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参考資料3 髙橋参考人提出資料 (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23334.html
出典情報 がんとの共生のあり方に関する検討会 がんの緩和ケアに係る部会(第4回  1/14)《厚生労働省》
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分けることができる。
(a)根治照射は、その名の通り、がんの治癒(ないし患者の長期的な生存)を目
指すものであり、がんを死滅させるために患部に大量の放射線を照射することが多
い。
一方、(b)緩和照射は、①がんそのものによる痛み等を和らげることとともに、
②がんが引き起こす様々な症状を軽減すること等、患者のQOLを維持・改善する
ことを主眼としている(下表)
。こうした緩和照射は、患者が主たるがん治療(根
治照射、抗癌剤投与等)を続けやすいようにすることにも大きく役立っており、が
ん患者の治療期間を通して幅広く活用されている。

(a)根治照射
(b)緩和照射

治療目的
がんの治癒、患者の長期的な生存
がんの進行による痛みなどの苦痛の軽減
QOLの維持・改善

具体的に緩和照射が行われるケースをみると、痛みや痺れだけでなく、呼吸が困
難であったり、食べ物を飲み込むのが大変であったりする場合の症状の改善など、
多方面にわたる(下表)

主な症状
痛み・骨折
痺れ・麻痺・歩行困難
呼吸困難
飲み込み困難
視力低下
頭痛、眩暈、嘔気等
上大静脈症候群
出血

主な原因・部位(例)
・骨転移
・骨転移に伴う脊髄圧迫
・肺がんによる気道狭窄・閉塞
・食道がんによる通過障害
・眼周囲腫瘍の視神経圧迫
・脳転移
・肺がん
・消化器がん
・皮膚転移・皮膚浸潤

上記に挙げたがん疼痛治療における緩和照射の中でも、最もよく知られており、
症例も多いのは、骨転移に伴う痛み(有痛性の骨転移)に対するものである。その
治療成績をみると、疼痛緩和については約7割、疼痛消失については約3割となっ
ており、有痛性の骨転移に対しては、かなりの好成績を挙げているといえる 6。

6

Rich SE, Chow R, Raman S, Liang Zeng K, Lutz S, Lam H, Silva MF, Chow E. Update of the
systematic review of palliative radiation therapy fractionation for bone metastases. Radiother
Oncol. 2018 Mar;126(3):547-557.

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