よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料3-2 鈴木先生提出資料 (93 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第72回 2/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究の暫定報告(第三報)
:オミクロン株流行期
における有効性
2022 年 2 月 15 日
端緒
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発は未曾有のスピードで進み、ファイザー社
製およびモデルナ社製の mRNA ワクチンは大規模なランダム化比較試験で有効性(vaccine
efficacy)が 90%以上とされ、アストラゼネカ社製のウイルスベクターワクチン 1 種類も有効性
が 70%程度とされた 1-5。国内においても、国立感染症研究所にて、複数の医療機関の協力のも
とで、発熱外来等で新型コロナウイルスの検査を受ける成人(20 歳以上)を対象として、症例
対照研究(test-negative design)を実施している。これまでの暫定報告においては、我が国にお
ける新型コロナワクチン導入初期に流行した B.1.1.7 系統(アルファ株)および B.1.617.2 系統
(デルタ株)に対して、高い有効性(vaccine effectiveness)を示すことが確認された 6-7。しか
し、海外の報告によると、2回接種により獲得した免疫が半年程度で減衰することが確認され
ており 8-10、国内でも 2021 年 12 月から 3 回目の接種(ブースター接種)が開始となった。ま
た、2021 年 11 月末以降に出現し、世界各地に急速に流行拡大した感染・伝播性や抗原性の変化
が懸念される B.1.1.529 系統(オミクロン株)については、デルタ株を含む過去の流行株に比し
てワクチンの有効性が減弱している可能性が指摘されている 11-12。そこで、今回は、関東におい
て上旬にはオミクロン株が 9 割以上を占め、下旬にはほぼ全ての検出株がオミクロン株であっ
たと想定される 13-14、2022 年 1 月 3 日以降の調査における暫定結果を報告する。
方法
2022 年 1 月 3 日から 31 日までに関東の複数医療機関の発熱外来等を受診した成人(20 歳以
上)を対象に、検査前に基本属性、新型コロナワクチン接種歴などを含むアンケートを実施し
た。除外基準である未成年者、意識障害のある者、日本語でのアンケートに回答できない者、
直ちに治療が必要な者、本アンケート調査に参加したことのある者には調査参加の打診を行わ
なかった。のちに各医療機関で新型コロナウイルス感染症の診断目的に実施している核酸検査
(PCR)の検査結果が判明した際に検査陽性者を症例群(ケース)、検査陰性者を対照群(コン
トロール)と分類した。発症から 14 日以内で、37.5℃以上の発熱、全身倦怠感、寒気、関節
痛、頭痛、鼻汁、咳嗽、咽頭痛、呼吸困難感、嘔気・下痢・腹痛、嗅覚味覚障害のいずれか 1
症状のある者に限定して解析を行うこととした。
ワクチン接種歴については、(1)未接種、
(2)1 回接種後、(3)2 回接種後 0-2 ヶ月(0-60
日)

(4)2 回接種後 2-4 ヶ月(61-120 日)

(5)2 回接種後 4-6 ヶ月(121-180 日)
、(6)2 回
接種後 6 ヶ月以降(181 日以降)

(7)3 回(ブースター)接種後の 7 つのカテゴリーに分け
た。解析に際してワクチンの種類は区別しなかった。ロジスティック回帰モデルを用いてオッ
ズ比と 95%信頼区間(CI)を算出し、ワクチン有効率は(1-オッズ比)×100%で推定した。多
変量解析における調整変数としては、先行研究等を参照し、年代、性別、基礎疾患の有無、医
療機関、カレンダー週、濃厚接触歴の有無、過去 1 ヶ月の新型コロナウイルス検査の有無、3 ヶ
月以上前の新型コロナウイルス感染症診断歴の有無をモデルに組み込んだ。ワクチン有効率に

ページ内で利用されている画像ファイルです。