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(参考資料1)医療保護入院の論点整理(桐原構成員提出資料) (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24461.html |
出典情報 | 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(第7回 3/16)《厚生労働省》 |
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例では、第三者のためにする契約としながらも、受益の意思表示を不要とする特約が結ば
れているという解釈が示されている(東京地方裁判所・判決・昭和 48 年 8 月 17 日)。
③費用負担
・医療保険制度に基づけば、療養の給付に伴う負担金は、療養を受けた者が負担すること
とされており、結果的に、入院医療の行われた精神障害者本人が負担することとなる。こ
の点、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下、
「精神保健福祉法」とする。)第
42 条及び『精神保健福祉法詳解』によれば、保護者は支出した費用について、精神障害
者又はその扶養義務者に費用償還の請求権をもつとされている。先述の昭和 48 年判決で
は、
「精神衛生法が予定しているように入院に要する費用を精神障害者側に負担させるこ
とも、当該契約によって基礎づけることが可能となる」としている。
2)検討の留意点
(留意点1:医療保護入院の二面性)
医療保護入院は、
・ 本人にとっては、強制性を伴う入院である一方、治療にアクセスすることができる、
・ 家族にとっては、本人の意思に反する入院の手続きを取ることが大きな負担になる一
方、本人に治療を受けさせることができる、
制度であり、本人、家族いずれにとっても、利点と問題点のいわば「二面性」があると言え
る。その中で、本人にとっての「強制性」と、「保護者の負担」が課題となっている。
(留意点2:医療保護入院制度自体の持つ制度的課題)
現在の医療保護入院制度には、本人の同意が得られない中で、
(留意点1)で挙げた「治
療へアクセスする権利を保障する」という利点があるものの、入院の必要性の判断に加え、
保護者による同意という構成をとっているため、
・ 保護者の同意がなければ、入院の必要性があったとしても入院できない、この点は、
逆に、むやみに入院させることを保護者が防いでいるととらえることも可能。
・ 本人が退院したくても、保護者の同意がなければ退院することができない状況もあり
得る、という制度的な課題を持っている。
(留意点3:治療へアクセスする方法)
現在は、医療保護入院が治療へアクセスする権利を保障するために設けられた唯一の制
度であるが、他に医療保護入院を代替する手段があるか。(※)保護者に対する責務規定の
うち「治療を受けさせる義務」に関連し挙げた論点。平成 23 年 9 月 8 日の「新たな地域精
神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」等では、治療へアクセスするための方法の例と
して、①精神障害者アウトリーチ推進事業、②諸外国における継続通院処遇、③結核治療に
関する例(DOTS)を紹介した。
(留意点4:地域精神保健福祉における対応)
5
れているという解釈が示されている(東京地方裁判所・判決・昭和 48 年 8 月 17 日)。
③費用負担
・医療保険制度に基づけば、療養の給付に伴う負担金は、療養を受けた者が負担すること
とされており、結果的に、入院医療の行われた精神障害者本人が負担することとなる。こ
の点、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下、
「精神保健福祉法」とする。)第
42 条及び『精神保健福祉法詳解』によれば、保護者は支出した費用について、精神障害
者又はその扶養義務者に費用償還の請求権をもつとされている。先述の昭和 48 年判決で
は、
「精神衛生法が予定しているように入院に要する費用を精神障害者側に負担させるこ
とも、当該契約によって基礎づけることが可能となる」としている。
2)検討の留意点
(留意点1:医療保護入院の二面性)
医療保護入院は、
・ 本人にとっては、強制性を伴う入院である一方、治療にアクセスすることができる、
・ 家族にとっては、本人の意思に反する入院の手続きを取ることが大きな負担になる一
方、本人に治療を受けさせることができる、
制度であり、本人、家族いずれにとっても、利点と問題点のいわば「二面性」があると言え
る。その中で、本人にとっての「強制性」と、「保護者の負担」が課題となっている。
(留意点2:医療保護入院制度自体の持つ制度的課題)
現在の医療保護入院制度には、本人の同意が得られない中で、
(留意点1)で挙げた「治
療へアクセスする権利を保障する」という利点があるものの、入院の必要性の判断に加え、
保護者による同意という構成をとっているため、
・ 保護者の同意がなければ、入院の必要性があったとしても入院できない、この点は、
逆に、むやみに入院させることを保護者が防いでいるととらえることも可能。
・ 本人が退院したくても、保護者の同意がなければ退院することができない状況もあり
得る、という制度的な課題を持っている。
(留意点3:治療へアクセスする方法)
現在は、医療保護入院が治療へアクセスする権利を保障するために設けられた唯一の制
度であるが、他に医療保護入院を代替する手段があるか。(※)保護者に対する責務規定の
うち「治療を受けさせる義務」に関連し挙げた論点。平成 23 年 9 月 8 日の「新たな地域精
神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」等では、治療へアクセスするための方法の例と
して、①精神障害者アウトリーチ推進事業、②諸外国における継続通院処遇、③結核治療に
関する例(DOTS)を紹介した。
(留意点4:地域精神保健福祉における対応)
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