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資料3-11―① 押谷先生・鈴木先生・西浦先生・脇田先生提出資料 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第110回 12/14)《厚生労働省》
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亡を大きく超えるものではない、④流行時期には一定程度の医療の負荷は起こるものの一
般医療の制限をせざるを得ないような医療のひっ迫は起きない、というような条件を満た
した状態と暫定的に定義することとする。
3)季節性インフルエンザと同等のものと判断できるようになるためのステップ
少なくとも 2022 年末の時点で、COVID-19 は公衆衛生学的な観点からは「季節性イン
フルエンザと同等のものと判断できる」条件を満たしていない。
過去 3 年間の COVID-19 の感染者数・死亡者数を比較すると、日本においては感染者
数・死亡者数ともに流行ごとに増加する傾向があり(図3・4)、「感染者数と死亡者数は
一定の数の範囲内におさまり、その数は予測できる範囲である」とは言えない。2023 年以
降もどのような状況になるかを予測することは困難な状況である。
また前述のように COVID-19 は明確な季節性を示しておらず、季節を問わず流行が起き、
次に流行がいつ起きるのかを予測することも困難である。COVID-19 が季節性インフルエ
ンザを含む他の呼吸器ウイルス感染症と同様に冬季を中心に流行を起こすようになるのか
どうかははっきりとはわからないが、少なくても季節性インフルエンザと同等のものと判
断できるようになるためには現在のように年間を通して流行が起こるような状況を脱する
ことが必要である。
このように季節性がなく流行規模を予測することも困難であることの背景には、すでに
述べたように R0 によって表せる伝播性が非常に高いということがある。しかし、流行動態
は R0 によってのみ決まるわけではなく対策の有無や集団の免疫状況によっても左右される。
このような要因によって時間とともに変化していく伝播性を評価する指標である Rt が 1 を
超えない状況が継続すれば流行は拡大しないことになる。実際に 2021 年には国内の Rt は
1 を下回っている時期の方が多く、特に 2021 年の後期には長期にわたり Rt が 1 を下回る
期間が継続していた。これは 2021 年の前期には流行の拡大に伴い、緊急事態宣言や重点措
置などの対応が取られ、伝播が抑制されていたこと、後期にはワクチン接種が小児を除く
すべての世代で進んでいったことが大きな要因であったと考えられる。現在は緊急事態宣
言や重点措置などの強い措置を取ることが困難になっているため、Rt を 1 未満に保つため
には集団内の免疫を高く保つ必要がある。集団内の免疫はワクチン接種と自然感染によっ
て獲得される。そのためまずワクチン接種をどう進めていくかということが課題となる。
オミクロン株を含む 2 価ワクチンの開始により、オミクロン株に対するワクチンの効果は
改善することが期待されているが、現時点はどの程度改善するか正確なデータは得られて
いない。また、ワクチン接種率もワクチンの接種回数が増えるにしたがって大きく低下し
ているという問題もある。
若年層を含めたワクチン接種率が今後大きく改善しないとすると、今後の流行動態は、
自然感染の罹患率によって大きく影響を受けることになる。N 抗体の陽性率は不活化ワク
チンの使われていない国ではおおむね過去の自然感染の罹患率を示すと考えられる。現在
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