。ピロリ菌除菌後の日本では、すでにH. suis 感染率が上昇している可能性があり、無
視できない多くの胃疾患を惹起している。著者らにより、H. suis とH. pylori 感染を同時に診断する
ELISA(免疫学的測定法)が開発された。本研究では、ヘリコバクター感染をルーチン法、PCR法、
培養法、ゲノム解析法、顕微鏡法、ELISA法を用いて診断し、NHPHとH. pylori 感染を検出した。
ELISAは100%の感度でH. suis 感染を検出した。H.suis 分離株はすべてH.suis型株に対して99%
以上のAverage nucleotide identity値を示した。H. suis 以外のNHPH及び混合感染は確認されな
かった。ヒト及びブタ由来のH. suis 株のコア遺伝子アラインメントを用いて系統樹を構築し、H. suis
の感染経路を明らかにした。また、除菌後の抗H. suis 抗体価の時間依存的低下を確認した。現
在、NHPH感染に関する大規模疫学調査が行われている。
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