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(参考資料1)医療保護入院の論点整理(桐原構成員提出資料) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24461.html
出典情報 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(第7回 3/16)《厚生労働省》
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・平成 24 年検討では、同意できない人に対する医療保障が必要であるということが、医
療保護入院が必要であることとして整理されている。しかし、仮に医療保障が必要だとし
ても、直ちに医療保護入院が必要であることの根拠とまではならないはずである。医療保
護入院の必要性については、同意できない人への医療保障一般とは別立てで検討される
べきところである。しかし、それらの検討がおこなわれていないがために、医療保護入院
によって医療保障されるという図式で報告書がまとめられてしまった。
・医療保護入院以外の同意できない人への医療保障の方法については、一応は検討された
ものの、アイデアが煮詰まっておらず十分な検討がおこなわれたとは言えない。また、医
療保護入院が同意できない人への医療保障の方法として妥当であるかどうかの検討は、
まったくといっていいほどされていない。
②契約と医療費支払いについて
医療保護入院の契約の性格については、有償による準委任契約であり、受益の意思表示
が不要となる特約がある第三者のためにする契約という性格を有するものという判例が
存在するとの極めて歯切れの悪いまとめ方になっている。また、費用が発生する理由につ
いては、契約法理としての説明が煮え切らないまま、受益者が負担するという結論のみが
挙げられたかたちになっている。
しかし、本来なら第三者のためにする契約は、受益者が契約を拒絶した時点で契約とし
て成立しないはずである。また、契約を伴わない事務管理においても受益者が拒絶した場
合に成立しないこととされている。いかなる法理に基づき医療費の支払い義務が生じて
いるのかは、不明と言わざるを得ない。
③家族の同意について
家族が同意するのは負担であるとする意見と家族が一番身近な理解者であり同意をす
るべきという相反する意見が出されていた。そこで、保護者の同意と家族等の同意を切り
分けて、保護者制度自体を廃止して医療保護入院の体系が、そのまま残された。しかし、
保護者の同意が家族等の同意に変わったところで家族の負担は同じである。よって、負担
の軽減策としては、なんら解決策を講じたことにはならない。
5)平成 24 年度検討に対する見解と今後の検討課題
平成 24 年の入院制度のあり方の検討を検証した上で、取り残した課題を解決していく姿
勢が求められるはずである。
今後の検討課題は、同意できない人への医療保障の必要性と医療保護入院の必要性を概
念として切り分けた上で、医療保護入院によらずとも非同意で医療につなげるための方策
の有無についての検討である。

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