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(参考資料1)医療保護入院の論点整理(桐原構成員提出資料) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24461.html
出典情報 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(第7回 3/16)《厚生労働省》
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ものの、とくに退院時の手続きが定められているわけではない。よって、精神科病院管理者
が精神障害者を退院させれば事足りるわけであり、精神保健指定医の診断や家族等の同意
も不要とされている。
④医療保護入院者の同一医療機関における転科の手続き
身寄りのない医療保護入院者が合併症等の治療で同一医療機関の他科に転科する場合の
手続きが煩雑である。精神科の病床に入院した状態のまま(病床を空けた状態のまま)他科
に転科した場合は、医療保護入院からの退院手続きを必要としないが、転科先で報酬請求す
ると精神科では報酬請求ができなくなる。そのため、通常は医療保護入院からの退院手続き
を経て、他科に転科することになる。その場合、3)の問題により家族等から退院の同意が
得られないことで転科ができないため、必要な治療が受けられないような状態になってい
る者が存在する。
⑤任意入院への切り替えの困難性
重度の認知症等で意思表示できない人は、精神障害者本人の同意をとることができない
とみなされ、医療保護入院から任意入院への切り替えがなされない事例が散見される。この
場合、医療保護入院が長期化する傾向にあり、任意入院を基本とする制度設計と矛盾してい
る。
3)法的性格
①医事法理
・医療及び保護の必要性の判断基準が不明である。
『精神保健福祉法詳解』
(中央法規)に
よると自傷及び他害のおそれがあり入院医療の必要性が認められる場合を含むものとさ
れているが、それでは、なおさら措置入院の要件との区別が困難である。仮に、医療及び
保護の必要性は、自傷及び他害のおそれがない場合であると解釈しても、依然として医療
及び保護の必要性の具体像は判然としないままである。
・また、どのような場合に精神障害者本人の同意で入院が行われる状態にないと判断でき
るのかも判然としない。1998 年の精神保健福祉法に関する専門委員会報告書では、
「現行
の制度においては、本人に判断能力が十分あるにもかかわらず、医療保護入院になるよう
な運用がなされている事例が生じている。従って、医療保護入院の対象を精神障害により
入院の要否を判断できないものに限定し、医療保護入院と任意入院の対象を明確に区分
する必要がある。また、医療保護入院の対象者に ついて、入院の判定基準を作成するこ
とについて検討するべきである。
」ともされており、これまでも医療保護入院の対象者像
が不鮮明であるといった指摘があったことがわかる。
・精神保健指定医の判断は、一般的な医事法の適用を受けないという誤解がある。また、
精神保健指定医制度は、医事法の観点から当該医療が適切であったかどうかを検証する
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