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参考資料1-3 浜口班の議論における参考資料(令和3年12月6日開催) (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24719.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和3年度第6回 3/29)《厚生労働省》 |
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20211206
日本赤十字社 血液事業本部
体(抗 PF4 抗体)が病因にもかかわらず、通常の獲得免疫応答とは異なり、ワクチ
ン接種後 5 日目から IgG 抗体が産生され、発症している。さらに、患者の持つ血小
板活性化能を有する抗 PF4 抗体(IgG 抗体)は一過性にのみ存在し、12 週以上観察
を続けられた患者において 90%以上の患者で、中央値として 12 週(約 3 か月)で陰
性化していたと報告されている[3]。VITT 発症の免疫応答として、獲得免疫とは異
なり、T-cell independent innate immune response の関与が示唆され、ワクチン接種
による抗原刺激、炎症などによって、免疫寛容状態にあった抗 PF4 抗体産生能を持
つ B cell の免疫応答が解除され、直ちに IgG 抗体を産生しているものと推定される。
T-cell independent innate immune response は、明確な免疫記憶を持たない特徴を有
し、VITT 発症患者でも、抗 PF4 抗体が消失したあとは、血栓塞栓症の発症リスクは
なく、さらに COVID-19 ワクチン(mRNA ワクチン)の追加接種が可能であるとさ
れる。実際、少数例(n=5)であるものの、再接種後の VITT の再発は認められなか
ったと報告されている[3]。
ただし、VITT 患者の持つ抗 PF4 抗体の血小板活性化能が非常に強い場合には、
後日、血小板減少を再発した非常にまれな症例の報告[3]もあり、30 日を超えて症状
が「再発」する可能性は完全には否定できないものと考えられる。
現在までの VITT の報告をまとめると以下のように要約できる。
・血小板減少症を伴う血栓症(一部には出血が伴う)を発症
・脳静脈洞血栓症や内臓静脈血栓症等のまれな静脈血栓症や動脈血栓症を発症
→多くは接種後 14 日以内に発現しており、致死的転帰の症例も認められている。
→「アストラゼネカ社 COVID-19 ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症の診
断と治療の手引き・第2版」においては、海外の報告や提言を参考に、ワクチン接
種後の TTS(血小板減少を伴う血栓症)*の発症時期を4-28 日(ワクチン接種日
を 0 日とする)としている。
[*:VITT(ワクチン誘因性免疫性血栓性血小板減少
症)と同義語]
→VITT の現時点で最多の症例を集めた英国からの報告[2]においては、definite or
probable VITT の 220 症例中、その 97%はワクチン接種後 5 日目から 30 日目ま
でに発症し、残り 3%は接種後 30 日から 48 日までに発症した。30 日目以降 48 日
以内に発症した 3%の症例は、すべて、静脈血栓症(深部静脈血栓症や肺塞栓症)
の発症で発見されていることを考えると、30 日目までに発症しているものの、症
状が顕在化したのが、30 日目以降であった可能性が高いと考えられる。
(2)ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
「バキスゼブリア筋注適正使用ガイド」によれば、2021 年 1 月 31 日までの海外で
の市販後(緊急使用許可)において、ショック、アナフィラキシーに関連する有害事
象は 42 例(重篤 36 例、非重篤6例、死亡例なし)48 件報告されている。
(期間中の
累計推定出荷数量:44,496,140 回接種分)
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日本赤十字社 血液事業本部
体(抗 PF4 抗体)が病因にもかかわらず、通常の獲得免疫応答とは異なり、ワクチ
ン接種後 5 日目から IgG 抗体が産生され、発症している。さらに、患者の持つ血小
板活性化能を有する抗 PF4 抗体(IgG 抗体)は一過性にのみ存在し、12 週以上観察
を続けられた患者において 90%以上の患者で、中央値として 12 週(約 3 か月)で陰
性化していたと報告されている[3]。VITT 発症の免疫応答として、獲得免疫とは異
なり、T-cell independent innate immune response の関与が示唆され、ワクチン接種
による抗原刺激、炎症などによって、免疫寛容状態にあった抗 PF4 抗体産生能を持
つ B cell の免疫応答が解除され、直ちに IgG 抗体を産生しているものと推定される。
T-cell independent innate immune response は、明確な免疫記憶を持たない特徴を有
し、VITT 発症患者でも、抗 PF4 抗体が消失したあとは、血栓塞栓症の発症リスクは
なく、さらに COVID-19 ワクチン(mRNA ワクチン)の追加接種が可能であるとさ
れる。実際、少数例(n=5)であるものの、再接種後の VITT の再発は認められなか
ったと報告されている[3]。
ただし、VITT 患者の持つ抗 PF4 抗体の血小板活性化能が非常に強い場合には、
後日、血小板減少を再発した非常にまれな症例の報告[3]もあり、30 日を超えて症状
が「再発」する可能性は完全には否定できないものと考えられる。
現在までの VITT の報告をまとめると以下のように要約できる。
・血小板減少症を伴う血栓症(一部には出血が伴う)を発症
・脳静脈洞血栓症や内臓静脈血栓症等のまれな静脈血栓症や動脈血栓症を発症
→多くは接種後 14 日以内に発現しており、致死的転帰の症例も認められている。
→「アストラゼネカ社 COVID-19 ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症の診
断と治療の手引き・第2版」においては、海外の報告や提言を参考に、ワクチン接
種後の TTS(血小板減少を伴う血栓症)*の発症時期を4-28 日(ワクチン接種日
を 0 日とする)としている。
[*:VITT(ワクチン誘因性免疫性血栓性血小板減少
症)と同義語]
→VITT の現時点で最多の症例を集めた英国からの報告[2]においては、definite or
probable VITT の 220 症例中、その 97%はワクチン接種後 5 日目から 30 日目ま
でに発症し、残り 3%は接種後 30 日から 48 日までに発症した。30 日目以降 48 日
以内に発症した 3%の症例は、すべて、静脈血栓症(深部静脈血栓症や肺塞栓症)
の発症で発見されていることを考えると、30 日目までに発症しているものの、症
状が顕在化したのが、30 日目以降であった可能性が高いと考えられる。
(2)ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
「バキスゼブリア筋注適正使用ガイド」によれば、2021 年 1 月 31 日までの海外で
の市販後(緊急使用許可)において、ショック、アナフィラキシーに関連する有害事
象は 42 例(重篤 36 例、非重篤6例、死亡例なし)48 件報告されている。
(期間中の
累計推定出荷数量:44,496,140 回接種分)
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