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03【資料1】小児におけるRSウイルス感染症の予防について (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45652.html
出典情報 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第28回 11/21)《厚生労働省》
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母子免疫ワクチンの安全性についての知見


米国の2病院における後ろ向きコホート研究において、母子免疫ワクチン接種は早産のリスクには関連しなかったが、
妊娠高血圧症候群のリスク増加に関連した。

Moeun Son, et al.1(JAMA Network Open. 2024)
研究内容:米国の2病院における後ろ向きコホート研究。2023年9月から2024年1月までに、妊娠32週以降に単胎妊娠で出産した患
者を対象。診療録のデータを用いて、RSV母子免疫ワクチンの接種歴とアウトカムの関連を評価。
主要なアウトカムは妊娠37週未満の早産。副次的なアウトカムは妊娠高血圧症候群、死産、SGA、新生児集中治療室(NICU)入室、
NICU入室を伴う呼吸窮迫症候群、新生児黄疸又は高ビリルビン血症、新生児低血糖、新生児敗血症。
多変量ロジスティック回帰モデルと時間依存性共変量Cox回帰モデルを使用し、潜在的な交絡因子を調整したアウトカムの発生リス
クを評価。潜在的な交絡因子は、当該因子が変量解析で統計学的に優位であった因子、及び臨床的な因子が考慮された。
結果:2,973例の妊婦が観察され、そのうち1,026例が母子免疫ワクチンを出産前に接種した。ワクチン接種者は平均して高年齢、未経産、
民間保険加入、体外受精の割合が高く、妊娠前糖尿病が少なく、BMI30以上が多かった。接種によるアウトカムの発生リスクは以下の通り。
〈主要アウトカム(早産)〉
各アウトカムの発生リスク
・早産発生率は接種者で5.9%、非接種群6.7%
・多変量ロジスティック回帰モデルでの調整オッズ比
0.87 [95%信頼区間:0.62-1.20]
・時間依存性共変量Cox回帰モデルにおいて
ハザード比0.93 [0.64-1.34]
〈副次的アウトカム〉
・SGA及び死産の発生に有意差なし
・新生児の転機(NICU入室等)に有意差なし
・妊娠高血圧症候群については時間依存性共変量Cox
回帰モデルにおいてハザード比 1.43 [1.16-1.77]
※ 多変量解析において考慮された因子:年齢、妊娠週数、人種、民族、保険の種別、病院、体外受精、妊娠前の糖尿病、BMI30以上
※ SGA(small for gestational age):在胎期間相当の体格よりも小さく生まれること。
1Moeun Son, Laura E. Riley, Anna P. Staniczenko, Julia Cron, Steven Yen, Charlene Thomas, Evan Sholle. Lauren M. Osborne, Heather S. Lipkind. Nonadjuvanted Bivalent Respiratory Syncytial Virus
Vaccination and Perinatal Outcomes. JAMA Network Open. 2024;7(7):e2419268

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