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参考資料3 髙橋参考人提出資料 (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23334.html
出典情報 がんとの共生のあり方に関する検討会 がんの緩和ケアに係る部会(第4回  1/14)《厚生労働省》
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がんは、主科で根治的な治療を終え、何年経過しても再発・転移することがある。
こうしたことから、がん治療、緩和照射に関して地域の医療機関の連携体制を整備
しておくことは非常に重要となる 10,11。
例えば、骨転移によると思われる痛みが生じた際に、かかりつけ医から、地域内
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のがん診療連携拠点病院等にタイムリーに依頼できることが望ましい。特に、骨

転移による脊髄圧迫の場合には、早期発見・早期治療が極めて重要であり、緊急照
射が必要となる場面も少なからずある。
地域内の医療機関同士で、日ごろから気軽に相談するような「顔の見える関係」
がきちんとできていれば 13、他院の外来において放射線治療装置を利用することな
どが実現しやすく、緩和照射も含めた放射線治療が地域内で機動的に行えることと
なる。
このような診断や緩和照射を含む治療が、地域内で適切になされるためには、協
力する医療機関の間で、多職種・多施設連携を軸としながら、情報共有しやすい体
制を整備しておくこと(①相談・連携手段の構築、②電子カルテの共有、③オンラ
イン診療、④移送手段の確保など)が重要となる。

(2)院内で、骨転移等の診断・治療に関する多職種連携の仕組が整っ
ていないこと
骨転移の治療では、もともとのがん治療、手術や骨修飾薬投与、リハビリテーシ
ョンを含め、塞栓術や麻薬使用など、多診療科での適切な相談と運用が必要である。
また、主科だけでは、緩和照射という治療の選択肢に気がつくことができない可能
性もあることから、放射線治療医、緩和ケア医、整形外科医などの多くの診療科や
職種が参加した「骨転移専門のキャンサーボード」を通じて、治療方針を決定する
ことが望ましい。そこで薬物療法、放射線照射、手術療法のいずれが適切であるか
等について、幅広く検討する必要がある。キャンサーボードを通じて、放射線治療
医が早い段階から治療方針決定に関与できるようになることで、より適切なタイミ
10

地域の医療提供体制をみると、医療従事者、医療機関や設備等に大きなばらつきがあるが、近年では、地
域医療構想(病床の機能分化や連携のための施策)や、地域包括ケアシステム(日常生活圏域における医
療・介護・予防・住まい・生活支援の包括的な確保のための連携)の整備に向けて、様々な取り組みが加速
している。

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海外でも、がん治療に関する地域連携強化の動きはみられる。たとえば英国では、地域の家庭医ががん治
療の専門医や施設との連絡・仲介役を務めることで連携を強化し、医療の質の向上を可能にしている。

12

大都市部では一次医療圏、大都市以外では二次医療圏程度を想定。

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同じ地域の医療機関では、研究会や交流会等の活動が連携の端緒となる貴重な機会となっている。新型コ
ロナウイルス禍が収束した後には、そうした交流機会を再び増やしていくことが望まれる。

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