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【参考資料2-6】高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (2 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40300.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第85回 5/27)《厚生労働省》 |
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国立感染症研究所.
高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応
2005 年以降は Clade 2 の亜系統が鳥類で流行したことに伴い鳥類からヒトへの感染例も
増加し、2006 年には欧州、アフリカ大陸でもヒト感染例が報告された。HPAIV(H5N1)のヒ
ト感染例は 2024 年 4 月 9 日時点で少なくとも 889 例が世界保健機関(WHO)に報告さ
れているが、ほとんどは 2017 年以前の報告である。
2021 年以降は Clade 2.3.4.4b に属する HPAIV(H5N1)の世界的な感染拡大に伴い、
2023 年には南極地域で初めて鳥類での感染例の発生が報告され、オセアニアを除く全世界
から報告があったほか、水生動物を含む野生の哺乳類や農場のミンクなどの感染例、散発的な
ヒト感染例が世界各所で継続的に報告されている。加えて 2024 年 3 月には、米国からヤギ
及び乳牛での Clade2.3.4.4b 属する HPAIV(H5N1)感染例、および未殺菌乳(生乳)から
の同 Clade の HPAIV 検出が報告され、接触者の調査中にヒトの感染例が確認された。
また、Clade 2.3.2.1c に属する HPAIV(H5N1)の局地的なヒト感染例も報告されている。
近年の HPAIV(H5N1)のヒト感染例の報告は限られるが、鳥類や哺乳類で流行が拡大して
いることから、2020 年以降の状況について、HPAIV(H5N1)感染事例の疫学情報の更新及
びリスクアセスメントを行った。
疫学的所見
1.
事例の概要
◼
国外の状況
国外の鳥類(野鳥、家きん)における発生状況
H5HA 遺伝子の Clade 2 系統から派生した Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5N1)は、
2020 年後半に欧州北部で同定されたのち、渡り鳥により世界各地へと広がった。鳥類にお
ける感染事例が確認された地域は、2021 年から 2022 年にかけては欧州が主であり、北米
にも拡大した(WHO. 2022)が、2023 年には南米に広がり(厚生労働省. 2023)、さらに
2023 年末から 2024 年 2 月にかけては南極大陸を含む南極地域にも拡大した(CSIC.
2024)。
例年、鳥類における A 型インフルエンザウイルス感染事例の報告数は、9 月が最も少なく、10
月頃から増加し始め、2 月にピークを迎える(WOAH. 2023)。しかし、2021/2022 シーズ
ン※は例年報告数が減少する時期にも、欧米を主として報告数が減少しないままに
2022/2023 シーズンを迎えた。このため、2021/2022 及び 2022/2023 シーズンの
鳥類における HPAIV 感染事例は例年にない規模となった(ECDC. 2024、CDC. 2023a)。
2022/2023 シーズンは 2023 年 7 月から 9 月、例年と同様に報告数が減少した(ECDC.
2024)。
2023/2024 シーズンは、例年より数週間遅い 10 月から、鳥類における HPAIV 感染事例
数が急速に増加し始めた(図 1)(ECDC.2024)。事例は主に欧米から報告されたが、日本を
含むアジアからも報告された(図 2)。2024 年 1 月下旬以降、事例数は減少傾向にあるが、欧
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023, 2024
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高病原性鳥インフルエンザウイルス A(H5N1)感染事例に関するリスクアセスメントと対応
2005 年以降は Clade 2 の亜系統が鳥類で流行したことに伴い鳥類からヒトへの感染例も
増加し、2006 年には欧州、アフリカ大陸でもヒト感染例が報告された。HPAIV(H5N1)のヒ
ト感染例は 2024 年 4 月 9 日時点で少なくとも 889 例が世界保健機関(WHO)に報告さ
れているが、ほとんどは 2017 年以前の報告である。
2021 年以降は Clade 2.3.4.4b に属する HPAIV(H5N1)の世界的な感染拡大に伴い、
2023 年には南極地域で初めて鳥類での感染例の発生が報告され、オセアニアを除く全世界
から報告があったほか、水生動物を含む野生の哺乳類や農場のミンクなどの感染例、散発的な
ヒト感染例が世界各所で継続的に報告されている。加えて 2024 年 3 月には、米国からヤギ
及び乳牛での Clade2.3.4.4b 属する HPAIV(H5N1)感染例、および未殺菌乳(生乳)から
の同 Clade の HPAIV 検出が報告され、接触者の調査中にヒトの感染例が確認された。
また、Clade 2.3.2.1c に属する HPAIV(H5N1)の局地的なヒト感染例も報告されている。
近年の HPAIV(H5N1)のヒト感染例の報告は限られるが、鳥類や哺乳類で流行が拡大して
いることから、2020 年以降の状況について、HPAIV(H5N1)感染事例の疫学情報の更新及
びリスクアセスメントを行った。
疫学的所見
1.
事例の概要
◼
国外の状況
国外の鳥類(野鳥、家きん)における発生状況
H5HA 遺伝子の Clade 2 系統から派生した Clade 2.3.4.4b の HPAIV(H5N1)は、
2020 年後半に欧州北部で同定されたのち、渡り鳥により世界各地へと広がった。鳥類にお
ける感染事例が確認された地域は、2021 年から 2022 年にかけては欧州が主であり、北米
にも拡大した(WHO. 2022)が、2023 年には南米に広がり(厚生労働省. 2023)、さらに
2023 年末から 2024 年 2 月にかけては南極大陸を含む南極地域にも拡大した(CSIC.
2024)。
例年、鳥類における A 型インフルエンザウイルス感染事例の報告数は、9 月が最も少なく、10
月頃から増加し始め、2 月にピークを迎える(WOAH. 2023)。しかし、2021/2022 シーズ
ン※は例年報告数が減少する時期にも、欧米を主として報告数が減少しないままに
2022/2023 シーズンを迎えた。このため、2021/2022 及び 2022/2023 シーズンの
鳥類における HPAIV 感染事例は例年にない規模となった(ECDC. 2024、CDC. 2023a)。
2022/2023 シーズンは 2023 年 7 月から 9 月、例年と同様に報告数が減少した(ECDC.
2024)。
2023/2024 シーズンは、例年より数週間遅い 10 月から、鳥類における HPAIV 感染事例
数が急速に増加し始めた(図 1)(ECDC.2024)。事例は主に欧米から報告されたが、日本を
含むアジアからも報告された(図 2)。2024 年 1 月下旬以降、事例数は減少傾向にあるが、欧
©National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan, 2023, 2024
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