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参考資料1-3 浜口班の議論における参考資料(令和3年12月6日開催) (38 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24719.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和3年度第6回 3/29)《厚生労働省》 |
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血小板減少症を伴う血栓症※の診断と治療
※米国、欧州等では、TTS:Thrombosis with Thrombocytopenia Syndrome とも呼ばれています。
本剤接種後にTTSが疑われた際、以下の暫定的な対処法に従い、診断および速やかに治療を開始するよう
お願いします。
TTSが疑われる症状が認められた場合の対処法1)
1. COVID-19ワクチンの予防接種歴を確認し、接種している場合はワクチンの種類と接種日を記録する。症状が
COVID-19ワクチン接種後4~28日以内に発現しているか確認する。
2. 全血算(CBC)
を測定し、血小板数がおよそ15万/μL未満である。
3. 1かつ2の場合、血小板減少症を伴う血栓症(TTS)
の疑いと判定する。
4. まず、すべてのヘパリン類、ヘパリンコーティングカテーテル
(圧ラインやヘパリンロックも)
を避ける。
5. TTSの疑いと判定された患者では、a、bの検査を速やかに行う。
a. 画像検査:
MRIのT2*強調画像やSWI、MR venography、または、CTおよびCT血管造影。脳以外の血栓症も疑う所見
がある場合は脳以外の部位の検査も考慮。
b. 凝固線溶検査(PT、APTT、フィブリノゲン、D-ダイマー)
:
D-ダイマー値が著明に上昇(基準値上限の4倍以上)
している場合はTTSの可能性が高い。フィブリノゲンが
基準値下限以下に低下することもある。
6. 施設で項目5.の臨床検査や対応を行えない場合、この対応が可能な地域の病院への紹介を手配すること。
7. ワクチン接種後のTTSでは、ELISA法で抗血小板第4因子に対する抗体が陽性となることが多いが注)、現在、国
内の検査実施施設は調整中である。
注)ラテックス凝集法や化学発光免疫測定法(CLIA)
では偽陰性になることがあります。
TTSの治療1)
TTSが疑われるまたは確認された患者の治療を行う場合、血栓止血の専門家に相談する。出血と血栓症のリスクバ
ランスを症例ごとに考慮する必要がある。海外ではヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
に準じた治療が提唱されて
いるが、TTSはHITよりも出血を高頻度に合併することには注意が必要である。また、診断が確定することを待つこ
とは病状の悪化につながる恐れがあるため、TTSを疑う場合は速やかに治療を開始する。現時点で、TTSに対する
有効性や安全性のエビデンスが確立した治療法はない。以下の原則について留意すること。
1. ヘパリンを投与しない
(ヘパリンフラッシュを含むすべてのヘパリン類を避ける)。
2. 血小板輸血は原則として避ける。
3. 血栓止血の専門家に相談する
(対面、オンライン、電話)。
4. 免疫グロブリン1 g/kg/日(保険適応外)を2日間静脈内投与する。ステロイドを併用する場合もある
(保険適応外)。
(米国血液学会、国際血栓止血学会、英国血液学会
5. ヘパリン以外の抗凝固薬:血栓症の治療として使用を考慮する
のWebサイト等参照)。候補となる薬剤として、アルガトロバン
(HITよりも出血副作用のリスクに注意する必要が
あり、十分な説明と注意深い用量調整が必要)
、フォンダパリヌクス、直接作用型経口抗凝固薬などがあるが、いず
れも保険適応外である。血小板数が極めて低い場合は出血に十分注意する。ワルファリンは急性期の使用は避ける。
TTSが除外されるまでは、ヘパリン
(未分画ヘパリンおよび低分子ヘパリン)
による抗凝固療法を行わないこと。ヘパ
リンコーティングカテーテル、圧ライン用ヘパリン生食やヘパリンロックも使用しないこと。
TTS診断の確認方法およびその臨床管理の指針に関する詳細情報は、以下のWebサイト等を参照のこと。
米国血液学会:
https://www.hematology.org/covid-19/vaccine-induced-immune-thrombotic-thrombocytopenia
国際血栓止血学会:
https://www.isth.org/news/561406/The-ISTH-Releases-Interim-Guidance-on-Vaccine-Induced-ImmuneThrombotic-Thrombocytopenia-VITT-.htm
英国血液学会:
https://b-s-h.org.uk/about-us/news/guidance-produced-by-the-expert-haematology-panel-ehp-focussed-onvaccine-induced-thrombosis-and-thrombocytopenia-vitt/
(最終アクセス:2021年5月16日)
1)The Division of Healthcare Management and Occupational Safety and Health (DHMOSH): Covid-19 Vaccines VIPIT
Interim Guidance. 12 April 2021:
https://www.un.org/sites/un2.un.org/files/coronavirus_vipitguidance.pdf (最終アクセス:2021年5月16日) より作成
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※米国、欧州等では、TTS:Thrombosis with Thrombocytopenia Syndrome とも呼ばれています。
本剤接種後にTTSが疑われた際、以下の暫定的な対処法に従い、診断および速やかに治療を開始するよう
お願いします。
TTSが疑われる症状が認められた場合の対処法1)
1. COVID-19ワクチンの予防接種歴を確認し、接種している場合はワクチンの種類と接種日を記録する。症状が
COVID-19ワクチン接種後4~28日以内に発現しているか確認する。
2. 全血算(CBC)
を測定し、血小板数がおよそ15万/μL未満である。
3. 1かつ2の場合、血小板減少症を伴う血栓症(TTS)
の疑いと判定する。
4. まず、すべてのヘパリン類、ヘパリンコーティングカテーテル
(圧ラインやヘパリンロックも)
を避ける。
5. TTSの疑いと判定された患者では、a、bの検査を速やかに行う。
a. 画像検査:
MRIのT2*強調画像やSWI、MR venography、または、CTおよびCT血管造影。脳以外の血栓症も疑う所見
がある場合は脳以外の部位の検査も考慮。
b. 凝固線溶検査(PT、APTT、フィブリノゲン、D-ダイマー)
:
D-ダイマー値が著明に上昇(基準値上限の4倍以上)
している場合はTTSの可能性が高い。フィブリノゲンが
基準値下限以下に低下することもある。
6. 施設で項目5.の臨床検査や対応を行えない場合、この対応が可能な地域の病院への紹介を手配すること。
7. ワクチン接種後のTTSでは、ELISA法で抗血小板第4因子に対する抗体が陽性となることが多いが注)、現在、国
内の検査実施施設は調整中である。
注)ラテックス凝集法や化学発光免疫測定法(CLIA)
では偽陰性になることがあります。
TTSの治療1)
TTSが疑われるまたは確認された患者の治療を行う場合、血栓止血の専門家に相談する。出血と血栓症のリスクバ
ランスを症例ごとに考慮する必要がある。海外ではヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
に準じた治療が提唱されて
いるが、TTSはHITよりも出血を高頻度に合併することには注意が必要である。また、診断が確定することを待つこ
とは病状の悪化につながる恐れがあるため、TTSを疑う場合は速やかに治療を開始する。現時点で、TTSに対する
有効性や安全性のエビデンスが確立した治療法はない。以下の原則について留意すること。
1. ヘパリンを投与しない
(ヘパリンフラッシュを含むすべてのヘパリン類を避ける)。
2. 血小板輸血は原則として避ける。
3. 血栓止血の専門家に相談する
(対面、オンライン、電話)。
4. 免疫グロブリン1 g/kg/日(保険適応外)を2日間静脈内投与する。ステロイドを併用する場合もある
(保険適応外)。
(米国血液学会、国際血栓止血学会、英国血液学会
5. ヘパリン以外の抗凝固薬:血栓症の治療として使用を考慮する
のWebサイト等参照)。候補となる薬剤として、アルガトロバン
(HITよりも出血副作用のリスクに注意する必要が
あり、十分な説明と注意深い用量調整が必要)
、フォンダパリヌクス、直接作用型経口抗凝固薬などがあるが、いず
れも保険適応外である。血小板数が極めて低い場合は出血に十分注意する。ワルファリンは急性期の使用は避ける。
TTSが除外されるまでは、ヘパリン
(未分画ヘパリンおよび低分子ヘパリン)
による抗凝固療法を行わないこと。ヘパ
リンコーティングカテーテル、圧ライン用ヘパリン生食やヘパリンロックも使用しないこと。
TTS診断の確認方法およびその臨床管理の指針に関する詳細情報は、以下のWebサイト等を参照のこと。
米国血液学会:
https://www.hematology.org/covid-19/vaccine-induced-immune-thrombotic-thrombocytopenia
国際血栓止血学会:
https://www.isth.org/news/561406/The-ISTH-Releases-Interim-Guidance-on-Vaccine-Induced-ImmuneThrombotic-Thrombocytopenia-VITT-.htm
英国血液学会:
https://b-s-h.org.uk/about-us/news/guidance-produced-by-the-expert-haematology-panel-ehp-focussed-onvaccine-induced-thrombosis-and-thrombocytopenia-vitt/
(最終アクセス:2021年5月16日)
1)The Division of Healthcare Management and Occupational Safety and Health (DHMOSH): Covid-19 Vaccines VIPIT
Interim Guidance. 12 April 2021:
https://www.un.org/sites/un2.un.org/files/coronavirus_vipitguidance.pdf (最終アクセス:2021年5月16日) より作成
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