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議題3 参考資料2(先-4) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42187.html
出典情報 先進医療会議(第134回 8/8)《厚生労働省》
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【別添2】
「多項目迅速ウイルス PCR 法を用いた造血幹細胞移植後ウイルス感染
症の早期診断」の期待される適応症、効能及び効果(申請書類より抜粋)
3.期待される適応症、効能及び効果
①背景と目的
同種および自己造血幹細胞移植後の患者においては、長期にわたり免疫不全状態が持
続する。これらの患者では、幼少期に感染後、不顕性に持続保持していたサイトメガロ
ウイルスなどヘルペスウイルス属の再活性化が起こり、適切な治療を受けないと臓器障
害を伴うウイルス感染症に進展し死に至ることがある。造血幹細胞移植後に再活性化す
るウイルスとして、ヒト単純疱疹ウイルス 1、2(HSV-1、HSV-2)
、水痘・帯状疱疹ウイル
ス(VZV)
、EB ウイルス(EBV)
、サイトメガロウイルス(CMV)
、ヒトヘルペスウイルス 6
型、7 型(突発性発疹症の原因ウイルス)
(HHV-6、HHV-7)、ヒトヘルペスウイルス 8 型(カ
ポジ肉腫の原因ウイルス)
(HHV-8)
、BK ウイルス(BKV)
、JC ウイルス(進行性多巣性白
質 脳 症 の 原 因 ウ イ ル ス )( JCV )、 パ ル ボ ウ イ ル ス ( 伝 染 性 紅 斑 の 原 因 ウ イ ル ス )
(Parvo-B19)
、および再活性化により劇症肝炎を引き起こすことのある B 型肝炎ウイル
ス(HBV)などが知られている。しかし、移植後のどの時期およびどの状態でウイルスが
再活性化するのか、再活性化するウイルスは複数なのか否かは十分に明らかにされてい
ない。さらに、ウイルスが再活性化し、ウイルス血症が起きてからウイルス量が増加し、
臓器障害を伴うウイルス感染症(ウイルス性肺炎、脳炎、髄膜炎など;以後、ウイルス
病と呼ぶ)となるまでの時間経過、症状、および検査データとの関連は不明の点が多く、
実際の移植医療の現場ではウイルス病に進展してしまうことが少なくない。よく研究さ
れた移植後 CMV 感染症に関しては、CMV ウイルス病の発症率は約 30 %、CMV ウイルス血症
は 50-67 %の症例で認められている。ウイルス血症の段階で抗ウイルス薬による早期先制
治療を行った臨床研究においては、CMV ウイルス病を 5 %に抑制できたと報告されている。
従って、このような患者においては定期的に体内のウイルスモニタリングを行い、必
要に応じて抗ウイルス薬の投与などの早期治療が不可欠である。しかし、現在、保険診
療にてこれらのモニタリングを行うとすれば、ウイルス特異的 IgG のペア血清診断やウ
イルス特異的 IgM の検出などの方法があるが、移植時には抗体産生が抑制されているこ
とに加え、結果を得るまでに時間がかかり、リアルタイムに治療を行うための診断には
役立たない。また、ウイルス PCR 検査は検査会社によっては研究的に測定するサービス
を行っているが、その費用は各医療機関が負担している。例えば、外注検査でこれらの
項目をすべて依頼すれば、1 回約 25 万円の費用と約 3 日~1 週間の検査期間を必要とす
る。これらの問題を解決するため、本申請者らは次項に示すような多項目迅速ウイルス
検査法を開発した。本研究の目的は、実臨床でウイルス感染症の罹患率も加味して、こ
の多項目迅速ウイルス検査法の陽性的中率および陰性的中率を算出し、その有用性を証
明することにある。
②多項目迅速ウイルス PCR 検査法の特徴と新規性
本検査は異なる蛍光プローブを用い、1 キャピラリーあたり 3~6 種類のウイルスゲノ
ムを同時に PCR により増幅し、PCR 産物を外に取り出すことなくそのまま hybriprobe と
呼 ば れ る 多 色 蛍 光 プ ロー ブ と 反 応 さ せ 、 FRED 法 ( Fluorescence resonance energy

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