○ 歯科医療に関する社会資源の状況は地域によって大きく異なることから、地域の状況に
応じた歯科医療提供体制を構築することが求められるが、歯科医療提供体制の検討にあ

たっては、歯科分野のみならず、幅広い視野で検討することが極めて重要である。

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これからの歯科医療の提供体制について

（１）かかりつけ歯科医の役割
○ 生涯を通じて口腔の健康を維持するために、継続的に適切な治療や管理を行い、いつで
も相談に応じてくれる身近なかかりつけの歯科医師がいることは健康寿命延伸の観点か
らも重要である。
○ 歯科保健医療ビジョンにおいて、かかりつけ歯科医は、「住民・患者ニーズへのきめ細
やかな対応」、「切れ目のない提供体制の確保」及び「他職種との連携」の３つの機能
を有することが求められている。

○ 近年の多様化するニーズに伴い、かかりつけ歯科医は、訪問歯科診療や障害児・者への
対応、患者の基礎疾患や認知症の有無、多剤服用に係る状況等について、一層の理解が
求められる。また、乳幼児期の健全な歯列育成、口腔機能の獲得や口腔衛生指導から、
高齢期における口腔機能の維持・向上や介護予防、周術期における口腔の管理まで、ラ
イフステージに応じた歯科疾患の予防や口腔の管理等、多岐にわたる対応が求められる
さん

ことから、更なる研鑽が求められている。
○ 多様化するニーズに対応するため、診診連携、病診連携の更なる推進も含めて、様々な

医療機関や関係機関と連携体制を整備する必要がある。また、転居等によりかかりつけ
歯科医を変更しなければならない場合であっても、新たなかかりつけ歯科医の紹介や、
歯科診療所間で診療録等の記録の情報を共有することにより、効果的に患者の継続管理
を行うことができるような対応も期待される。

○ かかりつけ歯科医を持つ者を増加させるためには、行政や職能団体等が連携し、かかり
つけ歯科医を持つことができる歯科医療提供体制の構築や、その意義についての普及啓
発等を一層推進することが求められる。
○ 有事（災害時や新興感染症の感染拡大時等）の際の地域における歯科保健医療活動や提
供体制の構築等も重要である。

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