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別紙10 (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00041.html
出典情報 先進医療会議(第107回 2/4)《厚生労働省》
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先進医療総括報告書の指摘事項に対する回答1
先進医療技術名: 周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法
2021 年 12 月 17 日
大阪大学医学部附属病院 呼吸器外科
新谷 康
1.hANP 投与による因果関係を否定できない血圧低下が Grade1~2 とはいえ
69 例(41.8%)に起きており(総括報告書 p68)、hANP の添付文書によると
承認時までの血圧低下 2.3%(9/396)、承認後の情報も含めて 8.6%となって
いるのに比して高頻度になっている理由について見解を提示して頂きた
い。
【回答】
ご質問をありがとうございます。
ハンプの薬理作用は、血管拡張作用と利尿作用であり、後負荷軽減による心拍
出量増加と肺うっ血に伴う呼吸状態改善により急性心不全を改善させます。本
研究では、対象症例が肺癌手術症例であり、心機能が正常である場合が多く、ハ
ンプの血管拡張効果と利尿効果が過度に作用した場合に、血圧低下をきたした
と考えております。さらに、肺癌周術期に使用される硬膜外麻酔などの鎮痛剤の
併用が血圧低下の誘引になると考えられます。鎮痛剤の減量は、研究対象者に対
して不利益となるため、鎮痛剤とくに硬膜外麻酔との併用で血圧低下が高頻度
で発生した可能性があります。また、急性心不全の治療では、心機能改善のため
にカテコラミン製剤を併用することが一般的ですが、肺癌周術期にカテコラミ
ン製剤を使用することは少なく、またカテコラミン製剤を使用または使用して
いた場合に増量してまでハンプ投与を継続するよりも、低血圧発生に伴いハン
プ投与を減量または中止することが多かったと考えます。実際にカテコラミン
製剤が使用された症例は 153 例中 24 例でした(統計解析報告書 347 ページ:表
3.4.1 JANP Study カテコラミン製剤)。
以上より、対象症例の心機能、肺癌周術期管理がハンプ投与の血圧低下の発生
に関与していると考えております。以上の考察を、総括報告書の考察として追記
いたしました(総括報告書 100 ページ)。

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