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資料3-1-1 医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表[407KB] (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41653.html |
出典情報 | 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和6年度第1回 8/1)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
34 旋毛虫症
35 旋毛虫症
36 日本脳炎B型
37 条虫感染
出典
概要
ProMED-mail
20230713.8711126
一家9人が、Natalio BurdのCentenario病院を受診した。男性1人は入院、子供1人は経過観察中
である。家族は発熱、吐き気、嘔吐、低血圧を呈した。Centenario Digitalメディアによると、患者た
ちは、医療関係者によって診断され、地域の調査が実施された。同病院のNicolas Bisio院長は、
現在も1人が重篤な症状で入院しており、10歳の少年にも症状が見られたと説明した。この事態を
受け、自治体の食品科学部門が介入し、屠殺された動物を購入し、後にソーセージを製造した場
所を特定した。同医療専門家は、中心地は落ち着いており、何人がその製品を購入したかを特定
するよう求めているとコメントした。Bisio氏は、他の家族は現在軽い症状であると報告し、病気であ
ることを認識しており、すぐに医師の診察を受けたと強調した。同病院の院長は、この病気は最初
の段階では筋肉痛、発熱、吐き気、瞼の浮腫みなどの症状が出るが、進行すると不整脈や心筋炎
を引き起こすこともあると強調した。重症の場合は、寄生虫が脳に留まって死に至ることもある。
Trichinella spiralis は寄生性線虫(回虫)で、ブタを含む多くの温血動物及び雑食動物に寄生する。
温血動物である肉食動物、雑食動物、猛禽類には数種の旋毛虫が寄生している。北米では、5つ
の種又はタイプが知られている。これらはTrichinella spiralis 、T. nativa 、T. pseudospiralis 、
Trichinella T-5、Trichinella T-6である。Trichinella spiralis は家畜のブタに最もよく寄生する。その
他の種や型はブタへの感染性は低く、主に狩猟動物(T-5は米国東部のクマやその他の野生動
物、T-6は米国北西部のクマやその他の野生動物、T. nativa はアラスカで)に発生することから重
要視されている。T. nativa とTrichinella T-6は、共に凍結に強い。Trichinella pseudospiralis は、鳥
類からの報告は少ないが、ブタにも感染する。
ProMED-mail
20231211.8713641
Lebanon山のAlshof地区にある精肉店が、元々豚肉由来でヤギや牛肉として販売されていたミン
チ肉から旋毛虫が検出された為、正式に閉鎖された。ベイルート・アメリカン大学の研究室は、汚
染された肉を食べた34人が発病し、うち18人が入院したことを受けて、この調査の確認作業を行っ
た。
旋毛虫症(旋毛虫病)は、ブタを含む多くの温血動物及び雑食動物に寄生する線虫(回虫)である
Trichinella spiralis によって引き起こされる人獣共通寄生虫症である。旋毛虫属の数種は温血肉
食動物、雑食動物、猛禽類に寄生する。レバノンでは1992年と1995年にも旋毛虫症が発生してお
り、感染源は豚肉で、通常「クベニェkubeniye」(郷土料理)の材料として非加熱で食されていた。
(引用:M Haimら、Epidemiol Infect.1997年12月)
ProMED-mail
20230803.8711540
熊本県は、2023年7月27日、県内全域に日本脳炎注意報を発令した。ウイルスを媒介する蚊
(Culex pipiens)に刺されないよう、長袖・長ズボンの着用、虫よけスプレーの使用、蚊の温床とな
る水たまりの除去などの対策を呼びかけている。2023年7月24日の定期検査でブタ15頭から採血
したところ、そのうち1頭から抗体が検出され、2週間以内に感染したことがわかった。感染したブタ
の血液を吸った蚊がウイルスを媒介する。県健康危機管理課によると、感染者の100~1000人に1
人が日本脳炎を発症するという。高熱や痙攣などの症状が1週間ほど続くこともある。2022年は全
国で5人(うち県内3人)の患者が確認された。2023年の国内のヒト感染例はない。日本脳炎(JE)
ウイルスの抗体を持つブタが見つかったことは、この地域でウイルスが感染したことを示している。
1回の血清学的検査だけでは、そのブタがいつ感染したかを正確に知ることはできない。陽性のブ
タから採取した血清の先行検査が陰性であった場合、その陽性抗体が初期のIgMであることを証
明するのと同様に、感染が起こった時期の範囲を狭めるのに役立つであろう。豚舎周辺で陽性の
蚊が見つかれば、そこでウイルスが活発に循環していたことを示す追加証拠となる。この地域で
JEウイルスが伝播したという証拠は非常に限定されているが、上記の蚊に刺されないようにする
予防措置をとることは賢明である。JEウイルスは、アジア及び西太平洋地域ではワクチンで予防
可能な脳炎の主要な原因であるが、日本ではヒトへの感染例は稀である。アジアでは、JEウイル
スはアルデウス科の渡り鳥で維持され、ブタで増幅されることがあり、水田や他の水域で繁殖する
いくつかのCulex属の蚊によって媒介される。ヒト用のワクチンは、日本で入手可能である。
Zoonoses and public
health. 70(2023)434-444
メキシコでは過去30年間、臨床的な条虫症/嚢虫症の発生率が継続的に減少していることが報告
されている。本研究は、メキシコ北西部の4つの風土病地域社会における社会経済状況の改善
が、有鉤条虫の有病率に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本研究は2段階で実施し
た。第1段階として、メキシコで最も重要な畜産地域のひとつであるシナロア州連邦における有鉤
条虫の有病率に関する文書情報(1989~2018年)を収集した。第2段階として、シナロア州の4つ
の地域社会でパイロット研究を実施した。各コミュニティにおいて、調査票の記入と血液及び便サ
ンプルの提供に同意した個人を対象に、非確率的サンプリングにて横断的記述研究を実施した。
有鉤条虫抗体と成虫糞便内抗原を測定した。文書分析によると、条虫症と嚢虫症の発生率はそ
れぞれ98%と53%減少し、人間開発指数は5%上昇した(1992~2017年)。このデータから、寄生
虫感染のリスクは低いことが示唆されたが、有鉤条虫の感染に関連する可能性のある因子のう
ち、震えや痙攣の報告(有病率2.1336、CI:1.1821-3.8508)及びサナダムシ感染の背景(有病率
1.2893、CI:0.9795-1.6972)については、女性の性別がリスク因子であった。便検体を調べたとこ
ろ、サナダムシや卵は検出されなかったが、4検体で原生動物嚢子が観察された。予想外なこと
に、79検体のうち糞便内抗原が陽性であったのは1検体だけであった。この陽性結果は2番目のサ
ンプルで確認された。しかし、3番目の検体では陰性であった。ヒト(n=377)及びブタ(n=69)の検体
からは抗体は検出されなかった。本研究におけるデータは、シナロア州中央部のコミュニティにお
ける有鉤条虫の有病率はほぼゼロであることを示唆しており、1990年代の報告とは対照的であ
る。データは寄生虫の伝播が中断されたことを示唆しており、社会経済状況の改善と関連している
可能性がある。しかしながら、本研究で用いたサンプリング方法は統計的な近似値に過ぎず、
データは過小評価されている可能性が高い。メキシコにおける人獣共通感染症の真の有病率を
明らかにするためには、より良いサンプリングと方法論的デザインによる疫学研究を実施すること
が不可欠である。
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感染症(PT)
34 旋毛虫症
35 旋毛虫症
36 日本脳炎B型
37 条虫感染
出典
概要
ProMED-mail
20230713.8711126
一家9人が、Natalio BurdのCentenario病院を受診した。男性1人は入院、子供1人は経過観察中
である。家族は発熱、吐き気、嘔吐、低血圧を呈した。Centenario Digitalメディアによると、患者た
ちは、医療関係者によって診断され、地域の調査が実施された。同病院のNicolas Bisio院長は、
現在も1人が重篤な症状で入院しており、10歳の少年にも症状が見られたと説明した。この事態を
受け、自治体の食品科学部門が介入し、屠殺された動物を購入し、後にソーセージを製造した場
所を特定した。同医療専門家は、中心地は落ち着いており、何人がその製品を購入したかを特定
するよう求めているとコメントした。Bisio氏は、他の家族は現在軽い症状であると報告し、病気であ
ることを認識しており、すぐに医師の診察を受けたと強調した。同病院の院長は、この病気は最初
の段階では筋肉痛、発熱、吐き気、瞼の浮腫みなどの症状が出るが、進行すると不整脈や心筋炎
を引き起こすこともあると強調した。重症の場合は、寄生虫が脳に留まって死に至ることもある。
Trichinella spiralis は寄生性線虫(回虫)で、ブタを含む多くの温血動物及び雑食動物に寄生する。
温血動物である肉食動物、雑食動物、猛禽類には数種の旋毛虫が寄生している。北米では、5つ
の種又はタイプが知られている。これらはTrichinella spiralis 、T. nativa 、T. pseudospiralis 、
Trichinella T-5、Trichinella T-6である。Trichinella spiralis は家畜のブタに最もよく寄生する。その
他の種や型はブタへの感染性は低く、主に狩猟動物(T-5は米国東部のクマやその他の野生動
物、T-6は米国北西部のクマやその他の野生動物、T. nativa はアラスカで)に発生することから重
要視されている。T. nativa とTrichinella T-6は、共に凍結に強い。Trichinella pseudospiralis は、鳥
類からの報告は少ないが、ブタにも感染する。
ProMED-mail
20231211.8713641
Lebanon山のAlshof地区にある精肉店が、元々豚肉由来でヤギや牛肉として販売されていたミン
チ肉から旋毛虫が検出された為、正式に閉鎖された。ベイルート・アメリカン大学の研究室は、汚
染された肉を食べた34人が発病し、うち18人が入院したことを受けて、この調査の確認作業を行っ
た。
旋毛虫症(旋毛虫病)は、ブタを含む多くの温血動物及び雑食動物に寄生する線虫(回虫)である
Trichinella spiralis によって引き起こされる人獣共通寄生虫症である。旋毛虫属の数種は温血肉
食動物、雑食動物、猛禽類に寄生する。レバノンでは1992年と1995年にも旋毛虫症が発生してお
り、感染源は豚肉で、通常「クベニェkubeniye」(郷土料理)の材料として非加熱で食されていた。
(引用:M Haimら、Epidemiol Infect.1997年12月)
ProMED-mail
20230803.8711540
熊本県は、2023年7月27日、県内全域に日本脳炎注意報を発令した。ウイルスを媒介する蚊
(Culex pipiens)に刺されないよう、長袖・長ズボンの着用、虫よけスプレーの使用、蚊の温床とな
る水たまりの除去などの対策を呼びかけている。2023年7月24日の定期検査でブタ15頭から採血
したところ、そのうち1頭から抗体が検出され、2週間以内に感染したことがわかった。感染したブタ
の血液を吸った蚊がウイルスを媒介する。県健康危機管理課によると、感染者の100~1000人に1
人が日本脳炎を発症するという。高熱や痙攣などの症状が1週間ほど続くこともある。2022年は全
国で5人(うち県内3人)の患者が確認された。2023年の国内のヒト感染例はない。日本脳炎(JE)
ウイルスの抗体を持つブタが見つかったことは、この地域でウイルスが感染したことを示している。
1回の血清学的検査だけでは、そのブタがいつ感染したかを正確に知ることはできない。陽性のブ
タから採取した血清の先行検査が陰性であった場合、その陽性抗体が初期のIgMであることを証
明するのと同様に、感染が起こった時期の範囲を狭めるのに役立つであろう。豚舎周辺で陽性の
蚊が見つかれば、そこでウイルスが活発に循環していたことを示す追加証拠となる。この地域で
JEウイルスが伝播したという証拠は非常に限定されているが、上記の蚊に刺されないようにする
予防措置をとることは賢明である。JEウイルスは、アジア及び西太平洋地域ではワクチンで予防
可能な脳炎の主要な原因であるが、日本ではヒトへの感染例は稀である。アジアでは、JEウイル
スはアルデウス科の渡り鳥で維持され、ブタで増幅されることがあり、水田や他の水域で繁殖する
いくつかのCulex属の蚊によって媒介される。ヒト用のワクチンは、日本で入手可能である。
Zoonoses and public
health. 70(2023)434-444
メキシコでは過去30年間、臨床的な条虫症/嚢虫症の発生率が継続的に減少していることが報告
されている。本研究は、メキシコ北西部の4つの風土病地域社会における社会経済状況の改善
が、有鉤条虫の有病率に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本研究は2段階で実施し
た。第1段階として、メキシコで最も重要な畜産地域のひとつであるシナロア州連邦における有鉤
条虫の有病率に関する文書情報(1989~2018年)を収集した。第2段階として、シナロア州の4つ
の地域社会でパイロット研究を実施した。各コミュニティにおいて、調査票の記入と血液及び便サ
ンプルの提供に同意した個人を対象に、非確率的サンプリングにて横断的記述研究を実施した。
有鉤条虫抗体と成虫糞便内抗原を測定した。文書分析によると、条虫症と嚢虫症の発生率はそ
れぞれ98%と53%減少し、人間開発指数は5%上昇した(1992~2017年)。このデータから、寄生
虫感染のリスクは低いことが示唆されたが、有鉤条虫の感染に関連する可能性のある因子のう
ち、震えや痙攣の報告(有病率2.1336、CI:1.1821-3.8508)及びサナダムシ感染の背景(有病率
1.2893、CI:0.9795-1.6972)については、女性の性別がリスク因子であった。便検体を調べたとこ
ろ、サナダムシや卵は検出されなかったが、4検体で原生動物嚢子が観察された。予想外なこと
に、79検体のうち糞便内抗原が陽性であったのは1検体だけであった。この陽性結果は2番目のサ
ンプルで確認された。しかし、3番目の検体では陰性であった。ヒト(n=377)及びブタ(n=69)の検体
からは抗体は検出されなかった。本研究におけるデータは、シナロア州中央部のコミュニティにお
ける有鉤条虫の有病率はほぼゼロであることを示唆しており、1990年代の報告とは対照的であ
る。データは寄生虫の伝播が中断されたことを示唆しており、社会経済状況の改善と関連している
可能性がある。しかしながら、本研究で用いたサンプリング方法は統計的な近似値に過ぎず、
データは過小評価されている可能性が高い。メキシコにおける人獣共通感染症の真の有病率を
明らかにするためには、より良いサンプリングと方法論的デザインによる疫学研究を実施すること
が不可欠である。
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